黒き水のうねり
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
処女作ながら2010年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた長編ミステリー。1980年代、テキサス州で権力犯罪に立ち向かう黒人弁護士の苦悩を描いた、ビターでパワフルな社会派ミステリーである。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ある意味レイシャル・ノワール。変節し転生したパラレルワールドのマルコムX(あるいはパンサーの残党)のその後のようでもあり、現在も蔓延する、いや、現在だからこそ蔓延が論われるべき人種を巡る腐敗という意味では、邦訳の止まっている「ダーティ・サリー」と比較したくもなるが、終盤は何ともいえず甘い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人種差別問題や、さらに大きな問題に取り組んだ社会派ミステリであるとともに、 事件の真相に結構な意外性もある正統派ミステリでもある。 そのうえ、ラストで意地を見せる主人公の姿にはハードボイルドミステリ的感動もある。 著者は舞台になった時代を直接は知らないはずなのに、リアリティも充分。 新人らしからぬ力量を発揮したと言ってもかまわないだろう。 ミステリ新人賞の候補になったのもうなずける。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人種差別問題や、さらに大きな問題に取り組んだ社会派ミステリであるとともに、 事件の真相に結構な意外性もある正統派ミステリでもある。 そのうえ、ラストで意地を見せる主人公の姿にはハードボイルドミステリ的感動もある。 著者は舞台になった時代を直接は知らないはずなのに、リアリティも充分。 新人らしからぬ力量を発揮したと言ってもかまわないだろう。 ミステリ新人賞の候補になったのもうなずける。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画とTVの世界でシナリオライターとして活動をしてきた、本書の舞台であるテキサス州ヒューストン生まれでLA在住のアフリカ系アメリカ人女性、アッティカ・ロックの小説デビュー大作。惜しくも受賞は逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’10年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にノミネートされた(受賞したのはステファニー・ピントフの『邪悪』)。 1981年ヒューストン。ジェイ・ポーターは、妊娠9ヶ月の妻を持つ、経営の苦しい個人事務所を営むアフリカ系アメリカ人の弁護士。8月1日、妻の誕生日の記念に乗船した、名ばかりでみすぼらしい“ムーンライトクルーズ”で事件に遭遇する。女性の悲鳴と銃声。川に飛び込んで女性を救ったジェイは、それ以上の関りを避けて彼女を警察署の前で下して去る。ところが後日の新聞記事で当日男が射殺されていたことを知り、彼は底なしの深みにはまってゆくのだった・・・。謎の男につけられ、多額の口止め料を差し出される。やがて、事件は当地の一大石油コングロマリットが政府と絡み、隠蔽をはかるというとりわけジェイのような人種には手に余る巨大なものであることが明らかになってゆく。 ジェイの胸に呼び起こされるのは、10年前、自らが暴動の先導者とでっち上げられ、逮捕され、有罪の瀬戸際まで追い詰められた経験にもとづく、人種差別という大きな問題だった。白人の暴行で父を、生まれる前に亡くした昔ほどではないが、当時も10年前もアフリカ系アメリカ人にとっては始終怯えなければならない苦難の生活を余儀なくされていたのだ。 ラストは事件の壁に“愚直”にも果敢に挑むジェイの姿で終わるが、本書は一貫して三人称現在形の乾いたハードな文体で臨場感豊かに、全編にわたって歴史に根ざしたこの人種差別というアメリカ国家が抱え続ける“暗部”を語った問題作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画とTVの世界でシナリオライターとして活動をしてきた、本書の舞台であるテキサス州ヒューストン生まれでLA在住のアフリカ系アメリカ人女性、アッティカ・ロックの小説デビュー大作。惜しくも受賞は逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’10年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にノミネートされた(受賞したのはステファニー・ピントフの『邪悪』)。 1981年ヒューストン。ジェイ・ポーターは、妊娠9ヶ月の妻を持つ、経営の苦しい個人事務所を営むアフリカ系アメリカ人の弁護士。8月1日、妻の誕生日の記念に乗船した、名ばかりでみすぼらしい“ムーンライトクルーズ”で事件に遭遇する。女性の悲鳴と銃声。川に飛び込んで女性を救ったジェイは、それ以上の関りを避けて彼女を警察署の前で下して去る。ところが後日の新聞記事で当日男が射殺されていたことを知り、彼は底なしの深みにはまってゆくのだった・・・。謎の男につけられ、多額の口止め料を差し出される。やがて、事件は当地の一大石油コングロマリットが政府と絡み、隠蔽をはかるというとりわけジェイのような人種には手に余る巨大なものであることが明らかになってゆく。 ジェイの胸に呼び起こされるのは、10年前、自らが暴動の先導者とでっち上げられ、逮捕され、有罪の瀬戸際まで追い詰められた経験にもとづく、人種差別という大きな問題だった。白人の暴行で父を、生まれる前に亡くした昔ほどではないが、当時も10年前もアフリカ系アメリカ人にとっては始終怯えなければならない苦難の生活を余儀なくされていたのだ。 ラストは事件の壁に“愚直”にも果敢に挑むジェイの姿で終わるが、本書は一貫して三人称現在形の乾いたハードな文体で臨場感豊かに、全編にわたって歴史に根ざしたこの人種差別というアメリカ国家が抱え続ける“暗部”を語った問題作である。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 5件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|