ホステージ 人質
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「その手を離すのは、私」でデビューしたイギリス女性作家の第2作。娘の命と引き換えにハイジャックに協力することを強制されたCAの苦悩と恐怖、決断を描いたタイムリミット・サスペンスである。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ちょっとものすごく面白いものを読んじゃったかもしれない。ミナという客室乗務員が色んな選択を迫られるんだけど、実は彼女にはパイロットの夢を諦めた過去があって、というひねりが最後にきいてくる。ミナの娘が良いキャラしてる。こういう強い女の子大好きだわ。星五つ! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
566ページに及ぶ長編であるが、飛行機テロ前後の主役家族3名の生活環境及び行動の描写も、テロ犯人及び乗客の搭乗背景および渦中の行動についても、冗長な表現で読み通すのがやや苦痛である。 特に家族中の少女の人物設定に無理があり、意外な(?)テロ主犯とこの二人の絡みを章末でのオチにするためのプロットに延々と突き合わされた感がある。 旅客機乗っ取りのテロ事件を扱う小説や映像作品の秀作はこれまでにいくつもあり、本作品は今一つと云わざるを得ない。「著者あとがき」に記された環境破壊を懸念するような執筆意図も、作中では読者が共鳴する表現となってはいない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語過ぎ、リアリティなし。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もちろん朝ドラのように爽やかな展開ではありませんが、主人公の女性が航空学校に進学したのに何らかの深い事情で屈託を抱えながら、パイロットにはならずに子ども、しかも不妊に悩んだすえの養子を育てながら客室乗務員として働いています。夫は警察官なのですがこちらもこころに深い闇を抱えています。さらに、この養子(女の子)も愛着障害という病のようで、このあたりの説明というか伏線がかなり丁寧に書かれますので前半はちょっと進行が遅い感じです。 ところが、ロンドン=シドニー直行便の初フライトに主人公がクルーとして搭乗したとたんにとてつもない陰謀が徐々に明らかにされていきます。乗客に紛れ込んだ過激な環境保護主義者たちはいったい何人で誰なのか?さらに、ロンドンに残された夫と娘にも同時進行で危機が迫ります。20時間というタイマーが自動でセットされた極限状況のなかで何を選択して実行するのか?(細かいネタは書きません) さらにこの作品がすごいのは無事にハッピーエンドを迎えたかのように見えたラスト約20ページで驚愕のエピローグとなります。本当の主人公は誰なのか?(これもお読みいただいてお楽しみください) よくできた作品です。配信系会社での映像化に期待したいほどの「原作」だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近頃の私は週一回羽田空港に行く用があって、行けば必ず「アカシア」でロール・キャベツ・シチューを味わい、展望デッキから飛行機の発着を眺めることを習慣にしています。飛び交う飛行機を何時間でも見ていられます(笑)。本当に何時間でも。 クレア・マッキントッシュの著作を読むのは、「その手を離すのは、私」(2020/6月)以来になります。3年も経過してしまうと私の少ない記憶装置では、その詳細を思い出すことができません(笑)。 就航するロンドン-シドニー直行便。ボーイング777。CAのミナ。その夫、警察官のアダムのそれぞれの側から物語が語られていきます。鍵は、娘・ソフィアにあります。彼女は二人の養子であり、ソフィアの存在がこのスリラーを分銅のように四方八方にぶん回します。アダムの浮気を疑いながら飛行機に乗り込むミナ。一方アダムには、誰にも言えない或る秘密がありました。それは、スリラー故に書く事ができません。 シドニー行きの機内では、グランドホテル形式のパニック小説のようにクルーたち、搭乗者たちの様子が小出しに語られながら、いよいよパニック小説らしいサスペンスが増幅されつつ、そこにアダム側のサスペンスが重奏することで巻措く能わざる展開が待っています。読者は、いつかしらその展開に深く埋没している自分を発見することになるでしょう。そして・・・。本当はもっと描きたいところではありますが、やめておきましょう(笑)。 巻末の大矢博子さんの解説にもあるように「座席ナンバー7Aの恐怖」、「フォーリング-墜落-」を想起させる内容ではありますが、今回がもしかするとベストかもしれません。 仕掛けのないウォーター・フォール型のサスペンス小説とは異なり、様々な伏線を張り、丁寧に回収しながらクライマックス、エピローグへと結びつけるクレア・マッキントッシュのミステリ作家としての力業を素直に認めたいと思います。 誰かの"多くの"命と娘の命、そのどちらを助けたいと思うのか?テーマはそのことに尽きます。 そして、確実に私に言えることがあるとすれば、アダムの秘密が暴露され良い方向に向かったとしてもいずれアダムはまた昔の世界に戻ってくることになるのだろうな?ということにあります。心が支配されてしまった"ホステージ"のように。 「ホステージ 人質 "Hostage"」(クレア・マッキントッシュ 小学館文庫) 2023/5/5。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 5件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|