闇の牢獄



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    初公開日(参考)2023年05月
    分類

    長編小説

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    闇の牢獄

    2023年05月17日 闇の牢獄

    ストックホルムで起きた、サッカー審判員撲殺事件。地域警官のミカエラは捜査に参加、尋問のスペシャリストで心理学者のハンス・レッケと出会う。彼は鎮痛剤の依存症だった。独特の心理分析で捜査陣をかく乱するレッケだったが、ある日ミカエラが地下鉄に飛びこもうとした彼を救ったことをきっかけに、二人は被害者の裏の顔と、事件の奥に潜む外交機密に突き当たる。元ピアニストの経歴を持つレッケは、アフガニスタン移民である被害者の中に音楽の痕跡を見つけるが、そこには凄惨な過去が待ち構えていた。上流階級のレッケと移民のミカエラ。奇妙なコンビは時と国境を越え、真実に迫る――。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

    闇の牢獄の総合評価:7.50/10点レビュー 4件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (6pt)

    これほどイライラさせる主人公も珍しい

    スティーグ・ラーソン亡き後「ミレニアム」第4〜6部を書いた作者の新シリーズ第一弾。上流階級の心理学者と貧困層出身で移民の女性警官という異色コンビが主役のバディ・ミステリーである。
    サッカーの審判員を務めたアフガン難民の男性が試合後、撲殺死体で発見された。試合中の判定に不満を爆発させた男による突発的で単純な暴力事件と判断されたのだが、逮捕されたイタリア系移民の男は頑強に否認し続ける。何とか自白を引き出したい警察は貧困層出身で移民の女性警官・ミカエラと、上流階級出の心理学者で尋問の専門家・レッケ教授を操作チームに迎え入れた。水と油のごとく対照的で混じり合うことがないと思われた二人だったが、鬱症状から自殺を図ろうとしたレッケをミカエラが助けたことをきっかけに奇妙な協力関係を築き、事件の背景に国際的なスキャンダルが隠されていることを突き止めていく…。
    これまでに無い組み合わせのバディもので、殺人事件の謎を解くミステリーとしての筋立ても良くできている。が、いかんせん主人公の性格、言動、才能が異色すぎて少しも共感が呼び起こされない。読書中、これほどまでにイライラさせるヒーローには会ったことがなかったほど。シリーズは三部作というが、次作を読む気にはならなかった。
    北欧ミステリーやミレニアム・シリーズの流れを期待すると、残念ながら裏切られるだろう。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (5pt)

    感情描写が話をすすめる面白い本

    もともと人の心理に興味があるのですが、まず興味深いと思ったのは、登場人物の細やかに揺れ動く感情が実に見事に表現されていること。ですから、本は長くて話もかなり複雑なのですが、各人物がどんな人かがすぐわかって、その人たちになりきりながら本を読みすすめていけました。
    推理小説なのですが、単に頭の賢い完璧な探偵が極悪非道の犯人を見つける、というレベルではなくて、もっと人間の深層心理をするどく描き出したような作品で、とても面白かったです。
    誰でも人には隠したい過去があり、現在はその過去から解放されるように努力しているんだけど悪戦苦闘。じゃあ未来はどうなるの?、とついついページをめくってしまうような本でした。
    私たちの社会では誰が加害者で誰が被害者を決める法律というものがありますが、本当の意味では加害者も被害者もないなあ、と思わせる話は、人間としてどう他人に接していくべきかを考えるよい機会を与えてくれました。
    闇の牢獄Amazon書評・レビュー:闇の牢獄より
    404112588X
    No.2:
    (2pt)

    普通

    視点がコロコロ変わるので読みにくいと思う人はいるかもしれない。
    追記
    主人公二人はホームズとワトソンをモデルにしていると書いてあったので序盤はワクワクして読んだが、視点がほとんど脇役用な人にまでコロコロ変わるので話の進みがスムーズには感じられなかった。
    闇の牢獄Amazon書評・レビュー:闇の牢獄より
    404112588X
    No.1:
    (5pt)

    難儀な二人がバディとなって事件解決する北欧ミステリ

    北欧ミステリといえば映画化もされた『ミレニアム』をいの一番に思い浮かべるが、その『ミレニアム』の原作者スティーグ・ラーソン絶筆の後にシリーズを引き継いだのが本作を書いたダヴィド・ラーゲルクランツとなる。

    物語はストックホルムで起きたサッカー審判員撲殺事件から始まる。一見単純な暴力沙汰から起こった殺人と思われていたが捜査は難航を極め、捜査チームは苦肉の策として二人のワケアリ人物を捜査チームに加えることとなった。一人は移民女性で地域警官のミカエラ、もう一人は尋問スペシャリストだが仕事にむらのある男ハンス・レッケ。しかし二人の類稀なる観察眼により、事件は思わぬ様相を露わにしてゆくのだ。それは外務省、CIA、さらにはタリバンの陰謀と思惑が複雑に絡み合う、ある男の凄惨な過去の物語だった。

    まずこの物語、主人公となる二人のユニークなキャラクターで魅せてゆくバディ・ストーリーとなる。まずは警察官ミカエラ、彼女はチリからの移民であり、低階級の生活と問題のある家族を抱え、常にルサンチマンに突き動かされて苛立っており、周囲の扱いも御座なりなのだが、しかし生来の素晴らしい観察眼を持っていたのだ。もう一人は心理分析官レッケ、彼は上流階級に生まれジュリアード大学院卒のピアノ奏者で、剃刀の様に切れる頭脳を持ちながらも、重度の双極性障害に悩まされドラッグの助けがないとグダグダの役立たずになってしまう男なのだ。

    この、真逆の生活環境と真逆の性格を持ち、ただし明晰な頭脳と難儀な生き方をしている部分は一致した二人がバディとなり、お互いのウィークポイントを補い合いお互いの知恵を結集しながら事件の真相に迫ってゆくという部分にこの作品の面白さがある。作者も語っているがこの二人はかのシャーロック・ホームズを参考にしているらしく、レッケの「明晰な頭脳を持ちドラッグ中毒で楽器奏者の変わり者」という部分は実にホームズだし、ミカエラにしても「時々道を外れる友人を支え的確な助言を与え、いざとなれば相当にタフな部分も発揮する」部分においてワトソンぽいといえるだろう。

    そして読み進めるほどに歴史の暗部と人間心理の迷宮へと迷い込んでゆく物語が素晴らしい。単純な殺人事件だった筈のものが捜査の過程で次第に複雑で危険なものへと近づいてゆく。それは十分に重く、悲しく、憐れで、やりきれないものとしてその姿を露わにしてゆくのだ。そこにはスウェーデン/ストックホルムを舞台としながらも、例えばミカエラがチリ移民であったり、同様に被害者の男カビールがアフガニスタン難民であったりするように、世界の縮図としてのスウェーデンの姿が垣間見えてくるのだ。

    また、北欧ミステリというと兎角陰惨なイメージがあるのだが、この作品に関しては幾つかの恐ろしい事件が取り上げられはするにせよ、物語全体は陰惨に感じない部分で好感が持てた。なにしろ主人公二人の魅力で読ませる作品だが、特にレッケに関しては北欧俳優マッツ・ミケルセンの姿が思い浮かんでしまい、読んでいる間中あたかもマッツが演じているかのように物語を楽しんでしまった。これはもうマッツ主演で映画化するしかないね!それとこの作品は「レッケ&ミカエラ3部作」として予定されているらしく、今後のシリーズ刊行が大いに楽しみである。
    闇の牢獄Amazon書評・レビュー:闇の牢獄より
    404112588X



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