(短編集)

アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選



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アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)

2022年09月21日 アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)

没後20年。「木枯し紋次郎」だけじゃない、ミステリ作家の面目躍如。本格推理から、サスペンス、そして著者の真骨頂たる宿命小説まで、バラエティに富んだ作品8篇をセレクトする。 *収録作品 殺してやりたい 十五年は長すぎる お嫁にゆけない 第三の被害者 不安な証言 鏡のない部屋 アリバイ奪取 「笹沢左保君の活動ぶりはまことに驚異である。ここに集録されている作品などは笹沢君の実力を示すものであろう。「鏡のない部屋」は醜女の悲劇を扱った傑作だ(中略)。それにしても笹沢君の力量は、はかり知れないものがある。現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」(『鏡のない部屋』〈宝石社、1963年〉に寄せた江戸川乱歩のコメント)(「BOOK」データベースより)




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No.2:
(5pt)

笹沢左保の初期短編の傑作が精選されている

笹沢左保は、全盛期には毎月、400字詰原稿用紙で1000枚以上を執筆するほど多作であった。
棚の上に原稿用紙を広げ、夜も眠らずに立ったまま原稿を書き続けて遂に倒れ、吉行淳之介らに忠告されて病院用のベッドを改造して自宅へ持ち込んだ話は有名だ。
今日のテーブル付き介護ベッドのように、背中を起こしてテーブルの上に原稿用紙を広げ、寝た状態で執筆するようにしたのである。(カッパノベルズ版『盗作の風景』の著者近影に、そうした当時の様子が伺える)
本書の表題作「アリバイ奪取」が書かれた1963年には、さまざまな雑誌の1月号から12月号まで1年間に31作もの短編が掲載されていた。他に長篇の連載も抱えていたのに。
それほど多作でありながら、江戸川乱歩に「現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」と評されるほどの活躍ぶりで、1962年には短編「六本木心中」で直木賞の候補にも挙がった。
選考委員の1人だった松本清張は強く推したが受賞に至らず、選評で「いうまでもなく笹沢氏はすでに流行作家だが、だからといって、受賞対象から外す理由はないように思う。」と悔しがったほどであった。

そうした時期の笹沢左保の作品から、力作が精選されており、非常に面白く読める。
表題作「アリバイ奪取」はこれまで文庫未収録だったとは思えぬ力作。掘り出し物である。
徳間文庫の編集部でも、笹沢左保の短編の秀作は「掘ればまだ出てくる」と認識しているそうだから、今後の発掘にも期待したい。

「鏡のない部屋」は、角川文庫版『六本木心中』以来、数十年ぶりに再読したが、ミステリと言うよりホラーに近い。
この作品をよりホラー的に換骨奪胎すると、楳図かずおのアレやアレになるのではなかろうか。
アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)Amazon書評・レビュー:アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)より
4122072581
No.1:
(5pt)

現役作家より面白い!

笹沢左保の長編が続々と刊行されているが、百冊以上ある短編集は再版の機会に恵まれないーーということで、日下三蔵が編んだ精選短編集である。既刊本の表題作になっている作品が多く、傑作・佳作揃いだ。

全8篇。表題作は悪くないが、やや作り過ぎな気がする。それ以外は全部水準以上だった。
『伝言』関係のある男女が別々の場所で相次いで死んだ。殺人か自殺か。直前に交わされた伝言の謎とは。一級の謎解きミステリだ。
『殺してやりたい』『十五年は長すぎる』運命の皮肉な残酷さがテーマの逸品である。悪趣味なオー・ヘンリーというか血生臭いサキというか。
『お嫁にゆけない』タイトルから内容を絶対に想像できない一篇。周到な蓋然性の殺人と思いきや。逆転に唖然とする。

『第三の被害者』息詰まるサスペンスが、思わぬ方向に波紋を広げる。胸糞ナンバー1の作品ながら、展開の意外さに感心した。
『不安な証言』自分でも意識しない行動には、きっかけがあった。松本清張を思わせる。
『鏡のない部屋』醜い女の結婚と早すぎる破綻を描いたサスペンス満載の謎解き。強烈に心に刺さった。秀逸である。

凄いクオリティに感動した。日下先生には感謝しかない。今後も埋もれた傑作の発掘をぜひ続けてほしい。昭和レトロにこだわると年寄り臭いかもしれんが、どう考えても現代作家より面白いのだから仕方ない。
アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)Amazon書評・レビュー:アリバイ奪取-笹沢左保ミステリ短篇選 (中公文庫 さ 16-11)より
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