(短編集)
有栖川有栖選 必読!Selection11 シェイクスピアの誘拐
- 有栖川有栖選 必読! Selection (12)
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1987年に講談社文庫から発売されていた短編集の復刊。 表題作の初出は「小説現代」誌1981年7月号で、1982年版『推理小説代表作選集 推理小説年鑑』にも収録された。 笹沢左保の著作はやたらと改題されるが、この短編集も1984年に講談社ノベルスとして初版刊行された時には『殺人スクランブル』という表題であった。 1997年に復刊された双葉文庫版は『殺人スクランブル』が表題。 つまり、同じ内容の短編集が『殺人スクランブル』→『シェイクスピアの誘拐』→『殺人スクランブル』→『シェイクスピアの誘拐』とタイトルを変えつつ発売されてきたので、有栖川有栖の新解説が目当てでない限り、間違って同じ本を買わないよう注意が必要だ。 この短編集と同じく1984年に刊行された『そして夢色の殺人』の収録作以降は、笹沢左保が手掛けた推理小説の短編は少ない。 2002年に亡くなるまでに発売された短編集は、単行本未収録作品を集めたものや、既存の短編集の再編集版が多く、新作ではタクシードライバー夜明日出夫の『死の追走 次は誰か』や、水木警部補の『遥かなり蒼天』などシリーズ物の連作短編集が中心となった。 今回の復刊は、本短編集が、ベテラン作家としての笹沢左保の短編での手腕を再確認するのに好適だからであろう。 伏線が丁寧に張られているためオチの予想のつく作品もあるが、作者は推理小説を書いているのではなく、推理小説の形式で登場人物の運命の転変を描く「宿命小説」を書いているのだと、思っていたのではなかろうか。 なお・・・初出を考えると、ひょっとしたら表題作の”暗号”は、楳図かずおのアレに影響を与えたのでは? まさかとは思うが・・・ | ||||
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八編の短編が収録されているが、それぞれにテーマや狙い目がちがった方向性をもち、バラエティに富んだ内容になっているのが楽しい。誘拐事件に暗号解読をからめ、思いがけない結末へと落とす『シェイクスピアの誘拐』や、誤配された年賀状のなかに見られる限られた情報から、推理作家夫婦が重大事件の真相をあぶり出す安楽椅子探偵ものの『年賀状・誤配』他、どの作品もユニークなアイディアや巧みなツイストが随所にみられる、良質の作品集になっている。 なかでも、愛ゆえの行動がアリバイ証言の崩壊をもたらす『愛する人へ』は、ミステリとしての極上の切れ味のなかに、哀切なロマンの余韻をただよわせる笹沢作品らしい傑作になっていた。著者の発想力の豊かさがうかがえる良作集であるが、推理作家協会賞の短編部門に何度もノミネートされた他の作品群のなかから、独自にチョイスした短編集も予定されているとのことで、そちらも楽しみである。 | ||||
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