北島先生とともに臨んだホーム・コンサートを期に、距離感を縮めた津島と南。高校二年生となり、さらに音楽漬けの日々が続く。

三年生になろうとしているある日、伊藤は言った。「津島、大丈夫か? チェロが、おとなしくなってる」。

選手、球団、マスコミ…。すべてを操る全能の代理人、善場圭一登場。

内閣情報局次長として『東京新聞』の創刊に関わり、「竹槍事件」での東条による『毎日新聞』廃刊要求を取り下げさせる五郎。

リストラされた係長、夫の暴力に悩む主婦、駆け落ちした高校生カップル、心中の相手を探す女優、愛人を殺して逃走中の男…。

妻の誕生日祝いに用意したナイトクルーズは、女性の悲鳴と銃声で悪夢に転じた。

お江戸深川にゃんにゃん横丁。長屋が並ぶこの場所は、その名のとおり近所の猫の通り道。

実家の道具屋を継ぐため、太一郎は曰くつきの品が集まる「皆塵堂」で修業することになった。

巨大歓楽街、福岡・中州。

土御門家は、全国の占い師を統括する安倍晴明を祖とする陰陽師の一族。

天才科学者フランケンシュタインによって創造された怪物は、現在まで生き延び、デュカリオンと名乗っていた。

フリーライターの舞は不妊が原因で離婚し、アパートに引っ越してきた。

「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。

大地震の被害を乗り越えた信太郎。しかし、美濃屋の総領として乗り越えなければならぬ大きな問題を抱えていた。

将軍家から格別の恩恵を賜っている伊奈家は、関東群代を世襲し権勢を誇っていた。

蕪村、最後の恋。五十近い歳の差を厭わぬ一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは、驚き呆れるばかり。

逐電(失踪)した旗本の行方を追う扇太郎は、借金の形に娘を吉原に沈める旗本が増えていることを知る。

与惣次行きつけの居酒屋に忘れられた風呂敷包み。中には位牌と骨壼、それに十両もの金が。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

町の外に出てはならない―禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。

夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と鳴咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。

御一新で「八丁堀」は変わっても、同心魂には変わりなし。

「温暖化防止」を特集した番組のキャスター・久保倉恭吾のもとに、環境調査会社の谷崎が現れる。

無眼流の遣い手である源次郎は、松平右近将監から探索を依頼された。

家治の治世、将軍職継承に絡み不穏な動きを続ける八嶽党。

1905年、ニューヨーク郊外で猟奇殺人が発生。

冬のある日、高校生の藤原道生は教会の聖母マリア像の前で卵型のメダルを拾う。

一族との縁組を断り、松平定信を敵に回した立花併右衛門。だが愛娘瑞紀はなんと縁談相手の旗本家に掠われてしまう。

十手と鑑札を返上し、岡っ引きから足を洗って十年。「泣きの銀次」も来年には不惑を迎えようとしていた。

「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。

二十数年ぶり、親友の葬儀で福岡に集まったのは、大学時代の四年間、共同生活を送った三人の仲間と私。

お春から嬉しい報せを聞けたものの、幸せ満ちる間もなく、辻斬りの探索に奔る文之介。

4件の狙撃事件が発生した。まずニューヨーク郊外で映画女優が心臓を射抜かれて即死。

ニューヨーク・タイムズを初め各メディアは連続狙撃犯の正体は自殺したヴェトナム戦争の名狙撃手だと報道したが、ボブは敢然と異を唱える。

山奥に忘れられたようにぽつんとある、小さくて古びた一軒の店「たけ屋」と、そこで支え合うように暮らしている母子、ヤスばあちゃんと地蔵じいさん。

ぼろ屋敷に住み、浅草の小間物屋に入りびたっては、日々をのんべんだらりと過ごす謎の浪人、新見左近。

世界最高峰への初登頂はいったい誰が、いつ成し遂げたのか?エヴェレストに挑み「なぜ登るのか?」と訊ねられ「そこに山があるからだ」と答えた悲劇の登山家ジョージ・マロリー。

想像を絶する過酷な条件でのエヴェレスト行。防寒具は妻に編んでもらった毛糸の手袋程度、酸素ボンベは卑怯―。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

昼間は孫寧温として王府に勤め、夜は側室に戻るという二重生活を送っていた真鶴。ある日、尚泰王の子を身篭もったことが発覚。

取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

相次ぐ夜盗による襲撃に、江戸市中の商家は戦々恐々としていた―。

神田の貧乏長屋に巣食う、砂絵師のセンセーとおかしな仲間たちが、江戸市中で起きた怪事件の謎を解く人気の捕物帳シリーズ。

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。

サックスは別の事件を抱えていた。公認会計士が自殺に擬装して殺された事件には、NY市警の腐敗警官が関わっているらしい。

旗本の三男から八丁堀同心の家へ婿入りし、平同心を世襲した日暮龍平。

明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子屋を開いた。

茶を商っている砂栖賀屋が押し込みにはいられたと報せがあった―。

人生に絶望し、集団自殺をしようと集まった男5人の前に現れた謎の女・ハナ。「まだ間に合うから。

君がため、産み落とされたバケモノだ。　　完全無欠の委員長、羽川翼は二学期の初日、一頭の虎に、睨まれた―。

清国の宦官・徐丁垓殺害の罪に問われた孫寧温は、孤島・八重山へ島流しにされてしまう。

一代で財閥にのし上がった男・灘尾儀一郎に嵌められて、瀬戸俊介の父母と姉は自殺した。

隠岐島へと向かう船に宗徳、蓮根左仲、与惣次、豪の姿があった。父親殺しで流刑となった十二歳の罪人・民吉の護送のためだ。

クルーザーの故障から無人島に取り残されたのは、ロジャー・シェリンガム含む15人の男女。

謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。

怪電話から始まった老女の悲劇。

「実は前から、ハヤ坊に頼みたいことがあってなぁ」東京に住む小学生のハヤトは、トンダじいさんの“一生に一度のお願い”を預かり、旅に出る。

愛する妻を失った由紀夫は、南の島のヴィラで夜ごと娼婦相手にサド的な欲望を満たす。

同心の息子でちょっと臆病な夏之助と、与力の娘でしっかり者の早苗。

赤レンガ倉庫。関内のバー。

将軍の身体に刃物を当てることが唯一許されるだけに、かえって絆が深くなるお髷番。

勘兵衛の組仲間が、修馬も含めて十三人、忽然と姿を消した。

迷宮入りした17年前の殺人事件の犯人だと名指しされた運送会社社長・末松。

若手衛視・富士見は、その男の鋭い殺気に度肝を抜かれる。元マル暴のベテラン・久能は、監視カメラに映った男に驚愕する。

恐れ知らずの竦腕で、次々と王府の改革を断行する孫寧温。

坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。

将軍なぞまっ平御免、ぼろ屋敷で浪人暮らし。後の名君、徳川家宣―。

インターネット心中で妻を失った新田は、事件を追っていたライターの切断死体を発見する。

時は元禄。人みな華美を競う時代に戦国時代から続く忍びがいた。

役者の卵・戸張美里が友人の代役で受けたオーディション。それは奇妙なものだった。

陸上自衛隊レインジャー部隊の元教官と助教で結成された四人の処刑戦士―彼らは銃の他に各々“静かな武器”も携えている。

志郎が新居に決めたアパートの前には、猫が集まる不思議な空き地があった。

応仁・文明の乱後、盗賊が跋扈する不安定な世相。

『板倉籠屋証文』から浮かび上がった意外な新事実を元に、政治や芸術にかける男の野心、恋を雄大に描く長篇時代小説！

名陶工・野々村仁清の下で頭角を現していく平蔵。豊臣家再興のため担ぎ上げられた真田幸村の遺児・大助。

剣の屈指の使い手であるにもかかわらず、役所きっての自堕落者と知られる玄次郎の心の闇とは? 虚しさと憐れみが去来する8篇

23年前に2人を殺し、無期判決を受けた男・久保島が仮釈放され、深津さくらの勤める金沢の更生保護施設に入寮してきた。

「どうして、君は死んだの?」“記憶保持”の能力をもつ浅井ケイ、“リセット”の春埼美空、そして“未来視”の相麻菫。二年前。

現代の科学では解明できない謎の商品“おもしろたわし”を調査してほしい―。

深川の茂平は大工の棟梁を引いて隠居の身。生来の仕事好きには、ひまでひまで仕方ない。

ファシスト政治が確立したイギリスで、ひそかに進行する巨大な陰謀。歴史の流れに翻弄されていく人々の運命は──。

大正三年、東京。画家を志し、家を飛び出す槇島風波。

19世紀の琉球王朝。嵐吹く晩に生まれた真鶴は、厳しい父の命に従い、男として生まれ変わることを決心する。

武家屋敷が連続して焼失、出火元の旗本は改易された。

サッカーW杯予選の日本代表候補選手が、皇居外苑の銅像に跨り爆死した!たまたま現場に居合わせた週刊誌記者の黒木典絵は、編集部の同僚・犬飼大志郎と事件の取材を命じられる。

金敷署の厄介者が集まる、生活保安課防犯係特殊相談対策室。

木島安兵衛が江戸に帰って八年が過ぎ、遊佐友也は十四歳になっていた。

絵画に描かれた巨大な歓喜仏に抱かれ、臨死体験者・磯村澄子は死んだ。奇妙な衣裳に極彩色の化粧、そして額に描かれた第三の眼。

人の心はどんな色に染まるのか―――。 神田明神下の長屋に住む通いの摺師、安次郎。

オルダーショット高校の老教師にして、素人探偵のストラング先生。

冬、七海西高校の屋上で、少女は“運命”に追いつかれた。

ナチスと講和条約を結び、平和を獲得したイギリス。要人訪英を前にして、ひそかに進行する暗殺計画。