黒き水のうねり



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    初公開日(参考)2011年02月
    分類

    長編小説

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    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    2011年02月28日 黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    妻の誕生日祝いに用意したナイトクルーズは、女性の悲鳴と銃声で悪夢に転じた。暗い川面から若い女性を救いあげたジェイは、それ以上の関わりを怖れ、彼女を警察署の前に放置して立ち去ってしまう。かつては公民権活動家で、当局の弾圧をも経験した彼にとって公権力とは恐怖そのものでしかなかったのだ。だが射殺死体が発見され、ジェイは否応なく事件の渦中へ…アメリカ社会の影を新人らしからぬ筆力で描くデビュー作。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    黒き水のうねりの総合評価:8.00/10点レビュー 6件。Bランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    アメリカの恥部に切り込む、パワフルなミステリー

    処女作ながら2010年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた長編ミステリー。1980年代、テキサス州で権力犯罪に立ち向かう黒人弁護士の苦悩を描いた、ビターでパワフルな社会派ミステリーである。
    妻の誕生日祝いでナイトクルーズに出かけた黒人弁護士・ジェイ夫妻は河岸からの銃声と女性の悲鳴を聞き、川に落ちた裕福そうな白人女性を助け上げた。女性の首には絞められたような傷跡があったのだが、一切の説明を拒否し頑なに黙っていた。若い時の経験から警察との関わりを避けたいジェイは女性を警察署の前で車から降ろし、そのまま立ち去った。しかし、悲鳴が聞こえた場所から射殺死体が発見され、ジェイは否応なく事件に巻き込まれて行く…。
    公民権運動やブラックパワーの台頭はあるものの冷酷な人種差別が横行する80年代のディープサウス。弁護士とはいえ黒人のジェイが人間としての誇りと圧倒的な白人社会の差別のはざまで苦しみ、葛藤するところが読みどころ。60年代後半から70年代にかけて公民権運動に深く関わり逮捕、投獄された経験を持つジェイの骨身に染み込んだ公権力への恐怖がリアルで心を打つ。当時から40年以上が経過しても、さほど変わったように見えないアメリカの恥部の恐ろしさを突きつけてくる、怒りに満ちた作品である。とはいえ、謎解きミステリーとしての面白さも失われてはおらず、上質なエンタメ作品と言える。
    社会派ミステリーのファンにオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    No.5:
    (4pt)

    公民権運動をめぐる、

    ある意味レイシャル・ノワール。変節し転生したパラレルワールドのマルコムX(あるいはパンサーの残党)のその後のようでもあり、現在も蔓延する、いや、現在だからこそ蔓延が論われるべき人種を巡る腐敗という意味では、邦訳の止まっている「ダーティ・サリー」と比較したくもなるが、終盤は何ともいえず甘い。
    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151791515
    No.4:
    (5pt)

    歯ごたえあり

    人種差別問題や、さらに大きな問題に取り組んだ社会派ミステリであるとともに、
    事件の真相に結構な意外性もある正統派ミステリでもある。
     そのうえ、ラストで意地を見せる主人公の姿にはハードボイルドミステリ的感動もある。
     著者は舞台になった時代を直接は知らないはずなのに、リアリティも充分。
     新人らしからぬ力量を発揮したと言ってもかまわないだろう。
     ミステリ新人賞の候補になったのもうなずける。

    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151791515
    No.3:
    (5pt)

    歯ごたえあり

    人種差別問題や、さらに大きな問題に取り組んだ社会派ミステリであるとともに、
    事件の真相に結構な意外性もある正統派ミステリでもある。
     そのうえ、ラストで意地を見せる主人公の姿にはハードボイルドミステリ的感動もある。
     著者は舞台になった時代を直接は知らないはずなのに、リアリティも充分。
     新人らしからぬ力量を発揮したと言ってもかまわないだろう。
     ミステリ新人賞の候補になったのもうなずける。
    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151791515
    No.2:
    (3pt)

    人種差別の歴史にとらわれた黒人弁護士が偶然遭遇した事件の深みにはまる

    映画とTVの世界でシナリオライターとして活動をしてきた、本書の舞台であるテキサス州ヒューストン生まれでLA在住のアフリカ系アメリカ人女性、アッティカ・ロックの小説デビュー大作。惜しくも受賞は逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’10年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にノミネートされた(受賞したのはステファニー・ピントフの『邪悪』)。

    1981年ヒューストン。ジェイ・ポーターは、妊娠9ヶ月の妻を持つ、経営の苦しい個人事務所を営むアフリカ系アメリカ人の弁護士。8月1日、妻の誕生日の記念に乗船した、名ばかりでみすぼらしい“ムーンライトクルーズ”で事件に遭遇する。女性の悲鳴と銃声。川に飛び込んで女性を救ったジェイは、それ以上の関りを避けて彼女を警察署の前で下して去る。ところが後日の新聞記事で当日男が射殺されていたことを知り、彼は底なしの深みにはまってゆくのだった・・・。謎の男につけられ、多額の口止め料を差し出される。やがて、事件は当地の一大石油コングロマリットが政府と絡み、隠蔽をはかるというとりわけジェイのような人種には手に余る巨大なものであることが明らかになってゆく。

    ジェイの胸に呼び起こされるのは、10年前、自らが暴動の先導者とでっち上げられ、逮捕され、有罪の瀬戸際まで追い詰められた経験にもとづく、人種差別という大きな問題だった。白人の暴行で父を、生まれる前に亡くした昔ほどではないが、当時も10年前もアフリカ系アメリカ人にとっては始終怯えなければならない苦難の生活を余儀なくされていたのだ。

    ラストは事件の壁に“愚直”にも果敢に挑むジェイの姿で終わるが、本書は一貫して三人称現在形の乾いたハードな文体で臨場感豊かに、全編にわたって歴史に根ざしたこの人種差別というアメリカ国家が抱え続ける“暗部”を語った問題作である。

    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151791515
    No.1:
    (3pt)

    人種差別の歴史にとらわれた黒人弁護士が偶然遭遇した事件の深みにはまる

    映画とTVの世界でシナリオライターとして活動をしてきた、本書の舞台であるテキサス州ヒューストン生まれでLA在住のアフリカ系アメリカ人女性、アッティカ・ロックの小説デビュー大作。惜しくも受賞は逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’10年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にノミネートされた(受賞したのはステファニー・ピントフの『邪悪』)。

    1981年ヒューストン。ジェイ・ポーターは、妊娠9ヶ月の妻を持つ、経営の苦しい個人事務所を営むアフリカ系アメリカ人の弁護士。8月1日、妻の誕生日の記念に乗船した、名ばかりでみすぼらしい“ムーンライトクルーズ”で事件に遭遇する。女性の悲鳴と銃声。川に飛び込んで女性を救ったジェイは、それ以上の関りを避けて彼女を警察署の前で下して去る。ところが後日の新聞記事で当日男が射殺されていたことを知り、彼は底なしの深みにはまってゆくのだった・・・。謎の男につけられ、多額の口止め料を差し出される。やがて、事件は当地の一大石油コングロマリットが政府と絡み、隠蔽をはかるというとりわけジェイのような人種には手に余る巨大なものであることが明らかになってゆく。

    ジェイの胸に呼び起こされるのは、10年前、自らが暴動の先導者とでっち上げられ、逮捕され、有罪の瀬戸際まで追い詰められた経験にもとづく、人種差別という大きな問題だった。白人の暴行で父を、生まれる前に亡くした昔ほどではないが、当時も10年前もアフリカ系アメリカ人にとっては始終怯えなければならない苦難の生活を余儀なくされていたのだ。

    ラストは事件の壁に“愚直”にも果敢に挑むジェイの姿で終わるが、本書は一貫して三人称現在形の乾いたハードな文体で臨場感豊かに、全編にわたって歴史に根ざしたこの人種差別というアメリカ国家が抱え続ける“暗部”を語った問題作である。
    黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:黒き水のうねり (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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