(短編集)
有栖川有栖選 必読! Selection6 求婚の密室
- 有栖川有栖選 必読! Selection (12)
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有栖川セレクション第六弾だ。やはりアリス先生の推奨作はひと味違う。 別荘のパーティーに招待されたジャーナリストの天知は、主人夫婦の不審死に直面する。 養女の美人女優の求婚者たちと共に、密室の謎に挑むことになった。 トリックと真相にはかなり驚かされた。この密室は、似た作品を思いつかない。独創性抜群のトリックである。隠された秘密は衝撃的ではあるが、作りすぎで不自然な気もする。一種の推理遊園地とおもえばいいか。トリック好きは必読。 | ||||
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本作が光文社から書き下ろし出版されたのは1978年。横溝正史ブームを受けて生まれた探偵小説復活の潮流から、探偵小説専門誌『幻影城』が創刊され、その新人賞より登場した泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』『乱れからくり』などが、ミステリファンの高い人気・評価を得たのと同時期である。つまり本書が、そうした時代の動きに触発され、トリックやロジックの面白さを主眼とした古典探偵小説の、最もポピュラーなテーマである密室殺人ものに、正面から挑もうとした作品であることは、容易に想像される。 十三人の招待客が逗留する、軽井沢の瀟洒な別荘で巻きおこる密室殺人。限られた空間での動きの少ない推理合戦といった、古典本格推理的な設定は、えてして退屈な展開になりがちなところ。だが、そこに名探偵役のイケメン主人公と有名美人女優とのラブロマンスを絡めることで、こんな絵に描いたような美男美女の恋愛劇をワシも経験してみたいものと、スケベ読者の鼻の下を引きずり伸ばして読ませてしまうところは、いかにも笹沢作品らしい手管である。 そして、ワクワク感のボルテージが上がりっぱなしの解決編は、さらにお見事。読みながら既読の古典作品にあったトリックなどが脳裏によみがえり、それらにあの手この手の工夫をくわえて、新たなからくり動力として密室を構築した著書のテクニシャンぶりに、すっかり感嘆させられる。そのうえ、「ここまでやるか…」というようなラストシーンまで待っていた。お花畑にお星様キラキラ風の少女コミックのタッチで描かれた、ファンタスティックな水彩画を想起させるこんな光景を、臆面もなく描ききるには、やはりかなりの力量が必要である。リアリズムの地平から、わずかに乖離したような、そんな浮遊感が心地いい。テクニカルに組みあげられた仕掛けのうえに、ロマン豊かな密室画を華美に描きあげた、巧緻な密室ミステリの傑作である。 | ||||
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