(短編集)
ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本初収録の本格推理短編『ビショップ氏殺人事件』を目玉として、過去に単行本、文庫本に収録された5編を加えたものである。 勝手にザックリと分類してしまうと、『ビショップ氏殺人事件』『消えない痕跡』は本格推理、『競売』『華やかな手』は犯罪小説、『人生の定年』『佳人薄命』は(謎解き)メロドラマ(人生ドラマ? 心理ドラマ? ラブサスペンス? いろいろ言い方はある)であろう。 どれもミステリであることは間違いない。『華やかな手』『消えない痕跡』もメロドラマ臭が強い 『競売』『華やかな手』は短いが、『消えない痕跡』『人生の定年』『佳人薄命』は終わりそうで終わらずに続いていく。 私的感想 ○全体として、読みやすく、面白く読めた。 ○面白かったのは、メロドラマをミステリーというおいしい衣で包み込んでいる点、メロドラマにミステリーという極上の調味料を振りかけている点である。 もうひとつ、本書は風俗小説的な要素があり、ここに出てくる1960年前後の風俗が非常に懐かしい。つまり、本文庫は優れた60年代初期ノスタルジー本である。 各編の私的感想(ネタバレ防止配慮) ○『ビショップ氏殺人事件』(1957年)は一応普通の本格ミステリ。これを目玉とする点に異議はない。 ○『華やかな手』(1961年)は古風になってしまった犯罪小説部分より、大学の教師と教え子女性間の一捻りしたメロドラマが面白い。 ○『消えない航跡』(1961年)は、本格物としては中途半端に長いが、一等航海士を私立探偵役として海の男たちと男たちに関わる女たちの世界を描くハードボイルド風味と考えれば、こんなものか。なお、1989年の阿部智氏の横溝賞受賞作の題は『消された航跡』である。 ○『競売』(1962年)は面白い。現実味は乏しいが。 ○『人生の定年』(1962年)はミステリーにする必要性は高くないように思われるストーリーとキャラクターだが、ミステリー形式(上司の交通死亡事件を探る)になっていないと、終わりそうで終わらない話を最後まで読むのはちょっと厳しいか。人間関係の意外性というご褒美はある。 ○『佳人薄命』(1962年)はメロドラマである点で『人生の定年』に似ているが、ワンランク上。これだけ複雑な性関係と相続関係の輪を作り上げ、誰が犯人であってもよい状況にしてしまうのは凄腕である。フランス語のレッスンもよかった。 私的結論 ○私的ベストワンは『佳人薄命』。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 1件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|