天使へと解体される少女に、独白する書家の屍に、絵画を写す園に溺れゆく男たちに垣間見える風景への畏怖、至上の美。

定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。

頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。

近道庸三と土方利夫、ふたりが顔を合わせるところ悪事あり。土方が設立した悪意銀行もそのひとつ。

晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。

毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。

昨日までの『きみ』はもう居ない。 恋人、友人、知人に否定された男の奇妙な自分探し の迷宮。

“私はこの事件の犯人であり、探偵であり、被害者…”一人三役というアクロバティックな設定が、主人公の手記を通して変奏されながら明らかになっていく華麗なる本格推理。

エリザベス王女をナチスの手から守るため、表向きは数学教師としてウィンザー城に赴いた赤毛の才媛マギー。

ついに一人前のスパイになったマギー・ホープ、ドイツへ空から潜入! 『チャーチル閣下の秘書』『エリザベス王女の家庭教師』に続くシリーズ、大展開に次ぐ大転換の第3弾。

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

天才科学者・桔梗信輔が発明した奇抜な殺人方法を闇に葬れ! 息子の信治は父の死後、出羽の山中から東京へと向かった。

都筑作品でも人気の“近藤・土方シリーズ”が遂に復活。贋札作りをめぐり巻き起こる奇想天外アクション小説。

魔術師リュウがやってのけた一世一代の大奇術。

英国王室を代表し、ルーマニア王家の結婚式に参列することになった公爵令嬢のジョージー。

黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。

風が吹き荒さぶ中、闇を裂いてトラックがやってきた。運転する商人は葡萄酒を運んでいると主張する。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

東京を騒がせる怪事件の影で、知略によって警視庁を出し抜いてきた元江戸南町奉行の一派。

黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。

会津大名、加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき暗君だった。

厳寒の北海道・百人浜。

猛暑のロンドンを訪れる貴族は少なく、ジョージーのメイド仕事は減激。

昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。

スコットランドの地方都市で、帰宅途中の女性教師が何者かに襲われ、殺されかけた。

第二次大戦下、首相官邸でチャーチル首相の秘書として勤務することになったマギー・ホープ。

ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。

1941年初冬、第二次世界大戦下。

「ドイツの王女のお世話をせよ」と、英国王妃からまたもや無理難題を言い渡された公爵令嬢ジョージー。

20世紀初頭のスコットランド。英国王族でありながら、公爵令嬢ジョージーの暮らしは貴族とは名ばかりの貧乏生活。

昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。

ノンフィクション作家・五十嵐友也のもとに届けられた一通の手紙。

数学の教授だったアレックは六十、年の離れた妻リタと村はずれで平穏に暮らしていたが、バリーという若造の出現で状況は一変する。

仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた! ミステリ専門店でバイト中の女探偵葉村晶は、元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる〈黒後家蜘蛛の会〉と給仕一名は、月一回〈ミラノ・レストラン〉で晩餐会を開いていた。

発端の怪奇性、中段のサスペンス、解決の意外な合理性、この本格推理小説に不可欠の三条件を見事に結合して、独創的なトリックを発明するカーの第一短編集。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

かつては硬骨の刑事、今や恍惚の境に入りかけた父親に、現職刑事の息子が捜査中の事件を語ると、父親はたちまち真相を引き出す。

曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。

琵琶湖をのぞむ時価１０億円の高台の土地売買をめぐるトラブルで、仲介の弁護士と不動産屋が殺害される。

東京から来た教科書会社の営業マンが、吹雪の中、崖から転落死した。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

武蔵自動車教習所の配車係の死に端を発し、相次いで指導員が殺される。

埼玉県蓮田市、黒沼の畔に建つ二つの名家で起きた一家惨殺事件と失踪事件。

孤独な老嬢たちが住む女子アパート。突如始まったアパート移動工事と同時に奇怪な事件が続発。

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。

英国北部のごく平凡な町で、13歳の少女ジャニスが姿を消した。

ルースは父を知らずに育った。憎き母の死をきっかけに、彼女は「計画」を携えスコットランドの小都市を訪れる。

突如、舞台上で『ハムレット』の原典にないアドリ ブを口にした役者。

人気作家ジョフリーの邸宅“ガーストン館”に招かれた幼馴染のモーリス。

高崎市内の川土手で私立高校に通う女生徒の扼殺死体が発見される。

古本屋で入手した本がどうも気になる、と推理作家の椿さん。

昭和四十年―東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間近にひかえた十二月初旬のこと。

灼熱の太陽に喘ぐパリが漸く黄昏れた頃、不意にカケルを見舞った兇弾―その銃声に封印を解かれたかの如くヨハネ黙示録の四騎士が彷徨い始める。