アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ
- ノンフィクション (9)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本作はノンフィクションなので、どうしてもフィクションのミステリーを望む方には不向きです。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ありがとうございます。 | ||||
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世の中にはオーパーツと呼ばれるものがある(らしい)。 「場違いな工芸品」のことで、あるはずのないものが、あるはずのない場所で見つかることを指している。 例えば、ピラミッドの中で、当時の技術ではできないはずの金属細工のものが見つかるとか・・・。 50万年前の地層から点火プラグが見つかるとか・・・。 そして、このたぐいの話は、ほとんどの場合、超古代文明や宇宙文明と結び付けられ、トンデモ科学に帰着する。 けれども、この古代ギリシャのコンピュータは、それらの眉唾もののオーパーツとは一線を画して、科学史的に100年にもわたって研究・検討が重ねられ、その全貌がようやく明らかになってきた。 発見されたのはクレタ島の近くのアンティキテラ島の脇の海底。 西暦1900年に、海綿採りのダイバーたちが沈没船を発見し、その中の膨大なブロンズ像や大理石像などの積み荷の一部として混じっていた。 その船の沈没は、およそ紀元前1世紀。 今から2000年以上も昔のことである。 精巧に歯車を組み合わせた機械部品のようであったが、その用途が不明である。 機械式の時計に似ているが、機械式時計が発明されるのはそれよりも1400年後のことである。 そして100年以上の歳月をかけて、何人もの科学者がこの解明に取り組む。 この本は、その解明の歴史をたどったものだが、炭素14の発見や三次元CTの発明、コンピュータグラフィックスの発展などによって、錆ついていたところや解読できなかった文字などが次第に明らかになっていく。 そして、この謎の機械の用途が、驚くべき精巧な機械式天体運行儀であることが判明する。 その天体運行儀は、月の満ち欠けや地球から見た惑星の動きはもちろん、緯度によって異なる日食や月食さえ、正確に予測できる。 この本が面白いのは、そこに到達するまでの様々な科学者の取り組みを、一つの物語として、愛憎のこもったヒストリーとして見事に描いている点である。 そして、このアンティキテラの機械を指して、「2001年宇宙の旅」の原作者であるアーサー.C.クラーク(故人)はこう言った。 「この知識が継承されていたなら、産業革命は1000年以上も早まり、いまごろ人類は近くの星に到達していたはずだ」と。 それほどに科学史を塗り替えるほどの機械であることは間違いない。 けれども、クラークの意見にはいささか賛成しかねる。 なぜなら産業革命は科学技術だけで実現されたものではない。 資本の原始的蓄積などの社会経済的条件が整って、初めて達成された。 このアンティキテラの技術が、古代ローマ以降の社会に直接に継承されなかったということは、やはりその社会がこの技術を産業的な側面では必要としていなかった、使いこなせなかった、そういう段階にあったということを示してるはずである。 ただ、歴史に「もしも」は禁句ではあるけれども、この技術が産業面に活かされていたら、やはりその後の世界史は大きく変わっていただろうとも想像する。 SF作家ならずとも、そう思わせてしまうのが、この古代ギリシャのコンピュータである。 | ||||
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アトランティスや超古代文明、 古代宇宙飛行士や宇宙人の遺物といった分野の読み物を 毛嫌いするわけではないが積極的に手にしたくない。 読み始める前は、ひょっとしたら、そんな方向の1冊ではないか と思っていたが、いや、まったく違いました。 壮大な謎の解明に挑んだ大勢の科学者たちによる仮説と実証の物語であり、 この謎を軸に語られる科学史だ。 誠に面白い内容であるが、 おれには難解すぎる箇所も多く、 ジュブナイル版があったらいいのに、と思ったよ。 紀元前の地中海を航行中の船が沈んだ。 それから2000年以上を経た1901年、 海洋考古学調査として、沈没船の積み荷の引き上げ作業が行われた。 ブロンズ像や大理石像、壺などと共に いくつもの歯車を備えた機械装置が回収される。 なんだこれは。 船が沈没した紀元前世界には、 こうした歯車の装置は存在していないと考えられていた。 この装置は、いつ、どこの、だれが、何のために作成したのか。 謎の解明を過酷な長距離レースに同書は例える。 ただ、天文学や物理の基礎知識が皆無な、おれのバカアタマでは 同書のすべての記述を理解しきれなかった。 それでも、協力や裏切りや功名争い、貧困や病をめぐる人間模様は 実に興味深く読むことができた。 ページをめくりながらネット検索をしたくなったが我慢したぞ。 そのおかげか、最終章を美しい詩を味わうように楽しむことができたのだ。 | ||||
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モイログノモンでしょ?「モ」が抜けてるよ。他に数箇所ギリシャ語読みの間違いがある。グノモンが日時計だし、「モイロはモイラで、運命の女神ならぬ運命の目盛」というヤツだね、ここでは。目盛(1日、1分)違えば、状態は変わる訳で。 内容で抜けていることを補足しておくと、内輪の輪は黄道宮ではなく、パラペグマが記されていることから、カリッポス暦の暦で、外輪のエジプトの暦との日数差を表示している。 つまり、占星術的な黄道宮を連想してはいけない。暦としてヒッパルコスも使用したカリッポス暦で見てやる必要があり、日付も違う。 カリッポスの暦だから、30日分けではなく、至点分点を意識した、92,89,89,95で365日だと思っている。まあ古代ギリシャ語読めばパラペグマはわかる。 一番興味深かったのは双爪月15日目当たりの「A」。アテネ滞在時、アテネ考古学博物館は何十回も訪れ、この計算機も数多く見たが、「双爪月」と目盛の上にチョンと書かれた「A」には涙が流れた。何という、偶然、奇跡!「双爪」の文字に震えたものである。 エウドクソスが記録した17日目、さそり座が全て宵に沈む。BC361/Oct/13 ES_30で大体一致する。 この計算機には単純に「夕方、蠍が全て沈む」と書かれていただろう。 この記録はミレトス・パラペグマにも記載されている(ペルガモン博物館)。 天文ソフトで、観測地をロードスにして、紀元前100年は水平線基準で夏至日は6月26日、南中基準で6月25日。「A」の記録は、紀元前100年10月15日日没30分後の空で再現可能です。 それにしても、ど〜でも良い話が多すぎて、げんなりします。 多分、0も発見できると思います。 | ||||
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まだ読んでいないが、外観に不都合はありません。 | ||||
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