盗作小説



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初公開日(参考)2023年03月
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長編小説

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盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)

2023年03月07日 盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)

小説講師として才能のない生徒の面倒を見る作家ジェイコブ。中でも反抗的な生徒エヴァンの存在は、いまの彼の立場をより惨めなものにさせていた。ある日、エヴァンが死んでしまう。彼が遺したプロットは普段の彼からは考えられないほど完璧だった。そして……(「BOOK」データベースより)




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盗作小説の総合評価:7.67/10点レビュー 3件。Cランク


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(7pt)

見えない脅迫者に追い詰められる心理サスペンス

2021年のNYT紙「注目の一冊」に選出された長編ミステリー。落ち目の作家が他人のプロットを使ってベストセラーを書き、再び栄光を得たのだが、「おまえは盗人だ」という脅迫が届き追い詰められていく心理サスペンスである。
デビュー作が評論家から高く評価されたジェイコブだったが2作目以降は鳴かず飛ばずですっかり落ちぶれ、地方大学の短期創作講座の臨時講師などで食いつないでいた。箸にも棒にもかからない受講生たちにうんざりする日々の中でも態度が傲慢なエヴァンは最悪だった。だが、ある日、個人面談でエヴァンが語ったプロットは最高で、素晴らしい小説になると予感した。それから3年、ふとしたことからエヴァンが死んだことを知り、しかもエヴァンが語ったプロットが作品になっていないことを確信したジェイコブは、そのプロットを小説に仕上げることにした。作品「クリブ」は大ヒットし、ジェイコブは再び脚光を浴びたのだが、一通のメールから地獄の日々に引き摺り込まれることになった…。
死んだエヴァンの頭の中にしかなかったはずのプロットの存在を知っていたのは、誰か? 脅迫者の目的は何か? 犯人探しがメインで、サブとして物語の骨格を借りることと盗用との違い、同業者に対する妬みやライバル意識など、職業作家の頭の中がリアルに描かれている。犯人探しミステリーとしては、それほど捻りがある作品ではないが、起承転結のメリハリが効いていて読みやすい。
大人の緑陰図書として、ミステリーファンならどなたにもオススメできる良作である。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.2:
(4pt)

“作り話書き”たちの悪夢

内容紹介を見て、90年代に内外で話題になり映画化もされたスコット・スミス『シンプル・プラン』に代表される“棚ぼた&ネコババもの”の系譜だと思った。
どん詰まりの主人公、目の前の当たり籤、フトコロすれば莫大な利得、バレる可能性は限りなく低い、バレない条件は揃ってる、やりおおせる自信はある、さぁどうする?ええい貰っちまえ!・・めでたく栄耀栄華まっしぐら・・と思いきや、ほぼ例外なく、この手の主人公がしくじっていくきっかけは“女房”である。女房に事情を打ち明ける、打ち明けなくても知られる、こうなるとなぜか女房のほうが目端がきいて、旦那及び妻たる自分の幸運を固めるべく積極的に口を出し手を出す。そこから面白いように主人公の計算が狂っていく。
本作の主人公=行き詰った“昔の有望新人作家”ジェイクは冒頭では独身だが、死んだ教え子の残したプロットを盗用して売れっ子になってすぐ、運命の女性に出会い両想いになりすいすい結婚に至るので、読者としては「ハハン」と思うわけだが、さてお決まりの轍を踏んで行くところまでいくかどうか?はお楽しみだ。
“棚ボタ”のボタ餅に当たるものが小説のオリジナルなプロットということで、“小説=作り話を着想して物語に仕立てる”という生業にひそむ陥穽が引っ張る、なかなかの捻りのきいたサスペンスである。
難点はふたつ。一つは主人公をはじめ登場人物が、脇やちょい役に至るまで軒並み食えない奴、もしくは小生意気でいけ好かない人間ばかりな事。せめてたとえばくだんのプロットの考案者エヴァンが、読者から見て“生かしておいてあげたかった”と少しだけ思える人物像に描かれていたら読後感も違ったと思う。
二つめは本文の中に劇中劇的に挿入される、プロット盗用でジェイクがものした小説が(だんだん全貌が見えてくるプロット自体も含めて)どうにも貧乏くさくてチンケな事。日本で言えば『相棒』の週跨ぎ前後編程度の話なのだ。これで全米ベストセラーになるってのはリアルでないと思うのだが・・
この二点に目をつぶれば結構イケる作品である。
盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019894
No.1:
(4pt)

魅力あるプロットとアクチュアルなディティール

ここ一週間ベースボールに翻弄されて(笑)、読書が疎かになっていました。申し訳ありません。
 「盗作小説 "The Plot"」(ジーン・ハンフ・コレリッツ ハヤカワ・ミステリ)を読み終えました。
 処女作で注目された作家・ジェイコブは、重圧に負け新作を書けずにいます。リプリー大学(「太陽がいっぱい」のキャンパスを想像しながら(笑))の小説講座を受け持つことで何とか生活をしていましたが、或る時受講生のエヴァンが語った小説の<プロット>に囚われてしまいます。
 三年後エヴァンが急逝していたことを知り、ジェイコブはそのプロットを利用しながら「クリブ」と名付けられたベストセラー小説を書き上げ、再び文壇を駆けあがっていきます。そしてその絶頂にある時、彼の下に「おまえは盗人だ。それはおたがいに知っている」と書かれたメールが届くことになります。脅迫者は何故そのプロットの存在を知っているのか?脅迫者は誰なのか?プロットと名付けられた小説のプロットを書いていいものなのかどうか?(笑)いずれにしても私が書いていいのはここまでだと思います。
 美点は数多くあります。時折インサートされる「クリブ」のストーリーが魅力的なこと。米国の小説らしいアクチュアルなディティールに満ちていること。コツコツと積み上げた伏線が最終・第四部へと引き継がれ、決して度肝を抜かれるような展開ではないものの、スリラーの一読者にとっては充分にカタルシスを得ることができることでしょう。

 「森の木が倒れても、あたりに誰もいなければ音はしないというわけですね」アナは言った。(p.117)
 こんな我が国の村上春樹さんが書きそうなフレーズもとても素敵でした。
盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019894



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