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盗作小説



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【この小説が収録されている参考書籍】
盗作小説 (ハヤカワ・ミステリ)

盗作小説の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

見えない脅迫者に追い詰められる心理サスペンス

2021年のNYT紙「注目の一冊」に選出された長編ミステリー。落ち目の作家が他人のプロットを使ってベストセラーを書き、再び栄光を得たのだが、「おまえは盗人だ」という脅迫が届き追い詰められていく心理サスペンスである。
デビュー作が評論家から高く評価されたジェイコブだったが2作目以降は鳴かず飛ばずですっかり落ちぶれ、地方大学の短期創作講座の臨時講師などで食いつないでいた。箸にも棒にもかからない受講生たちにうんざりする日々の中でも態度が傲慢なエヴァンは最悪だった。だが、ある日、個人面談でエヴァンが語ったプロットは最高で、素晴らしい小説になると予感した。それから3年、ふとしたことからエヴァンが死んだことを知り、しかもエヴァンが語ったプロットが作品になっていないことを確信したジェイコブは、そのプロットを小説に仕上げることにした。作品「クリブ」は大ヒットし、ジェイコブは再び脚光を浴びたのだが、一通のメールから地獄の日々に引き摺り込まれることになった…。
死んだエヴァンの頭の中にしかなかったはずのプロットの存在を知っていたのは、誰か? 脅迫者の目的は何か? 犯人探しがメインで、サブとして物語の骨格を借りることと盗用との違い、同業者に対する妬みやライバル意識など、職業作家の頭の中がリアルに描かれている。犯人探しミステリーとしては、それほど捻りがある作品ではないが、起承転結のメリハリが効いていて読みやすい。
大人の緑陰図書として、ミステリーファンならどなたにもオススメできる良作である。

iisan
927253Y1

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