みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。

ひとは、いつか死ぬ。それをはじめて知ったのは、いつのことだろう――。

弱小劇団「下北サンデーズ」の門を叩いた里中ゆいか。

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。

図らずも三十二万石大藩の後継となった鹿之介は、身を守るために妖艶なくノ一・るいとともに落葉長屋に拠って、逆意方を迎え撃つ。

“青蛙”と揶揄され、いじめの的となっていた少年剣士・十郎太を、縁あって門弟とした藤兵衛。

洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の開催を4日後に控え、最大の緊張状態にある成田空港において密入国を図った男が謎の言葉を残して変死した。

不登校の息子を連れて故郷に帰った柿崎信郎。30年ぶりの帰郷が「あの頃」の記憶を呼び覚ます。

女優以上に美人でありながら“愛知県警の鉄の女”と畏れられる景子警部補と、新進イラストレーターの新太郎の、京堂夫妻シリーズ最新作!婦唱夫随で、あざやかに解かれる8つの疑問符。

東町奉行所に吟味役同心組頭として出仕する義弟の銕蔵と示し合わせ、川魚料理屋「なかう」で久しぶりに楽しい酒を酌み交わした田村菊太郎。

泥鰌売りをして細々と独り身の生計を立てている岩三郎は、篠突く雨に打たれて長屋の木戸門にもたれかかる若い女を助ける。

門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。

年頃を迎えた水茶屋の娘・お初の前に、前触れもなく現れた若い男。

専業主婦の恭子は、夫の子供を身篭ったという不倫相手を毒殺する。

ゴールデンウィークの行楽地で、手品が趣味のチンピラ・大二郎が、大観覧車をジャックした。

台湾人からもちかけられた漢方薬の売買によって、歌舞伎町の抗争に巻き込まれたテツとガク。

ハイソな奥様の輪に加わり、愛娘の「お受験」にはまるのぶ子。

元助教授作家、突然の断筆・引退宣言の真相がここに。

あらゆる悪の手口を詳述したベストセラー『悪魔のガイドブック』にそそのかされた少女輪姦事件が発生。

「私刑人」の捜査は混迷を極めていた。そんなある日、次期政権を射程に入れた大物政治家・隴岡の私設秘書殺害事件が発生する。

過去に金のために卵子を売った木綿子と、不妊に悩みその卵子を買った絹恵。

愛する息子・優を病気で亡くした泰史と冬美は、子供のレンタルと売買をしている会社P.I.を紹介された。

旅行会社に勤め、ありふれた日常への疑問を抱えて日々を送る坂脇恭一27歳。

ある中高一貫の進学校で生徒が教師を射殺して自殺した。事件の再発防止と生徒の動揺を抑えるため招聘された心の専門家・比留間。

あらゆる悪の手口を詳述したベス

私刑人の新たな犯行か、それとも

外資系投資会社のファンドマネージャーである麻生貴志は、年収2千万を稼ぎ、美しい妻・志緒理と1億4千万のマンションを購入する予定を立てていた。

地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。

親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。

「十六歳だった。あのひとに出会うまで十六年もかかってしまったという気持ちは、後悔に少し似ている―」。

「最後のボスを絶対に倒せないRPGがあるらしい」という噂が、ゲーマーの嵩典の耳に入る。

三カ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。

村の若者たちが仮装して、家々を訪ねる祭事・粥釣の夜、そのなかには見知らぬ男が侍を装い紛れ込んでいた…。

悪名高き産廃処理業者の用地買収計画を内偵していた環境大臣秘書・香山素行の前に、中学時代の憧れの教師・花岡綾子が現われる。

電車は、人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく―片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。

人は誰のために生き、誰のために死ぬのか―。交通事故で意識不明になった三島耕一の自宅から見つかった尊厳死の要望書。

立ち合いを装い、武士を惨殺する辻斬りが相次ぐなか、「千坂道場」の師範代・重森は、下手人が同じ流派の遣い手という噂を耳にする。

フリーライター深沢章人の兄が自殺して六年後、彼のもとをひとりの弁護士が訪れる。

30年前、中学教師だった松子はある事件で馘首され故郷から失踪する。そこから彼女の転落し続ける人生が始まった__。

名門進学校で一流大学の医学部合格の太鼓判を押されている桂木涼子がある日始めた“悪魔の実験”。

妙寿尼の焼く黒茶碗は名匠の作と見紛うほどの逸品。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

「ゴビラサ…」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。

児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。

千華子を人質にとられ練は、ニコと名乗る少年から危険なマヤの儀式への参加を強制された。それは生死をかけて争う苛酷なレース。

疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。

警察組織と暴力団の利権の草刈場と化していた奈良東西急便。

うだるような猛暑の七月十五日午後三時、あさがお銀行中野支店で惨劇は起こった。

水柿君は、N大学工学部助教授のままミステリィ作家になった。

後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターに、ヤクザ、オカマ、自殺願望の女と閉じ込められていた。

都内で発生した猟奇連続殺人事件。

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。

銀座交番、桜田門、鎌倉新宿ライナー、二階建てバス…。都内の各所で爆弾事件が発生する。

罰や、ついに神さまが怒らはり、罰を当てはったんや。お定はこう思いながら、それでもしかしと首を傾げた…。

「私、未来から来たの」。劇団「うさぎの眼」に所属する駆け出しの役者・和希の前に一人の美少女が現れた。

日本橋の玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁。

小久保英明は小学校時代「×ゲーム」と称し、仲間4人で蕪木鞠子をいじめ続けた。

ベテラン刑事の父親に反発しながらも、同じ道を歩む息子の夏輝。

ソ連崩壊に伴い悪名高きスパイ組織KGBも消滅した。

他人の見た光景が、あるきっかけで頭に浮かぶ能力をもつ神野亮司。

年老いた父と同居するため、家族をつれて故郷に戻った美笹修司。その帰郷を待ちわびたように次々と発生する怪事件。

枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。

過失による患者の死に平然とする医師たちに怒りがたぎる元新聞記者・松野。

さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。

北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。

1982年、8月17日、夜。暴風雨の首尾木村北西区で、ほとんどの村民が虐殺される大量殺人の発生が警察に伝えられる。

興信所の調査員・宮本と美貌の東大生・加奈は、浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、センター試験で完璧なカンニングを実行する。

運び屋のバイトを始めた売れないお笑い芸人を、2億円の借金を抱えた女子高生が追いかける。

邦和信託銀行神田支店。ある朝、開店時間を過ぎてもシャッターが開かない。

70年代末、東京・立川。

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の加納碧李は、複雑な境遇の妹を案じ、陸上部を退部することを決意した。

温泉ぐらいはあるかもしれない―曖昧な言葉を残して行方不明になった、茨城県農業研究所の職員が、秋田県西馬音内盆踊りの最中に謎の死を遂げた。

深夜の新宿・歌舞伎町。

人質を取り、ビルに立てこもった殺人犯に指名され、現場へ駆けつけたOLの矢田部真美。

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。

鬼田山家の先々代当主・俊春が撲殺した、一つ目の子山羊。

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。

大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。

「俺は決めた」お前に財産は遺さない―資産家の黒崎隆之介は、唯一の相続人である甥の安井努に突如、宣言した。

なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか？　遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。

哀切な胡弓の調べと幽玄な踊りで全国的に有名な富山・八尾町の「風の盆」祭り。その直前、老舗旅館の若旦那が謎の死を遂げた。

その記憶が、私に、光をくれた―。

練馬区桜台6丁目×番×号、グリーンハイツ205号室で発生した関口真弓毒殺事件。

昔ながらの雰囲気が残る下町・八丁堀にある弱小リサーチ会社に勤務する内田偲は、単調だが平穏な日々を愛し楽しんでいた。

優奈は、大学のテニスサークルの仲間7人とともに、見知らぬ部屋に拉致された。一つだけあるドアは施錠されている。

「剣鞘摩り替え」犯人の疑惑に甘んじる冬木を励まし、併せて自らをも鼓舞しながら、東堂太郎は、軍規に定められた兵の正当な権利である「不条理上申」「意見具申」を実行する。

五山の送り火の二日後、姉小路大宮の四辻で菊太郎は力のない足取りで歩く四十男を見かける。

名立たる画人の贋絵を描いた廉で公事宿「鯉屋」へお預けの身となった扇絵師の定助。

幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つ欠けているのは、幼い頃の記憶。

県立吹上高校は教頭も校長もその息子の新任教師も、可愛い女生徒とつきあう体育教師も、事故死した熱心な社会科教師とその妻も、軟式野球部員と監督も、PTAも、生徒会長も、ついでに町の小説教室講師(売れない作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、怪しい輩だった。

人攫いと噂される謎の男が世上を騒がせていた折も折、居酒屋「尾張屋」は、篠山藩士とおぼしき侍たちが毎夜詰めかけ、不穏な空気に包まれていた。

四〇年前の初恋の女性に「あなたに逢えたから、いつ死んでもいい」という言葉を遺し、対局先の鳴子温泉で死亡した高村本因坊。

庵志津子が銀座の一隅に開いたクラブ「庵」は、政財界のVIPが毎夜集うサロンになっていた。

暴漢を殴り殺してしまった山原は、それをネタに、妻・都美子と不倫関係にある柿田に恐喝される。

十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない中年男・陣治と関係を持ち、なんとなく一緒に暮らすようになる。