(短編集)

タンジェント



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    初公開日(参考)1993年11月
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    短編集

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    タンジェント (ハヤカワ文庫SF)

    1993年11月01日 タンジェント (ハヤカワ文庫SF)

    カリフォルニアの草原の古びた農家で、少年は四次元空間の視覚的イメージを研究する老科学者と出会った。四次元空間では立方体や球はどんなふうに見えると思う?そう問いかけられた少年には、実際に四次元空間が見えていた。もともと音楽好きの少年は、四次元空間へ音楽のメッセージを送るのだが…。ヒューゴー、ネビュラ両賞に輝く表題作など、人気作家ベアの多彩な魅力を伝える八篇を収録した日本版オリジナル短篇集。(「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (5pt)

    短編集を読んで初めて知るベアの作風

    長編4作に続いて読むのはベアでは数少ない短編集です。
     これまでに読んだ4作のうち、『ブラッドミュージック』は黙示録的ハイテク人類進化小説、残りの3作はいずれも黙示録的大宇宙スペクタクルSFだったので、ベアはそういう系統の作家だと思っていました。
     巻頭に掲載されている作者の日本版短編集への序文には、サイエンス・フィクションもファンタジイも表現形式として同じように気に入っていると書かれています。

     本書は、ベアの作品の中から1993年に日本で独自に編集された傑作選です。収録作は全部で8篇。思い切って分けるとSFが4篇とファンタジイが4篇。だけど、SFの4篇のうち3篇はかなりファンタジイが入っています。読み終わって改めて考えると、これまで読んできた長編の各作品にも多かれ少なかれファンタジイ要素が埋め込まれていたことに気付きました。
     発表年代は、一番古い1974年発表の作品が1篇、1978年の作品が2篇、1979年、1982年、1986年の作品が各1篇、1988年の作品が2篇と、満遍なく集められた感じです。だいたい各作品とも良くできているので、高い質をずっと維持しているという感じです。

     1作目、「炎のプシケ」は、1978年に発表された中篇 『永劫』より7年前に発表されていますが、同じ舞台設定が使われています。ただし、ストーリーはまったく関係ありません。解説では、テロリズムの正当性をテーマにした宇宙SFと書かれていますが、これには賛同できません。

     2作目、「姉妹たち」 1988年に発表された中篇 遺伝子改変が当たり前になった未来社会で、自然派の両親から生まれた少女が完璧すぎる級友たちの中で疎外感を克服していく物語。ヒューマニズムあふれる傑作です。長編を読んでいた時には、まさかこんな作品を書く作家だとは思いませんでした。

     3作目、「ウェブスター」 1974年、作者23歳の年に発表された事実上のプロ・デビュー作。これもまたCREATORについての物語ですね。造物主に対する皮肉だと考えると身につまされます。ファンタジイ。

     4作目、「飛散」 1978年に発表された中篇 ほとんど結末まで何が何だかわからないけれど、最後まで読んだ後で、原題と邦題と比べて見てやっと理解できました。途中まで人を喰ったような設定でわけがわからなかったので、面白いかといえば難しいのですが、結末まで読んだ時のセンス・オブ・ワンダーは凄い。別の書き方をした『久遠』といえるかもしれません。司令官はFSSの詩女のような存在だと解釈してみました。
     
     5作目、「ペトラ」 1982年発表の短編 ネビュラ賞候補作になった出世作。スターリングの『ミラーシェード』にも収録されているので読んだ筈なのですが内容は完全に忘れていました。異様な話です。幻想小説の形で人類滅亡後の世界の新創生紀を描いた作品なのかな。“石”を金属生命体と考えたらSFになるかも。

     6作目、「白い馬にのった子供」 1979年発表の短編 8歳の田舎の少年であるぼくが語る物語。ファンタジイのような、説話のような。「歌を作るより田を作れ。」と言われていた日本の農村を思い出しました。

     7作目、「タンジェント」 1986年に発表され、1987年のヒューゴー賞とネビュラ賞を取った短編。前半部を読んでいる時は凄い傑作だと思っていましたが、中盤からちょっとダウン。なぜここまで複数の要素を詰め込んだのでしょうか。ある解説には少年と老人に共通する孤独感が人間ドラマに深みを与えていると書かれていましたが、トポロジィと音楽の話だけでも十分に傑作だと思うのだけれども。

     最後、「スリープサイド・ストーリー」 本書中では一番長い150枚の中篇 1988年発表。 都会派ファンタジイだと思って読み終えたのですが、そういえば、ディレーニーの『ダールグレン』もこんな感じの話だったと思い出しました。基本となっているストーリーは、ありふれていて陳腐ともいえるものですが、味付け、語り口、雰囲気等が見事で、読ませます。
    タンジェント (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:タンジェント (ハヤカワ文庫SF)より
    4150110387
    No.2:
    (4pt)

    表題作が秀逸

    隠退した学者と天才少年が、音楽を使って四次元人とコミュニケートする表題作「タンジェント」が秀逸ですね。アボットの大古典「フラットランド」や、マイルズ・J・ブルウアーの「四次元方程式」(『世界SF全集31・世界のSF・古典編』に収録)を想起させるところがニクいですし、そういう(言ってみれば前時代的な)テーマを80年代にうまく書き上げた点が賞賛に値します。そして、コミュニケーション・ツールが音楽ってところがまた良いですね。私は60年代以降のヒューゴー賞とネビュラ賞は信頼しない主義なのですが、これは、素晴らしい作品だと認めざるを得ません。

    ほかの収録作ではファンタジーの「スリープサイド・ストーリー」が楽しく読めたです。
    タンジェント (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:タンジェント (ハヤカワ文庫SF)より
    4150110387
    No.1:
    (5pt)

    おすすめなSF短編集

    グレッグ・ベアの日本オリジナル短編集。
    次元シャフルを扱った初期の短編「飛散」が好きだ。
    このアイデアをとても上手にまとめた傑作だと思う。
    表題作の「タンジェント」は、四次元のトポロジーについて分かりやすく書かれていて非常に興味深かった。
    四次元との接触を位相幾何学的に正確に描写した傑作だと思う。
    他にも、胎児設計を扱った「姉妹たち」などもあり、水準の高い短編集となっている。
    全体としても、おすすめなSF短編集である。
    タンジェント (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:タンジェント (ハヤカワ文庫SF)より
    4150110387



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