殺人ダイヤルを捜せ



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初公開日(参考)1985年03月
分類

長編小説

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殺人ダイヤルを捜せ (講談社文庫)

1988年07月07日 殺人ダイヤルを捜せ (講談社文庫)

綾子は商社の電話交換手である。夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックスを始めた。そしてある夜、ダイヤルをまわしたとたん、耳に入ったその声!綾子がその番号の持ち主を知ったとたん、事態は恐ろしい方向へとすすみ、彼女をがんじがらめに…。鬼才が都市の恐怖、人間の弱点を衝撃的に描いたサスペンス秀作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

殺人ダイヤルを捜せの総合評価:6.00/10点レビュー 8件。Dランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

ちょっと無理している感が…。

島田氏の御手洗シリーズについては感想を書いたが、その他の作品についてはすっかり忘れていたので、これから触れていくことにする。

さてガチガチの本格ミステリの御手洗物と違い、本作は女性が巻き込まれるサスペンスミステリを扱っている。
しかもなんと導入は主人公の女性がテレフォン・セックスに耽っているという、三文ポルノ小説的な設定なのだから、ビックリした。新境地を開こうと躍起になって島田氏は背伸びをしすぎているのではないかと思ったくらいだ。もはや本作の内容はうろ覚えでしかないのだが、このテレフォン・セックスが趣味という設定の割には官能的ではなかったように記憶している。後の『涙流れるままに』の方が、もっと内容的には官能小説に近かった。この辺は作者がまだミステリ作家になりたてだったこと、そしてミステリに対してストイックであったことに因るのかもしれない。

物語はこの趣味にのめりこんだ女性が夜毎、不特定の人に電話することで、ある日突然人が殺される瞬間の家にかけてしまった事から事件に巻き込まれてしまうといった物だ。人には云えない秘密の趣味がやがて自らを窮地に追い込むという点ではコーネル・ウールリッチの有名な短編「裏窓」を髣髴させる。あれが視覚的だったのに対し、島田氏は聴覚的なサスペンスを狙っているところが工夫した点といえるだろう。そしてさらに島田氏はこの偶然に対してある仕掛けを盛り込んでいる。ミステリにおける登場人物の役割という概念に新しい視点をもたらしているとも云える仕掛けだ。

しかし電話というのは古今東西ミステリによく扱われる題材だ。だから携帯電話が出た時にはあまりの便利さ、汎用性にミステリ作家達はどう処理していいものか、非常に困ったという。固定電話が被害者ならびに容疑者に犯行当時、現場不在の証明として有効に機能していたこと、文字通り顔の見えない相手とのやり取りであるという不確実性、これがミステリの効果を盛り上げていたからだ。しかし携帯電話があると、特にどこでも電話が掛けられるということで、アリバイを簡単に偽装できるし、また拉致された者が簡単に救いを求めることも出来るという利便性がサスペンス性を減じてしまっている。文明の進化とミステリとは常に犬猿の仲なのだ。さすがに最近はミステリ作家も心得ていて携帯電話があっても成立つサスペンス、逆に携帯電話だからこそ出来るサプライズなどを盛り込んだ秀作も出てきている。

脱線してしまったので話を戻すが、上に書いたように平凡なサスペンスに終始しがちな本作のような作品でも彼なりに工夫しているのが、ミステリに対する思いの強さと作家としての志の高さを感じさせるが、やはり御手洗物の後に読むと凡作と感じてしまう。本自体も薄くてすぐに読めてしまう手軽さもその一助になっているようだ。島田氏の作品をコンプリートしたいという人のみ勧める作品だ。
しかしもうそろそろ題名に付けられている「ダイヤル」の意味が解らない人達が出てきていることだろう。そんなことも含めて時代の流れを感じる作品ではある。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(4pt)

電話のように進化し続けるものを題材にするとこうなってしまうのだな、と思う

この作品は、今読むと島田荘司の基本である

・まず、ありえないくらいの奇想がある
・その奇想をいくつかの別の奇想が加わり、より深い奇想になる
・それを最後には論理的に帰結させてしまう

が、完全に欠落している。

ただ、考えてみると、当時は、新人作家として夢中に頑張っている頃で、特に乱歩賞や直木賞にノミネートはされるが落選し、編集者の『松本清張病』もあり、講談社でないとミタライを使えない縛りもありと、やたらとハードルが高い環境にあった。その中で、編集者の嗜好に合うもの、というのが大命題だったのだろうと推測できる。

今となっては、固定電話しか無い環境下のこのストーリーは、読んでいて懐かしさすら無い。電話のように進化し続けるものを題材にするとこうなってしまうのだな、と思う。

それでも後半に行くほど、それなりに愉しめる。特に、主人公がゆうづる5号で函館に行くのには笑ってしまった。これはこれでありなのだと思う。
殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)より
4061811886
No.6:
(4pt)

島田氏80年代B級サスペンス路線の一作

系列としては高山殺人行 1/2の女等に共通する、御手洗も吉敷も登場しない女性を主人公にしたサスペンスもの。 島田氏の作品としてはマイナーだが、ボリュームも適量で手軽に読める標準以上の都会派B級サスペンスに仕上がっている。 ファンならば安心して楽しめるだろう。
殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)より
4061811886
No.5:
(3pt)

時代を超えた文学作品の普遍性とは?

小林明子の「恋に落ちて」の一節に、「♪ダイヤル回して 手を止めた〜」
とある。もはやダイヤルもテレビのチャンネルも回さなくなって久しい。
タイトルの通り、本作は電話が重要な要素となる。
この本が書かれたのが、1985年。想像できるように、今の電話とは隔世の感ありで、
もはや本作のトリックや仕掛けのいくつかは現在では使えないものだ。
しかしそれは瑣末な問題であって、時代性にからめとられてしまうのは、
本しかり、歌の歌詞しかり、いたしかたないことだ。
そういう「時代遅れ」の部分がありながら、
普遍性を内包しているかどうかが評価の鍵だと思う。
日本人論の論客でもある彼は、1985年以降にやってくる
「拝金主義尊重」時代の到来を予言していたんだと思う。
この作品はそういう作品ではある。
あるのだがいかんせんツッコミが甘いっちゅうか、
電話での工作のほうに気持ちの重点が置かれているというか、
惜しい、実に惜しいのである。
今、おそらく多くの人が「インターネット」と「犯罪小説」を結びつけて
何か1作書き上げてやろうとおもっているだろうが、
時代を超えて生き残れるものが、果たしてどれぐらいあるだろうか。
殺人ダイヤルを捜せ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:殺人ダイヤルを捜せ (講談社文庫)より
4061842463
No.4:
(3pt)

時代を超えた文学作品の普遍性とは?

小林明子の「恋に落ちて」の一節に、「♪ダイヤル回して 手を止めた〜」

とある。もはやダイヤルもテレビのチャンネルも回さなくなって久しい。

タイトルの通り、本作は電話が重要な要素となる。

この本が書かれたのが、1985年。想像できるように、今の電話とは隔世の感ありで、

もはや本作のトリックや仕掛けのいくつかは現在では使えないものだ。

しかしそれは瑣末な問題であって、時代性にからめとられてしまうのは、

本しかり、歌の歌詞しかり、いたしかたないことだ。

そういう「時代遅れ」の部分がありながら、

普遍性を内包しているかどうかが評価の鍵だと思う。

日本人論の論客でもある彼は、1985年以降にやってくる

「拝金主義尊重」時代の到来を予言していたんだと思う。

この作品はそういう作品ではある。

あるのだがいかんせんツッコミが甘いっちゅうか、

電話での工作のほうに気持ちの重点が置かれているというか、

惜しい、実に惜しいのである。

今、おそらく多くの人が「インターネット」と「犯罪小説」を結びつけて

何か1作書き上げてやろうとおもっているだろうが、

時代を超えて生き残れるものが、果たしてどれぐらいあるだろうか。
殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)より
4061811886
No.3:
(3pt)

リベンジに萌えるおばさん!!

自分を罠にはめて金持ちのボンボンとひっついたうえに、自分はそいつのせいで警察に屈辱を負わされ、もうどうにもこうにも許せん!とヒロインが、罠にかけたその女にリベンジするお話です。このヒロインの追い詰めていく行動が凄いです〜〜。よく、女は同姓への嫉妬心や羨望ってのが、」男が同姓に抱くそれよりもはるかに上回る、というのを聞きます。自分よりも客観美人な同姓に対しては、なんらかに陰湿な嫌がらせを堂々とくなし、権力があるならば地獄まで叩き落す、、それも女ならでわということです。男だと、鉄拳が頭を砕きますから単純でわかりやすいんですね。このヒロインも、もう行動からそういった執念をかんじさせる。現代なら、異性同士の性に関するトラブルは多発ですので、こういったことで命を落とさないように、と言う教訓を感じたりしました!!
殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:殺人ダイヤルを捜せ (講談社ノベルス)より
4061811886



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