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鏖戦/凍月
- SF (392)
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凍月はタイトルがマジで最高に素晴らしい。名翻訳にも程があると思います。 原著のタイトルがHeadsだったかな?全然違うので大丈夫なのか心配になりますが、僕は凍月派です。 作品もどこか詩的で、これも翻訳の力があるのかもなと思います。素晴らしい作品ですが、翻訳が違うと印象が全く変わったかも。 | ||||
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グレッグベアの逝去を知り、あの「鏖戦」が単行本化(凍月は量子倫理シリーズの頃に文庫化済み)&Kindle化されたのを期に購入。 30年前に読んで頭がクラクラした酒井昭伸氏の超絶センス&名翻訳がいま読んでも最高すぎます。 変容しきった人類と木星/海王星系生命圏に属する施禰俱支が延々と継戦し続けている超遠未来、両陣営の隔絶っぷりと(人類の)変容っぷり、そして鏖戦=Hardfoughtそれ自体を媒介に成立してしまう敵味方としての相互理解、等々、原文を単純に日本語にトランスレートするだけではここまでの描写は不可能だったと思われます。 | ||||
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やっぱりいい。 | ||||
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数年前、積読にしていたベアをまとめて読んでいた時、「鏖戦」という傑作中篇があるらしいということを知る。 小川隆・山岸真編『80年代SF傑作選』は持ってなかったので、手持ちの海外SF傑作選をいろいろ確認してみたが、ほかには収録されてなく、あちこちの古書店を訪ねながら半分あきらめていた。しかし、今回まさかの書籍化。うれしいけれど、作者の追悼記念出版というのが悲しい。 ベアの作品なので覚悟はしていたけれど、やっぱり難物だった。ベアは1951年生まれなので、31,2歳の頃?まさに脂の乗り切った、人生で一番難解な作品を書く年頃かな? 時間軸が入り混じっている上に、歴史的事実、オリジナルとクローン、VR、シミュレーション、敵陣営の仮象と実験が混在して、なにがどうなっているのかわからなくなる。しかし、そこで語られる宇宙文明とその歴史、個性的な登場人物、出会い、激しい戦闘。“鏖戦(ハードフォート)”というのは、文字どおり熱い釜の中のような激しい戦い。そして、一体何がどうなったのかとあっけにとられる結末。何度も繰り返して読み直して、ようやく読了。 「鏖戦」というタイトルも含めて翻訳も評価大。内容が凄い、翻訳も凄い。これは満点にするしかないじゃないですか。 本篇を読んで連想したのは、弐瓶勉、ロバート・L・フォワード、永井豪、光瀬龍の四人。 まず、弐瓶勉については基本設定が『シドニアの騎士』に似ている。偶然の一致かも知れないが、もし弐瓶勉が本篇を読んで『シドニア』を発想したのだったら、その構想力に拍手を送る。共通点は、異星種族、胞子、戦士、サイバーパンク程度だけど、種子船、メタモルフォーゼ等、関連性がぷんぷん匂ってくる。 ロバート・L・フォワードについては『竜の卵(1980)』との関連。根本的に人類と敵対する宇宙文明というのは『レンズマン・シリーズ』の昔からSFでもさんざん描かれてきたが、ここで『竜の卵』を指定するのは、まったく異なる二つの種族の関係性というテーマ。まったく異なる種族なのに、どこかに共通点があり、もしかしたら似ているのかも? 一般的には『シドニアの騎士』のように人類側の物語を重視して、敵については外形を描くというのが普通で、例えば〈曼荼羅〉と主人公たちの関係にしても、人類側の話だけで完結させることも可能だったと思うが、敵である施禰俱支についても、その歴史と人種との関係、助演級のキャラクターを登場させて緻密に描写することによって、普遍的な文明の宿命という大きなテーマを描くことが可能になったのではないかと思う。 永井豪については、クライマックスの描写で脳裏に浮かぶ『デビルマン』。 光瀬龍については、読後感。一瞬の光芒を放ち、消えていく文明の興亡。永劫の宇宙における時の流れ。諸行無常の哲学。 本篇を読み終えたところで巻末の解説を読むと、本篇はSFMの90年10月号、創刊400号記念特大号に掲載されていたと書いてある。なんてこった。それなら持っている。 ダブっただけでは悔しいので、SFMを探し出してざっと眺めてみると若干の違いが目につく。 まず、冒頭の太ゴシック体の漢王朝における歴史に関する一文がSFM版にはない。SF文庫版ではどうなっているかはわからないが、後から追加されたのだろうか。蛇足のような気がしないでもない。これがなければ本篇は宇宙生命の宿命に関する哲学的な物語としても読めるが、この文章があることによって、文明の歴史的な解釈に矮小化されてしまうような気がする。気にし過ぎかな? その他、細かく比べたわけではないが、本文の大部分はまったく同じなのだけれど、ところどころ表現がちょっと違う部分がある。多くは変わったことによってわかり易くなっていると思うが、一か所、本書 P100 プルーフラックスがオーバーからの指示「あなたは研究職に配属されたわ」に対して発した疑問の言葉、「それは軍務違反に対する処置ですか?」は、SFM掲載版では「それは、軍務を解かれるということですか?」と訳されていた。評者はSFM版のほうがわかり易いと思う。 本書に収録されているもう一つの中長編「凍月」は、4年前に文庫版で読んでいる。ざっと比較してみると、表現はほとんど変わっていないが、段落の区切りが何か所か変わっている。また、最終行の“〈静寂〉のなかに。”という一文が文庫版にはなかった。 長い話ではないし、「鏖戦」ほど難しい話ではないので、再読したい気持ちはあるのだが、他に優先したい本が多いので、今回はパス。 | ||||
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サイバーパンク小説というヤツは、得てして用語の解説や背景の説明など無いまま突っ走るものだ.が、主人公が降下兵という事で「宇宙の戦士」を連想すれば、具体的なシーンを思い描きやすい。「鏖戦」はサイバーパンク小説にしては読みやい1作だった。駆使された熟語とルビも助かる。いや、全部アルファベットだったらシンドイだろうと思うのだ。日本語が母語で良かったと思うし、訳をされた方には感謝の言葉しかない。ニューロマンサーやスノウクラッシュの様に無駄に長くない点も助かる。 | ||||
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