ヴァイオレットだけが知っている
- サスペンス (355)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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オーストラリアのYAの人気作家が初めて書いた大人向け作品。イギリスとフランスを舞台に過去と現在の爆破事件が絡み合う、社会性の強いミステリー・サスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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フランスで起きたバスの爆発事故。事故の被害者に、以前起こった大型のテロ事件の犯人の孫が乗っていたこと、その孫が失踪したことで、大きな騒ぎが持ち上がる。 イギリス人の被害者の娘の父親であり停職中の刑事ビッシュが、事件の解決に結果的に乗り出すことに。 果たして事件の真相は、という話。 序盤はそれなりに面白いし、期待できそうな雰囲気だったのだが、兎に角冗漫で長い。 キャラクターはそれなりに立っているものの、登場人数も多く結構読みづらい。 全体的に暗い内容で、抑揚も欠くので、どうしても単調な読書になってしまった。 最後もあっけないし、全体的に厳しい内容でした。 | ||||
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2023年3月の創元推理文庫新刊本メリーナ・マーケッタ著小林浩子訳『ヴァイオレットだけが知っている』。原著は2016年刊。本邦初訳。 購入理由は、メリーナ・マーケッタ(1965年生まれ。元高校教師)のデビュー作で、数々の賞を得たヤングアダルト小説『アリブランディを探して』(1992年)が10年前に岩波のSTAMP BOOKSで翻訳出版されていて、かなり評判がよかったからである(と言いながら、未読)。 デビュー後、メリーナ・マーケッタはヤング・アダルト小説、異世界ファンタジー、児童小説等の分野で活躍し、様々な賞を獲っているが、翻訳は1冊も出ていない。そういう作家の翻訳第2作が出版され、しかも初めてのミステリーであることを知って、すぐに注文した。 届いてみると、かなり厚い。525頁もある。2月の創元推理のノイバウアー『メナハウスの殺人』より100頁以上厚い。同じ頃届いたハヤカワ文庫アン・グリーブスの『哀惜』は580頁あるが、創元推理はハヤカワ文庫より活字が大きく、行数もハヤカワは16行なのに創元推理が18行なので、分量は、本書のほうが『哀惜』より多いまたは同じぐらいと推測される。そして、グリーブスはおなじみの作家なので何の不安もないが、未知の作家の初ミステリー作品で、特に賞を獲っていない(らしい)作品で、500頁もあると、読む前に不安が高まる。 そんなこんなで1月程度放置してしまい、4月末になって、読み始めた。 主人公のロンドンの停職警察官が、フランスでのバス・ツァーに参加していた娘が爆発事故に巻き込まれたとの知らせを受け、物語が始まる。この発端は悪くない。 主人公がフランスに行き、娘は無事だが、旅行参加者の17歳のヴァイオレットの祖父がかっての爆弾事故の犯人で、父は自殺し、母は服役していることが判明する。そのヴァイオレットが事情聴取のあと、少年と二人で姿を消す。 ヴァイオレットを探す過程で、様々な家族のドラマが描かれ、登場人物が増えていく。主人公とその家族、主人公の別れた妻とその家族、ヴァイオレットの母親とその家族、ヴァイオレットの伯父とその家族、事務弁護士とその家族、ヴァイオレットの連れている少年とその家族、フランスの捜査官とその家族、そして、少女たちの交際相手達・・多くの家族が過去の深刻な傷を抱えていて・・。 登場人物は個性的で、上記の家族ストーリーの絡み合いはそれなりに興味深いが、あいにくミステリー的には、サスペンス、謎、意外性に乏しく、先は長い。だんだん退屈で眠くなってくる。一気に読むのは無理で、頑張って3日ほどで最後まで辿り着いた。 一体この作品の評判はどうなっているんだろうと、原作のアマゾンレビューを調べてみた。ちょっと驚いたことに、35件のレビューのうち、酷評は2件ぐらいで、あとはほぼ賞賛レビューで、素晴らしい素晴らしいの絶賛レビューも多い。 褒めている内容は、登場人物の魅力、家族ストーリーの魅力、ひねりの多い展開の面白さなどだが、特徴的なのは過去のメリーナ・マーケッタのヤングアダルト小説の愛読者が多く、その延長線上にこの作品を高評価していることだった。 そこて私の反省点は、①この作品を読む前に、STAMP BOOKS『アリブランディを探して』を読んでおくべきであった。②ミステリーのつもりで読んだのがよくなかったのかもしれない。ヤングアダルト小説として読むべきであったのかもしれない。 それで、STAMP BOOKS『アリブランディを探して』を読むことにした。 しかし、現時点での本書の評価は、残念で勝手ながら、★★★しかつけられない。 | ||||
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