親友の死から立ち直るまもなく、可奈子の携帯が着信した。電源を切っても聞こえる押し殺した笑い声―「おまえが殺した」。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

あまりにあくどいフェンストンのやり方に反発するアンナは、アラベラと協力して、ウェントワース家救助作戦を果敢に推し進める。

9・11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。

「ふね屋」には五人の亡者が迷っていた。

悲劇はとどまることを知らない。かけがえのない仲間を失いながらも、旅は続く―“暗黒の塔”への旅は。

風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。

「私と一緒に来たら、空を飛べるようにしてやるぞ」ペテン師なのか?超人なのか?そう語る「師匠」に出会ったとき少年はまだ9歳だった。

心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。

お江戸長崎屋の離れでは、若だんな一太郎が昼ごはん。

しみじみ女が欲しい、ごく普通の恋人が欲しい―。切望して手酷く裏切られ、ついに手に入れた女と念願の同棲を始めるが…。

瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。

12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。

小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。

南北朝の争いから十年、平安を取り戻しつつある京の都。奇怪な歌に予言されるように京随一の遊女が惨殺された。

夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。

夫の愛人と修羅場を演じるなんて、これが自分の人生なのか。こんなにも荒々しい女が自分なのか。

もはや家族とさえ呼べる強い絆で結ばれた、4人と1匹の旅の仲間たち。

北朝鮮の真の狙いを探ろうと捜査を開始したピット父子。

第二次世界大戦末期。旧日本海軍の二隻の潜水艦が極秘に出港した。

反政府的な作品のために迫害されて、日本から姿を消した人気作家・三宅。

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。２３歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。

「父殺し」の宿命を背負った妖魔の子モルドレッドの誕生は間近に迫っていた。囚われたスザンナ。

「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」―くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。

銀河という名の夜行列車に乗り、幸子を東京に置き去りにして、十七歳の惟朔は京都をめざした。

惟朔はヒッピーと活動家くずれの巣窟、京大西寮に転がり込んだ。

レイプ未遂事件発生。被害女性は通報者の男が犯人だと主張。

人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。

こんなはずではなかった。なぜ、こんなふうになってしまったのか。

きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。

小学生最後の夏休み。少年トオルは、偶然に見つけた不思議な建物「THE MUSEUM」で、謎の美少女・美宇に出会う。

優しかったウィリーに再会するために、ティンブクトゥへ行こう。出会いの喜び、別れの悲しみ。

平安京に異変が起きた。ものみな凍りつき、春が来ない。

上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

眠った魚のように山あいに沈む町花園。

第一次世界大戦前夜のロンドン。ホームズの息子セバスチャンは、ロシア情勢を探るようチャーチルから依頼を受ける。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。

東京・下町の解体工事現場から白骨死体が三つ。そして大家である徘徊老人の撲殺事件。

俺は、住み込みの牛乳配達員として働きはじめた。「暴力太郎」と渾名される筋者と付き合うようになり、生活は次第に乱れてゆく。

今日、三島が死んだ。俺は高校を辞め、教護院から放逐された。

一匹狼の闇金王・蔵王のシノギは、サラ金業者から債権を買い、完済した借金をさらに払わせる「二重取り」。

ボツワナでカトリック神父がテロリストに誘拐された。犯人の要求は、全てのキリスト教聖職者の国外退去。

神父を奪回すべく、情報収集のため要員を現地へと送り込んだフッド長官。しかし、解決の糸口はいっこうに見えてこない。

ロンドン発202便は、飛行機好きの小学生、護送される国際犯罪者など、様々な人々を日本へと運んでいた。

昭和二十年四月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸したとき、安次嶺弥一は十一歳だった。

スザンナが消えた。あの忌まわしき魔道師の水晶球“十三番目の黒球”とともに―。

こここそが本物の世界、“暗黒の塔”へと到る唯一の現実だった!スザンナの安否に焦燥しながら、追跡行をジェイクとキャラハン神父に委ねたエディは、ローランドとともに1977年のメイン州に飛んだ。

ハイソサエティの退廃的な生活。それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。

長女の結婚式の日、柳原教授の携帯が受信した1通のメール。それはかつて大学の教え子で愛人だった、晶子からのものだった。

さえない男がいざとなったら大活躍! 一読、心が晴れ渡る。痛快連作全八編。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。

友人の作家・有栖川有栖と休養に出かけた臨床犯罪学者の火村英生は、手違いから目的地とは違う島に連れて来られてしまう。

大西洋北東部。

漁獲の異状を調査するトラウト夫妻は、生命の危険にさらされながらもケベックに渡り、頻繁に目撃される巨大な“悪魔の魚”の正体を追求する。

日本橋の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいた。

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。

苛烈な第一次世界大戦の最中、イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。

今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。

昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない―。

45歳の女性版画家と17歳年下の青年。大人の女を、少女のように無防備にする、運命の恋。

ベストセラー作家のジーニーは、20年ぶりのクラス会出席のため故郷を訪れた。

密林の奥に開発されたワイナリー。コカインの原料作物「コカノキ」に蔓延する病害。

食料の生産と流通を寡占し、世界的大産業に成長した「アグリビジネス」。

走行距離計の数字が回転する瞬間を楽しみに待つドラマーと、そんな彼を捨ててゼロがいくつも並ぶ契約書にサインする女性歌手の哀楽を描く代表作。

モザイクをかけられた顔は、私なの？　知らない間に裸の私がネットを歩き回っている！　ここに書かれているのは、あなたのことかもしれない。

カーラの町に届いた最悪の報せ―謎の略奪者“狼”の来襲。

凶悪な装備を誇る“狼”たちとの決戦の日はついに来た。“狼”とはいったいなんなのか。

警察官人生二十五年。

十津川警部の元部下で、私立探偵の橋本豊。

母を惨殺されて天涯孤独になった乞食のシヲは、村一番の分限者の養女となった。

“狼”襲来まで残されたのは30日―。

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。

華やかな奈良の都で、国人は大仏造営の作業に打ちこんでいた。ともに汗を流す仲間たちと友情を築いた。

「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。

ローランドにはかつて、心の底から愛した少女がいた―。

高度な知性を持ちながら、自殺願望から無謀な超高速走行へと突入したサイコモノレール“ブレイン”。

ハンブリーの町で芽吹く瞬間を待っていた謀りごとはついにローランドたちを巻き込み始める。

義父が経営するウォール街の国際会計事務所の重役であるカーヴァー。

古内繁は孤独な中年サラリーマン。妻に先立たれ、会社ではとうに出世コースから外れた存在だ。

都内で発見された男性の絞殺死体。傍らに残された「タクサンノヒトガシヌ」という遺書は、大量殺人計画の存在を告げていた。

秀明はやや軽めの明るい浪人生。明るいといっても二浪目に突入したのだから、多少の屈託もないわけではない。

秀明を見つめ続ける不気味で執拗な視線。秀明がどこにいても、何をしていてもその「目」は彼から離れない。

和菓子司の隠居、宇谷九一郎の住む宮脇町でも「老人相互処刑制度」が始まった。

大神の天衣無縫な笑顔には、誰もがやられてしまう。スレてる俺でさえ例外じゃなかった―。

北朝鮮からの亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため遅れて離陸した。

「本当の三人目」の仲間を得て、運命によって結束した集団「カ・テット」となったローランドたち。

“旅の仲間”エディとスザンナを得たローランドは、二人を新たな“ガンスリンガー”として教育しながら“暗黒の塔”への旅を続けていた。

岡山県の山間の集落・撓田。東京から転校してきた中学生が惨殺され、連続猟奇殺人事件の幕が上がる。

英国の秘密情報部を引退したジャックを友人が訪ねて来た。

特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。

真犯人Xは生きている―。

置き去りにされた子供を捜して戦場を北上する。生きているはずがない赤子のために命を賭けたのは、なぜか。