(アンソロジー)

吸血鬼は夜恋をする SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選



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    初公開日(参考)2022年12月
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    吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)

    2022年12月26日 吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)

    「アンソロジイという言葉のもとになったギリシャ語の意味は「花々を集めたもの」。立ちどまるほどではないが、歩く途中ひょっと目にとまり、見とれる花、つまり、理屈ぬきで楽しんでいただけるような小品を選ぶよう心懸けた」(伊藤典夫)。名翻訳家が初めて単独編纂した伝説のアンソロジイを半世紀ぶりに初文庫化。〈SFマガジン〉〈奇想天外〉の掲載作を追加し、全32編とした。(「BOOK」データベースより)




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    No.6:
    (5pt)

    テヴィスの「ふるさと遠く」があるだけでも値打ちがある。

    きょうから寝るまえの読書は、アンソロジー『吸血鬼は夜恋をする』だ。これは読んだことはないが、テヴィスの「ふるさと遠く」のように読んだこともある作品も収録されている。タイトルを見て、読んだことのあるものは「ふるさと遠く」だけだが、収録されている作品が古いものばかりだからわからない。

    1作目は、ロン・ウェッブの「びんの中の恋人」お酒の壜を買った男が主人公。壜を開けると美女が出てきた。願い事を3つかなえると言う。いつものパターンだ。と思いきや、美女は別の壜の栓を開けてほしいと言う。開けると、美女の恋人が出てきた。主人公は美女に男と縁を切るように言い、成功する。

    2作目は、リチャード・マシスンの「死線」アパートを訪ねると、老人はベッドのなかだった。医師が老人に年齢を尋ねると、1歳だと言う。一年で、老人にまで成長したのだと言う。老人は死んだ。ちょうど一年のあいだの命だった。

    3作目は、ジェイムズ・サーバーの「レミングとの対話」これはサンリオSF文庫の『ベストSF1』に載っていて読んだはずだが、内容はすっかり忘れている。科学者と一匹のレミングとの対話だ。レミングは人間の研究に一生を捧げていると言う。科学者はレミングの研究に一生を捧げていると言う。科学者はレミングに尋ねる。なんでレミングたちは集団で自殺するのかって。するとレミングは問いかけで答える。なんで人間はそうしないんだいって。わずか2ページの作品だが、おもしろかった。

    4作目は、レイ・ブラッドベリの「お墓の引越し」死後60年は経ってる死骸の入っている棺を主役の老婆は自分の家に運ばせる。そして棺を開けると若くして死んだ婚約者が若いまま死んでいた。嫉妬した。しかし婚約者の死骸はみるみるうちに老化した。埃となった。主人公の老婆は喜んで踊り始めた。

    5作目は、ロバート・L・フィッシュの「橋は別にして」新聞の質問欄に答える仕事をしている男に、合衆国の国土のうち、自動車の占める割合を訊いてきた者がいる。解答者は答えた。2030年には橋を別にして国土のほとんどが車に占められるだろうとのことだった。主人公はその話に驚いた。

    6作目は、リチャード・マシスンの「指あと」主人公の男がバスに乗っていると、聾唖の少女と女も乗っていた。聾唖の少女が主人公の席と代わると、主人公は女の横に坐った。女が興奮して主人公の膝に触れる。さいごまで行くと、聾唖の少女が自分の席に戻ってきた。男はもとの席に戻った。ただそれだけ。

    7作目は、アーサー・ポージスの「一ドル九十八セント」山道でいたちに追われている小さな神さまを救った主人公。願い事がかなうという。ただし小さな神なので1ドル98セントまでのことならという。主人公は思いびとのことを願った。願いはかなった。人間を原材料にすると1ドル九十八セントだから。

    8作目は、ウォルター・S・テヴィスの「受話器のむこう側」未来の自分と電話で会話する主人公。競馬の結果や投資のことなど書き留めて大金持ちになっていく。未来になってから過去に電話をしなければならないことになった主人公。しかしうまく過去とつながらない。未来の自分のいる場所が消えていく。

    9作目は、ロバート・シェクリーの「たとえ赤い人殺しが」戦場で死んだ兵士が4回目の再生で生き返った。主人公の兵士だ。兵士は死を望んでいたのだが。5回目に再生されたときには、生きているのもいいものだと思うようになった。

    10作目は、ロバート・F・ヤングの「魔法の窓」ぼくがコレクションしている言葉があった。「きみの名前は?」(ロバート・F・ヤング『魔法の窓』伊藤典夫訳、119ページ・7行目)主人公は男性でぶらりと寄った画廊で一枚の絵に目をとめ、買う。部屋に飾ると別の絵になっていた。

    11作目は、リチャード・マシスンの「白絹(しろぎぬ)のドレス」ママは死んでいるのだが、主人公の少女はママがいると言う。おばあちゃんに叱られて部屋に閉じ込められる少女。だけど、へっちゃらだと言う。おなかもいっぱいだからという。

    12作目は、ウィル・スタントンの「バーニィ」グルタミン酸を投与されて知能が高まるネズミ。ネズミの知能のほうが主人公の科学者よりうわまわる。主人公の科学者はさいごに遺書を書いて死んだ。

    13作目は、デイヴィッド・H・ケラーの「地下室のなか」赤ん坊のころから地下室を怖がっていた息子。父親は6歳になった息子を地下室に閉じ込めた。1時間後に地下室に行くと、息子はなにものかにズタズタに引き裂かれて死んでいた。

    14作目は、マン・ルービンの「ひとりぼっちの三時間」世界から主人公をのぞく人間がひとりもいなくなった。3時間後にひとびとは姿を現わす。主人公は読者に呼びかける。あなたたちはどこに行っていたのかと。

    15作目は、ジョン・ブラナーの「思考の檻(おり)」主人公は厚い岩のなかに閉じ込められている。超能力者のようだ。その他のことはわからない。実験的な小説なのか、記述がみょうにいびつだった。

    16作目は、R・ブレットナーの「頂上の男」読んだことがあるなあと思って調べたら、メリルの『年間SF傑作選1』と、『三分間の宇宙』に「てっぺんの男」で入っていた。世界で最も険しい山に登った男の話。頂上に行くと、乞食みたいな仙人が「なんと、歩いてきたのかい?」と尋ねるところで終わる。

    17作目は、リチャード・マシスンの「わが心のジュリー」かわいらしい女学生を見つけて、ものにしようとした男子学生。裸にして写真を撮っておどしに使ったのだが、女子学生に殺されてしまう。女子学生のほうが一枚上手だったのである。

    18作目は、クロード・F・シェニスの「ジュリエット」自分の車をジュリエットと呼んで恋人のように慕う医師の物語。さいごに車は事故を起こしてくず鉄になった。

    19作目は、アルフレッド・ベスターの「くたばりぞこない」銀河系使節がはじめて地球にやってきた。主人公は機械の部分がまったくない人間の老人だった。銀河系使節は老人のいる病院にきた。老人は使節の顔にあらんかぎりの力をこめて杖をふるった。「わしこそ地球最後の人間です」と言い。

    20作目は、アラン・E・ナースの「旅行かばん」150年以上も放浪していた男が、女に惚れた。女も男を愛していた。結婚するつもりで男は女に告白した。男は部屋に戻ると放浪癖が出てきた。旅に出るつもりで部屋を出た。女は男を追ってバスに乗り込んだ。男の肩に頭をもたせかけた。

    21作目は、W・ヒルトン・ヤングの「選択」未来へ行った男は戻ってきたとき、なにも憶えていなかった。ただひとつ、すべてを見せられた後で、憶えておきたいか、憶えておきたくないかと選択を迫られたことを。憶えておきたくない方を選んだのだった。

    22作目は、マーガレット・セント・クレアの「地球のワイン」ワイン造りに一生を捧げた男が主人公。彼のぶどう園に4人の宇宙人がいた。主人公は4人に上等のワインを、最高のワインを出す。4人の宇宙人は宇宙船に主人公を招き、宇宙で造ったワインを出す。地球のワインではかなわない味がした。

    23作目は、フリッツ・ライバーの「子どもたちの庭」特別頭の良い生徒たちに対して、とても優秀な先生たちがいる。作中のさいごの言葉だ。「特別な魔力をもった先生もいる。そういう魔法がつかえる学校もあるのだ」(伊藤典夫訳)

    24作目は、ジョン・コリアの「恋人たちの夜」天使と悪魔が人間の姿をとって地上に現われた。ふたりは女性の性を選んだ。ふたりは惹かれ合って、いっしょの下宿屋に住んだ。下宿屋に魅力的な青年がいた。青年は天使のほうを好み、同衾した。悪魔のほうは嫉妬するばかりであった。

    25作目は、リチャード・マシスンの「コールガールは花ざかり」毎日、コールガールが家に訪れる。主人公の夫は困っていた。警察に相談しても無駄だった。しかし主人公の夫はかたくなに拒んだ。しばらくコールガールは来なくなった。数日して、こんどは若い男が来て、「奥さんいる?」と訊いてきた。

    26作目は、ウィリアム・テンの「吸血鬼は夜恋をする」医師の息子が吸血鬼に恋をした。吸血鬼も息子に恋をした。吸血鬼の女は付近の住民の子どもたちの血を吸っていた。医師が人工血液を提供することで、落着した。

    27作目は、マイクル・シャーラの「不滅の家系」時を遡って、父親の父親の父親の……を調べた男がいた。彼は自分の祖先に有名人がいないか探していたのだが、ひとりもいなかった。ひとりも有名人の祖先がいないことで、かえって、彼の名前は有名になった。という皮肉な作品。

    28作目は、エドガー・バンクボーンの「良き隣人」巨大宇宙船から飛行生物が吐き出された。アメリカ上空をそいつはいったりきたり。ジェット機と衝突したりして傷ついて地上に降りて死んだ。宇宙人から、地球人に詫びの言葉があった。賠償もされた。ただし、その賠償というのが偽造された紙幣だった。

    29作目は、A・E・ヴァン・ヴォークトの「プロセス」巨大な宇宙船が森に着陸した。森は意思を持っていて、なぎ倒された樹木の復讐で、宇宙船を攻撃した。宇宙船も森を攻撃した。森は原子爆弾を発明した。森同士が戦った。宇宙船は放射性物質を吸い取りすばやく宇宙に脱出した。

    30作目は、ピーシー・ワイアルの「岩山の城」女王がいて城があったが、時の経過で、女王も死に城もなくなった。女王を崇める宗教団体ができたが、宇宙船の攻撃で宗教団体も壊滅した。なにものも永遠のものはないということのたとえ話だった。

    31作目は、フレデリック・ポールの「デイ・ミリオン」鰓のある娘と星々を旅する200歳近い男とが愛し合った。肉体的に、ではなく、アナログでだ。ふたりは離れていても、アナログを通じて愛し合えた。

    さいごの32作目は、ウォルター・テヴィスの「ふるさと遠く」だ。このアンソロジー以外にも多くのアンソロジーに入っている。この作品が入っているだけで、アンソロジーは名作になる。傑作である。3つのお願いをきいてあげる、のバリエーションだ。このアンソロジーの冒頭の作品に通じている。
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    No.5:
    (4pt)

    次は浅倉久志『救命艇の叛乱』をお願いっ!

    伊藤典夫の眼鏡にかなった十六人の作家の内、
    万年SF初心者な当方が知ってたのは
    リチャード・マシスン、レイ・ブラッドベリ、ロバート・シェクリー、ロバート・F・ヤング、アルフレッド・ベスター、フリッツ・ライバー、ウィリアム・テン、A・E・ヴァン・ヴォークト・・・。
    あとは、リドリー・スコット監督によるP・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の映画化作品にタイトルを提供した長編『The Bladerunner』の作者アラン・E・ナースぐらいまで。
    後の面々は正直なところ、よく知らない。
    コレが中村融とか最近のアン一ソロジストなら、
    巻末で作品ごとの解題から作者のプロフィールまで
    微に入り細に入り解説してくれるんだろうけど・・・。
    アーサー・ポージス「一ドル九十八セント $1.98」は昔ムカシ、
    まだ黒い背表紙だった頃の講談社文庫の『世界ショートショート傑作選』の何巻目かで、
    デイヴィッド・H・ケラー「地下室のなか The Thing in the Cellar」は
    『恐怖の地下室』なるタイトルで児童向けのリライト版で
    夫々読んだ記憶が甦ってきた!
    ウィキペディアに頼るのもイイけど、いつか再会する期待をこめてそのままにしとこう。
    特に印象に残った作品を列挙すると・・・。
    最多5編が収録されているマシスン作品の中では、やっぱり
    『奥様は魔女』とか、所々に"笑い声"が入る往年のTVコメディを彷彿させる。
    「コール・ガールは花ざかり Flourish of Streetpets」がサイコー!
    アラン・E・ナース「旅行かばん The Choice」は、
    コミックスが何十冊も出ている人気漫画などの宿命
    いつまで同じこと繰り返してんだ?モンダイの残酷な真相。
    マン・ルービン「ひとりぼっちの三時間 The Three Hours Left Me All Aione」は
    小松左京『こちらニッポン』や『お召し』の源流ともとれる。
    でもシンプルな分コッチの方がコワい!
    吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)より
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    No.4:
    (4pt)

    レトロなSF・ショートショート・アンソロジー

    1975年に出た単行本に9編を加えて32編にして文庫化したものだそうです。複数作品が収録されている作家もいます。オリジナルのアンソロジーは読んでいませんが、ちらほらと読んだことのある作品もありました。
    基本的にはわかりやすいアイディア・ストーリー集なのですが、収録作は1930~60年代のものなので、古びてしまっている部分があるのは否めません。
    単純に扱っているネタ自体が今読むとありきたりに感じられたり、すでに否定された説を扱っていたりというところもありますが、
    作中の人々の考え方や行動が――未来を扱っている場合でも――現在からみると「それはちょっとどうなの」と感じられてしまうところも。
    50年以上前の作品だということを、あらかじめ念頭に置いて読む方がいいでしょう。

    以下、短いものなので内容には触れませんが、個人的に好きな作品を。
    リチャード・マシスン『死線』
    ロバート・L・フィッシュ『橋は別にして』
    アラン・E・ナース『旅行かばん』
    ウォルター・S・テヴィス『受話器のむこう側』『ふるさと遠く』

    ちなみに表題作ではなく、マシスン『白絹のドレス』が、『怪奇幻想の文学 吸血鬼』にも最近収録されていました。
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    No.3:
    (3pt)

    それぞれ小粒だがその作品独特のスパイシーさが調和して悪くない後味を残す

    オチの効いた話、不気味な話等々…それぞれ小粒だがその作品独特のスパイシーさが調和して悪くない後味を残すようだ。ただ半世紀以上前の作品とあってはいまだに色褪せないとまでは言い難いし、ファンタシーの普遍性に比べてSFという形態の脆さを見せつけられた思いがしないではないが、ショートショートと云う作品形態からも自分たちの世代にとってはそれほど違和感を持つことはないだろう。だがしかし作品の背景自体は一時代前の世相ではあるし、何より多くの作品が当時の男社会を反映した男性中心の語り口であることの不自然さは否めない。
    吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:吸血鬼は夜恋をする: SF&ファンタジイ・ショートショート傑作選 (創元SF文庫)より
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    No.2:
    (3pt)

    昔懐かしい香りのするアンソロジー。全部で32の小品を収めた一冊です。

    昔懐かしい海外のSF、ファンタジーの掌篇、短篇が32篇、収められたアンソロジー。
    本のタイトルは、ウィリアム・テンの同題の短篇から採ったもので、本書が〈吸血鬼〉ものの作品集ということではありません。
    収録作品の多くは、1950年代から60年代にかけて、「ファンタジー&サイエンス・フィクション誌」を始めとする雑誌に掲載されたものです。

    全32篇の中、格別の味わいがあったのは、次の二篇。
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