(アンソロジー)

短編ミステリの二百年6



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初公開日(参考)2021年12月
分類

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短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)

2021年12月20日 短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)

傑作短編12編を収録した最終巻ではレンデル、ハイスミスといった一線級のクライムストーリイ作家の紹介から、英国の書き下ろしアンソロジー〈ウィンターズ・クライム〉の隆盛と、シリーズキャラクターの台頭を一因とするMWA賞の「没落」を語り、終章では編者が二十世紀最高のミステリ短編と断じるブランド「ジェミニー・クリケット事件」米英ふたつのバージョンを精緻に分析する。前代未聞のアンソロジーにして評論書、ここに完結。(「BOOK」データベースより)




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No.3:
(3pt)

マニアックの極致なので、読み手を選ぶシリーズ

戸川安宣氏がまとめた労作「世界推理短編傑作集6」(おすすめ!)を読んでレビューを書いた機会に、せっかくなので、創元推理文庫の短編シリーズ両輪ともいうべき「短編ミステリの二百年」シリーズ完結本である、前に読んでうろ覚えになっていた本作の感想を記してみたい。
1巻から5巻まで読んできて、だんだん、ミステリ短編としての私の好みから外れてきたのと、巻末のエッセイの独善性(まあ、評論というものはそういうものだけど、客観的かつ冷静な筆致も必要だろう)がやや鼻についてきたので、巻が進むほど評価を落としてきたのだが、1巻前の5巻目は採録小説のレベルも良かったので、印象は良かったのに、最終巻の採録小説は、70年代中心ということもあって、予想通り私の好みではなく、読後感があまりよろしくないものが多かったので、編者のエッセイは5巻目よりも読みごたえがあったが、評価としては星3つかなあ、という意見。
70年代から80年代に栄華を極めた(?)ルース・レンデルも数年前に亡くなったなあ、と若干の感傷を覚えながら、本書掲載の「しがみつく女」はさすがに語り口、ストーリーの持っていきかたが巧いし、ハイスミスも後味悪いけど、レンデルと同様、小説としての完成度は高い。この時代のクライムノベル作家は、小説の完成度は素晴らしいんだけど、ミステリの面白さって、息が詰まるような完成度の高さとはちょっと違うんだよなあ、とおもう。
その点では、ハードボイルドのエンタテイナー、ローレンス・ブロックはさすが、読み手を引き込ませる面白さがあった。
あとは、ブランドの「ジェミニー・クリケット事件」の米・英2版の採録という、まさにマニアックな編集。2つ並べるとやっぱアメリカ版のほうがよいなあとおもう。ただ、編者がいう「二十世紀に書かれた最高の短編ミステリ」とは私は思わない。「二十世紀に書かれた、最も評論・分析しがいのある短編ミステリ」とは思うけど。「最高」と言うほど、narrativeに読み手を引き込む面白さはないから。まあ、P.566-567に編者が書いているように、合理性に欠ける点についてちゃんと言及している点は好感でき、最終章の「誰が謎を解いたのか」の評論は価値が高いと思う。
本書の採録短編の最も新しい発表年がたぶん1980年(間違ってるかも)なので、それから40年も経っているので、21世紀の短編ミステリがどうなっているのか、小説の選定も合わせて言及されているとよかったかと思う。
このミステリ不遇の時代(?)に全6巻にて短編ミステリ集を出版した東京創元社の果敢なチャレンジには拍手を送りたいが、結果的にはマニアックなシリーズになってしまったのは、やむを得ないだろう。
私自身はとにかく、読んでいて日常を忘れる、面白いミステリ要素のある短編が読みたい。そうなると、やっぱり、泡坂妻夫的なミステリがいいかなあ(笑)
短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)より
4488299075
No.2:
(5pt)

完結するのが惜しい…。

叶わぬことなもしれないが、続編・追補編・特別編の刊行を望みたい。完結するのが惜しい…。
コロナ禍中のこの二年間で最大の読み応え。最高の収穫といえるアンソロジーに感謝。
短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)より
4488299075
No.1:
(5pt)

金字塔的アンソロジー・シリーズの見事な完結

収録作品
「終のすみか」ジョイス・ハリントン
「しがみつく女」ルース・レンデル
「交通違反」ウィリアム・バンキア
「拳銃所持につき危険」ジェフリイ・ノーマン
「またあの夜明けがくる」パトリシア・ハイスミス
「パパの番だ」ジェイムズ・マクルーア
「バードウォッチング」デイヴィッド・ウィリアムズ
「最期の叫び」マイクル・コリンズ
「アッカーマン狩り」ローレンス・ブロック
「家族の輪」スタンリイ・エリン 
「ジェミニー・クリケット事件〈アメリカ版〉」クリスチアナ・ブランド 
「ジェミニー・クリケット事件〈イギリス版〉」クリスチアナ・ブランド

短編ミステリ史を総括する野心的なアンソロジーの完結編。シリーズを通して高水準なのは当然だが、本書はいつにも増してクオリティが高く充実の内容。
孤独な老女の独白が結末に至り見事なスリラーに転ずるハリントン、依存と執着の心理の恐ろしさが身につまされるレンデル、レイプ事件の顛末を克明に描き胸のすくような決着をつけるノーマン、さらに児童虐待をテーマとしたハイスミス作品、無差別殺人テーマのブロックなど、あまりに予言的なアクチャリティに驚かされる。
そして、収賄の誘惑に揺れる警官の心理を描き、結末のツイストも効いた「交通違反」と、エリン作品とは思えぬ異色の結末に驚かされること請け合いの「家族の輪」の二編は傑作揃いの本書においても甲乙つけ難い白眉というべき出来栄え。
さらに「ジェミニー・クリケット事件」の英米版の差異を詳細に検討することで短編ミステリの未来を照射する巻末解説は収録作品以上にスリリングであり、その論旨の明快さには大袈裟でなく瞠目させられる。
短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:短編ミステリの二百年6 (創元推理文庫)より
4488299075



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