黒き水のうねり
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
黒き水のうねりの評価:
8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
黒き水のうねりの総合評価:
8.00/10点 レビュー 4件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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1981年ヒューストン。ジェイ・ポーターは、妊娠9ヶ月の妻を持つ、経営の苦しい個人事務所を営むアフリカ系アメリカ人の弁護士。8月1日、妻の誕生日の記念に乗船した、名ばかりでみすぼらしい“ムーンライトクルーズ”で事件に遭遇する。女性の悲鳴と銃声。川に飛び込んで女性を救ったジェイは、それ以上の関りを避けて彼女を警察署の前で下して去る。ところが後日の新聞記事で当日男が射殺されていたことを知り、彼は底なしの深みにはまってゆくのだった・・・。謎の男につけられ、多額の口止め料を差し出される。やがて、事件は当地の一大石油コングロマリットが政府と絡み、隠蔽をはかるというとりわけジェイのような人種には手に余る巨大なものであることが明らかになってゆく。
ジェイの胸に呼び起こされるのは、10年前、自らが暴動の先導者とでっち上げられ、逮捕され、有罪の瀬戸際まで追い詰められた経験にもとづく、人種差別という大きな問題だった。白人の暴行で父を、生まれる前に亡くした昔ほどではないが、当時も10年前もアフリカ系アメリカ人にとっては始終怯えなければならない苦難の生活を余儀なくされていたのだ。
ラストは事件の壁に“愚直”にも果敢に挑むジェイの姿で終わるが、本書は一貫して三人称現在形の乾いたハードな文体で臨場感豊かに、全編にわたって歴史に根ざしたこの人種差別というアメリカ国家が抱え続ける“暗部”を語った問題作である。