ブルーバード、ブルーバード



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初公開日(参考)2018年12月
分類

長編小説

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ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)

2018年12月05日 ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)

テキサス州のハイウェイ沿いの田舎町で、ふたつの死体があいついで発見された。都会から訪れていた黒人男性弁護士と、地元の白人女性の遺体だ。停職処分中の黒人テキサス・レンジャー、ダレンは、FBIに所属する友人から、事件の周辺を探ってほしいと頼まれて現地に赴くが──。愛と憎悪、正義の在り方を卓越した力量で描き切り、現代アメリカの暗部をえぐる傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会スティール・ダガー賞、アンソニー賞最優秀長篇賞の三冠受賞作! 解説/吉野仁(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

ブルーバード、ブルーバードの総合評価:8.63/10点レビュー 8件。Aランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

テキサスレンジャー、格好いい!

アメリカでは人種問題がまだまだ議論の最中なのでしょう。
日本にいると、こういう問題について全く考えずに暮らせてしまう・・・私の身近では。

独特の語り口と進展で全てが目新しかったです、たまにはこういうのもいいですね。
アッティカ・ロック氏、これからの小説が楽しみです。

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ヘイトに立ち向かう正義とは何かを問う、苦さが残る傑作

2018年のMWAとアンソニー賞の最優秀長編賞、CWAのスティール・ダガー賞という、ミステリー三冠を獲得した話題作。テキサス州東部の田舎町を舞台に人種差別犯罪に立ち向かう黒人テキサス・レンジャーの苦闘を描いた、臨場感あふれる傑作ミステリーである。
黒人ながらテキサス・レンジャーとして働いていたダレンは、知人の黒人がヘイト犯罪に巻き込まれるのを止めようとしたことが原因で停職処分を受けていたのだが、友人であるFBI捜査官グレッグに事件調査を頼まれた。事件は、人口わずか178人の田舎町のバイユーで6日の間に、シカゴから来た35歳の黒人の男性弁護士と地元の若い白人女性の死体が相次いで発見されたというものだった。人種差別が色濃く残っている町で、当然のことながらダレンは保安官をはじめとする白人たちから歓迎されないばかりか、地元の黒人たちからもよそ者として扱われ、たった一人で難しい捜査に挑むことになった。
人々の尊敬を集めるテキサス・レンジャーでありながら、黒人ということで直面せざるを得なくなる困難、偏狭な田舎町の濃密な人間関係が作り出すさまざまな軋轢、アメリカの恥部とも言うべき人種差別犯罪の卑劣な実態など、事件を取り巻く背景が実にリアルに丁寧に描かれている。さらに、事件自体の構造も単純にヘイトクライムとだけは言えない複雑さを含んでおり、非常に読み応えがある。
警察ミステリーファンだけでなく、幅広くミステリーファンにオススメしたい傑作だ。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.6:
(4pt)

ずしりと重いやるせない感情が沸き上がる

テキサスの田舎町で2件の殺人事件が発生する。1件目はテキサス外からやってきた黒人の男性弁護士のマイケル。2件目は地元の酒場でウェイトレスをしている白人女性のミシー。白人至上主義の犯罪組織のABTが集う酒場に関わった人が事件に巻き込まれている。事件の調査をしているのはテキサス・レンジャーのダレン。ダレンも黒人であり、家族とは問題を抱えている。マイケルがなぜ殺害されたのか。ABTが何らかの理由で殺したのか。白人のミシーが殺された理由は? 人種問題にからんだ事件かどうかさえ確信はないままダレンは捜査をする。終盤になると犯人はこの人くらいしかいない感じになるので、謎解きとしては深くはない。ただし、物語の背後に隠れている人の生き方などのドラマを読むべきなのだろう。
ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)Amazon書評・レビュー:ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)より
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No.5:
(4pt)

ヘイトクライムへの挑戦的な作品

アフリカ系アメリカ人への差別を扱った小説で、日本人には簡単に評価できない問題を扱っています。90年代に起こったジャスパーの事件にも物語内で触れています(主人公がレンジャーを志したきっかけとして)。ミステリーとしての側面よりもこの小説が重要なのはジャスパーの事件やKKKの様な思想、そしてアメリカいまだある差別、そして現在も続く悲劇だと思います。この小説がこれら問題のすべてを語っているとは思いませんが、数々の賞を受賞していることから一定の真実であるともいえます。日本にも多くの差別、ヘイトクライムがあることがあえて見逃されている状態を考えるとアメリカ自身の作家からエンタメ作品としてこのような小説がリリースされ、評価されることは米国の良心であり、日本のメディアの未熟さを体現しているのかもしれません。
ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)Amazon書評・レビュー:ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)より
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No.4:
(5pt)

今もアメリカで起きていること

軽い気持ちで読み始めたが、実に重い作品だった。黒人で名家の出身であるダレン・マシューズは
テキサス・レンジャーの肩書を持つが、黒人男性と若い白人女性の殺害事件を捜査するにあたって
テキサスの根深い人種差別的な風土に絡めとられてゆく。

ブルースを生んだ土壌を初めて実感させられた物語で、マイルス・デイビスがかつてブルースを愛したエリック・クラプトンに対し「白人のクラプトンにブルースがわかるわけがない!」と言ったのもむべなるかな、と思わされた。
フォークナーの世界が今でも引き継がれているのになかば唖然とするが、おそらくこれがアメリカの実態なのだろう。

あとがきには「憎しみではなく、深い愛に基づく事件」と書かれているが、
幾重にも重なった過去の因縁が解きほぐされるラストには驚いた。
今後のダレン・マシューズはどのように生きてゆくのか、本を閉じても気にかかってしかたがなかった。
ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)Amazon書評・レビュー:ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)より
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No.3:
(4pt)

もったりと重いミステリー。

東テキサスの田舎町ラークで、北部からきた黒人男性と地元の白人女性が相次いで死体となって発見されるところから始まるミステリー。粘っこい気候、排他的で人種差別的な土地柄の叙述が重苦しいが、緊迫感を持続させつつ逆転劇もありどんどん読み進めることになる。
 「変化はホワイトハウスから徐々に浸透してくるはずだと、ダレンは信じたかった。ところが実際には、その反対のことが現実になった。オバマ後のアメリカを見れば自明だった。」という主人公の思い(著者の思いでもあろう)が苦い。
ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)Amazon書評・レビュー:ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)より
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No.2:
(4pt)

軋むアメリカ社会

上の商品説明にもあるが、テキサスの田舎町で、都会からやってきた黒人弁護士ライトと地元の酒場で働く白人女性ミシ―の死体が相次いで発見される。停職処分中の黒人テキサス・レンジャーのダレンがFBIの友人に頼まれ捜査に乗り出すが…

まず疑問となるのは、殺された順序。白人女性が黒人と関わって殺された場合、差別主義者がその黒人を殺すことは珍しくないが、逆の場合はほぼない。しかも、黒人弁護士は、自身の故郷でもない町になんためにやってきたのか分からない。町全体の雰囲気が黒人に対して差別的であり、ダレン自身が黒人で、しかも最初は身分を隠して町にやってきたため、黒人の信頼も得られずに、捜査に苦慮する。
アメリカ・テキサスの実態を知っているわけではないが、昨今のアメリカから入ってくるニュースから判断する限り、リアリティを感じる部分は多い。

地域の独自性に加え、アメリカの警察制度(保安官とレンジャーの関係など)もあって、戸惑う部分はあるものの、全体に緊張した雰囲気が張り詰め、一気に読むことができた。謎解きという部分だけ見ると、それほどインパクトのあるものではないが、退屈するようなことはない。
また、田舎町の飲食店を地道に営んできたジェニーヴァとジョーの夫婦が深い絆で結ばれていたのに対し、ダレンとその妻リサ、ライトとその妻ランディ、二組の夫婦はそれぞれそれなりの地位を得て理想的に見えるものの夫婦関係に苦慮している姿は、現代社会の病弊を象徴しているのかもしれない。

人種問題、アルコール・ドラッグ、夫婦関係など、アメリカ社会の軋みが全体にわたって響いている作品だ。
ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)Amazon書評・レビュー:ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ 1938)より
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