鹿狩りの季節



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初公開日(参考)2023年01月
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長編小説

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鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)

2023年01月06日 鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)

1985年11月、ネブラスカ州ガンスラム。鹿狩りの季節を迎えた田舎町で、女子高生ペギーが失踪した。当初は家出と見られたが、弟マイロは不審に思い、周囲に聞き込みをする。やがてペギーに好意を抱いていた知的障害のある青年ハルが鹿狩りの帰りに血が付いたトラックに乗っていたことから疑惑の目を向けられる。ハルの無実を信じて事件を調べる保護者代わりの中年夫婦、姉の行方を追うマイロ、何かを隠している町の人々とハル……様々な思惑の果てに浮かぶ真実とは? アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

鹿狩りの季節の総合評価:8.50/10点レビュー 4件。Bランク


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(8pt)

窒息するほど濃密な人間関係が支配するネブラスカの田舎町で

2022年のエドガー賞最優秀新人賞に輝いた作品。1985年11月、冬を迎えるネブラスカ州の田舎町で起きた女子高校生失踪事件が巻き起こした町の人々の動揺、疑心暗鬼、摩擦や衝突、許しや受容をシビアに描いたヒューマン・サスペンスである。
美人で成績優秀なチアリーダーとして人気の女子高生・ペギーが失踪した。田舎町から出たいと常々語っていたペギーは家出したのか、あるいは事件に巻き込まれたのか? 憶測と噂が駆け巡る町では、ペギーに片想いしていた知的障害の青年・ハルに疑惑の目が集まって来た。頼りにならない実母に代わってハルの保護者となっていた農場主のクライルとアルマ夫妻は、必要な自己弁護ができないハルの代弁者として無実を証明しようと奮闘する。一方、ペギーの弟・マイロも大好きな姉を見つけるために、町の人々の言動に細心の注意を払い、不可解な姉の行動の記憶を思い出していた。お互いが全てを知り尽くしているような濃密な人間関係が支配する田舎町で起きた事件は、人々が隠してきた秘密を明らかにし、否応なく新たな日々へ人々を導くのだった。
女子高生が失踪し、周りの偏見から被差別状態に置かれていた青年が犯人視されるという、珍しくないパターンの作品だが、登場人物の関係性、個性、それぞれの悩みや秘密、葛藤がリアリティ豊かに描かれており、最後まで目が話せないサスペンスフルなヒューマン・ドラマを楽しめる。読者はきっとクライル、アルマ、ハルの誰かに感情移入し、ハラハラドキドキしながら結末を迎えることだろう。
謎解きより人間ドラマに惹かれる人にオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(5pt)

本の装丁がユニーク

内容についてはまだ読み終えていないのでコメントしませんが、本の装丁がユニークです。使われている紙が黄色で、透明なビニールカバーがついていました。特に透明なビニールカバーは、持ち歩いても汚れがつかず綺麗な状態を保つことができて良いと思います。
鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019878
No.2:
(5pt)

しっとりとした味わいの佳作

ミステリ色は強くないものの、人々の心の機微のよいところも悪いところも描いて、とてもしっとりとしたよい作品。
鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019878
No.1:
(3pt)

アルマが体現する「病」

「鹿狩りの季節 "Deer Season"」(エリン・フラナガン 早川書房)を読み終えました。
 ネブラスカ州。田舎町、ガンスラム。1985年11月。吹雪の週末、十六歳のペギー・アハーンが自宅からいなくなります。失踪?誘拐?事故?或いはそんなことをしでかす年頃なのか?鹿狩りに出かけ、血の付いたトラックで帰宅した知的障害のある青年・ハル。小さく閉鎖的な町の人たちはペギーにふられたハルにその疑いを向け始めます。
 物語は主に三つの視点から語られていきます。ハルが働く農場を営む夫婦、クライルとアルマの視点。彼らは或る意味生まれることのなかった子供の代わりにハルを雇い、見守り続けています。そこに、ペギーの十二歳の弟・マイロの視点が加わります。町の皆がお互いを知り尽くしている小さな町で起きた事件は、それぞれの家族、多くの住人の疑心暗鬼を呼び起こし、重苦しい記述の中で進行していきます。
 ミステリ的興趣は薄いと感じました。どちらかと言うときめ細かな普通小説を読んでいるようで、特にハルの保護者でもあるアルマのダイアローグが、シカゴから都落ちした?こと、子供を産まなかったことへの劣等感に苛まれながら綴られていきますので、私にとっては苦しい読書が続いたと述べておきたいと思います。しかしながら、類型的に思える知的障害者・ハルの描写に比べて、そのリアリティ溢れるアルマの中にこそ現代を生きる女性たちが抱えるであろう「病」を感じさせてくれることにもなりました。
 繰り返しアルマは、「男たち」をくさします。「すべての問題の原因は男にある、と彼女は信じていた」 (p.115)とすら言わせてます。しかしながら、私もまたすべての男たち同様どうしようもない愚かさを内包しているが故にあまりにも繰り返しそう言われてばかりいると少し読むのが躊躇われるようなそんな瞬間もあったと思います。でも、アルマの夫・クライルのことを忘れてはいけなかった。クライルのような男だけが、深い「病」からの回復を導き手助けしてくれるのかもしれません。
鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:鹿狩りの季節 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019878



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