鋼鉄紅女
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家族を奪った男に、理不尽を強いる家父長制に、くそったれな儒教社会に、強い意志を持って抗う、革命物語であり強烈な復讐劇です。 何喰ったらダーリンインザフランキスと侍女の物語を合体させるアイデアが思いつくんでしょうか。 文章でロボットものをやるのは非常に大変だと伺いますが、今作はエヴァとか鉄血系統の直接操作方式が採用されており、さらに五行の思想とロボットの能力を絡めることでバトルシーンの見応えがダイナミックで迫力あるものになっています。 また、ジェンダーSFとしての側面では儒教社会がもたらす理不尽が徹底的に描写されることで陰鬱な読み応えになるのですが、「儒教社会では女の子のほうがよりひどい目にあうが、だからといってそれが嫌な男の子だっているはずだ」という祈りのようなものを感じました。 惜しむらくは最終決戦後の展開が、なんだかまるで打ち切りが決まった漫画みたいなテンポと展開だったこと。 もしこれが中国国内で出版された小説ならまあ当局に気を遣ったのかなと思うのですが、カナダで出た小説ですし、作者はあくまで中国にルーツを持つカナダ在住とのことで、せっかく語っていたテーマをうやむやにしてしまうようなラストの展開には少し残念に思います。 どうやら続編が出るらしいのでそれを待ちたいです。 | ||||
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表紙だけ見ると戦闘ロボものみたいに見えますが、 架空の古代中国が舞台なので、お衣装が華やかです。 小難しくなくエンタメとして楽しめます。 出てくる人名も歴史上有名な名前ばかりなので、中国原作にありがちな 「名前が難しくて覚えられない問題」もないです。 | ||||
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●トランスフォーマーやパシフィック・リムなど従来のものと若干趣が異なる、東洋的色合いの濃い 巨大ロボットSFです。古代中国神話の四神「朱雀、白虎、玄武など」や九尾の狐が登場するし、その 動力やメカニズムもユニーク。 パイロットの発した気の発現、霊圧の放出力、巨大ロボットへと変身して行くダイナミックな様子、 巻き起こる風や熱の放散など、幻想的かつ情緒豊かな筆致が迫力を感じます。 ロボットSFの他にもう一つの流れがあり、こちらの方も印象が強い。自分の弱さを隠し常に攻撃的 なスタンスで身構えている主人公。負けず嫌いで頑固で心はすさんでいる。ジェンダー差別などとい う生易しい言葉では表せない程の男尊女卑の極み。 弊習に徹底的に抗う姿は凄絶。解決は相手を抹殺するか出来なければ自死かの二者択一。心の傷の 深さを吐露した言葉には諦観の匂いがする。 問答無用とばかりに人類を滅ぼした敵・渾沌(フン・ドゥン)を弊習に見立て、それを破壊する霊 蛹機に自分自身を写しています。そこまで徹底して破壊しなければこの世は変わらないのだろうか。 なぜか傷だらけの主人公と著者の姿がダブって見えてきます。 | ||||
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「女主人公の中華モチーフロボSF」 本書をワンフレーズで表すとこうなる。組み合わせは新しいのかもしれないが、構成するパーツは漫画アニメゲームに慣れ親しんだ者なら見知ったものばかりだ。四神、九尾の狐、三国志、武則天、始皇帝、西遊記…。正体不明のモンスターの軍勢とそれに立ち向かうロボット。一見オリジナルに見える男女一対で乗り込むコクピットも、後書きにあるように日本のあるアニメから着想を得たと作者が認めている。最後のどんでん返しすら、SF的にはままある類型だ。本書のどの要素を抜き出しても「どこかで見たような…」という感想が出てくる。 いつもの店に行って代わり映えのしないメニューを食べて帰ってきた。本書を読んだ後はまさにそんな状態だ。私が翻訳SFに求めるものは、そういうものではなかったので、強気な値段設定と合わせて星二つとさせていただいた。 | ||||
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本作はどちらかといえば、敵である渾沌の戦いではなく、劇中の男性優位社会をいかにしてシバくべきかに重きが置かれているので、ロボット戦闘の描写というよりも、作者が書きたかったのは寧ろ主人公の思いだろうと感じた。 現実世界の有事にいかにして「巨大ロボット」を溶け込ませ、その挙動を現実味あるものにするかばかりに腐心し、単なるドンパチや自己満足的な難解なストーリーで終わっているロボットものが多い今、こうしたストレートで痛烈な問題提起は、それはそれで意義ある挑戦といえるだろう。 だが、主人公の問題提起が必要以上に何度も掲示されること、それがどす黒い暴力をぶちまける形で表れていることから、いささか食傷気味だった。もっとも、社会に暴言や殺意を向ける形で問題解決をする作品というのは、チョ・スンヒの戯曲のような自己完結に終わっているものが殆どだと思うが…。 | ||||
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