魔界
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『黒い血の果て』と『百年の追跡』は、後に『血の翳り』というほぼ同じテーマの作品によって、その完成を成し遂げられたような感じがする。今風に言えば、”犯罪者としての遺伝形質”というところだ。それを主人公が追って調べる__『黒い~』は自分の事で、『百年の~』は自分が始末した相手という他人を、という違いがあるが__という流れも、すっかり同じだ。『異常者』や『残像』には、血筋のこともあるにはあるが、むしろ夫婦に代表される性的関係の危うさ、特に女性の信用できなさ?を強く訴えているように感じる。寿行さんの特徴で、そうした頼りなさを超えた、強くて真実から逃げず、誇りや闘いを打ち捨てたりしない理想の女性もまた、他の作品には出てきたりもする辺りが面白い。ところで『忍びよる闇』が、実はこの作品集の中では異色で好きなのだ。どうやら実際にあった、いわば恐怖の体験談を脚色したものらしい。寿行さんの他の作品とは、雰囲気からして違うな、と思ったものだ。社会状況とか、時代背景とかによっては確かにありそうだし、要領の悪い人ならこんな拙い対応になってしまうのだろう、と人ごとなら感じるが。もし自分だったら?裁判てそんなに頼りない?警察も怖い場合はあるか、あるかもね・・・などなど、考えてしまうことも多くなる。筒井康隆氏の作品とは違い、実際的だけにもっと怖く読めた。ホント怖い。 | ||||
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5作の中篇集。その内、『黒い血の果て』『百年の追跡』『残像』の3作は、遺伝的な問題__親子関係の外見的・客観的証拠とか、犯罪者を性格的に決定付ける条件など__をテーマにしている。特に『残像』が、私には印象強い。これは、父権問題(と妻の不貞行為の有無)を扱った、1977年の作品だ。親子関係の科学的証明が、当然話題になるのだが、その中心・主力は血液検査である。今なら、DNAで十分というところなのに、昭和よのーっ!言及されるのが血液だと、よく言えば内容が豊富、早い話が決定力不足だ。だから説明は複雑でややこしくなる。でもこの話題を使う為に、寿行さんもかなり勉強したのだろうと思った(あ?作家なら当たり前?)。『百年の追跡』も魅力的だった。警察庁の秘密兵器(?)河継保行は、「必殺何とか人」みたいに、殺しの命令をあっさりと果たす。でも、話の本番はむしろここからで、命令の標的だった”兄弟”の秘密を調べる。彼らの家系は、要するに抹殺すべき遺伝的条件の持ち主だった・・・この辺は、『黒い血の果て』にも少し共通するところだ。ただ『黒い~』の方は、終わり方が悲し過ぎる。佐藤は危険な流れの人間、だから殺さなきゃ、と結論する遠野自身、やはり危険じゃないか。それと寿行さん、基本的には女性を信じないのだろうが(『残像』や『異常者』)、だからこそ理想の女性像がハッキリしてるのだろうか。例えば、『幻想都市』の里原真砂とか、『修羅の峠』の越路津恵とか・・・そりゃ私も同じですけど。 | ||||
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忌まわしい血、といえばバンパイアを思い浮かべます。彼らは生きていくために人の血を吸いますが、この作品に出てくる人々は、求めるわけではなく、求めたくもないのに、生まれた時から体内を流れる血によって陰惨な人生を送ることになります。『受け継がれる遺伝子は悪性の方が勝ってくる』など、科学は進歩しても扱う人間は進歩できないのではとちょっと暗い気持ちになる内容でした。 | ||||
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