(短編集)

ディオゲネス変奏曲



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 2件

7.80pt (10max) / 15件

Amazon平均点

4.29pt ( 5max) / 7件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
3pt
サイト内ランク []A総合:206位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

94.00pt

0.00pt

31.50pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2019年04月
分類

短編集

閲覧回数4,418回
お気に入りにされた回数4
読書済みに登録された回数16

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)

2019年04月03日 ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)

今、新たな潮流として注目を浴びている華文(中国語)ミステリ。その第一人者・陳浩基が持てる才能を遺憾なく発揮したのが、この自選短篇集である。大学生たちが講義室にまぎれこんだ謎の人物「X」の正体を暴くために推理を競い合う本格ミステリ「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補作となった衝撃のサスペンス「藍を見つめる藍」、密室殺人を扱った「作家デビュー殺人事件」、時間を売買できる世界を描いた異色作「時は金なり」など、奇想と仕掛けに満ちた驚愕の17篇を収録。著者デビュー10周年記念作品。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

ディオゲネス変奏曲の総合評価:8.22/10点レビュー 9件。Aランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

あまり面白くなかった

作品に差がある。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ディオゲネス変奏曲の感想

『13・67』の時に感じていましたが短編のクオリティが物凄く高い。またまた贅沢な作品です。
正直な所、表紙とタイトルが凄く難解そうなイメージを与えます。私自身、手に取り読む気持ちがなかなか芽生えませんでした。が、読んでみると大変読みやすくミステリ初心者からオススメできる素晴らしい作品集だと思い改めます。色々な味が楽しめるのでとてもオススメです。

本書は『13・67』のような連作ではなくバラバラの短編集です。本格ミステリはもちろんの事、ホラー、スリラー、SF、世にも奇妙な作品と様々なジャンルが17作品収録されています。ジャンルとしてはバラバラですが、どれもこれも一筋縄ではいかない結末に魅了されます。いやもう、『13・67』が凄かったというより、もともとの作品の作り方からして基本が驚かせて楽しませる作風なんだと感じました。
本書300ページ台なのに17作品なのです。1作品短いもので10ページ台。たったそれだけのページなのに、惹き付けるストーリーを描き、事件等のイベントが発生し、驚愕の真相を与える作品が何作もあります。これは長編で読むような仕掛けでは……と思いつつも贅沢な読書を満喫できるのです。ページ数が少ないのでちょっとの合間に読むだけでも充実した気分になります。

まず最初の『藍を見つめる藍』。40ページ。ネットストーカー・SNS犯罪を扱います。現代的なサスペンスだなと思いつつ読むわけですが、結末を読む頃にはすっかりと本書に魅了され、次の短編も期待に胸を膨らませる事でしょう。掴みはバッチリです。
『見えないX』は推理小説をテーマとした大学の授業。授業に紛れ込んでいるXの正体を暴けという内容でしたが凄く面白い。こんな授業を受けてみたいと思いつつ、本格ミステリを堪能しました。
この『藍を見つめる藍』、『見えないX』は群を抜いたミステリ作品。『作家デビュー殺人事件』『いとしのエリー』『時は金なり』も好み。『習作1~3』と言った練習作品も収録されており、著者のアイディア作りの一端が見れたようで楽しいです。

改めますが、表紙とタイトルから受ける堅物印象とは違い、大変読みやすくバラエティ豊かな作品集です。とてもオススメ。

egut
T4OQ1KM0
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(5pt)

13・67の著者の自薦短編集(全話の後書きあり)

素晴らしい短編集でした。さすが13・67を書いた人だと思う中、少しだけイマイチかなと思った話もあったのですが、全話についての個別後書きで著者の意図を知ってやっぱり凄い人だと唸ってしまいました。著者の考えとサービス精神に触れて、一番の作家になりました。
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019428
No.6:
(5pt)

生きのいい短編がぎっしり

十七篇の作品を収録する。短くて読みやすい。正直言ってすべてが水準以上とは言い難い。
粗削りで不器用な作も散見するが、それにも増して成功した作への感銘が上回る。

「習作」一から三は、プロット作りの練習という意味か。2ページほどのショートショートである。
二がいちばん好きかな。
幻想またはSF風味の作はどれも完成度が高い。気に入ったのは、
『頭頂』頭の上に変な物がいるのに、誰も気づかない。ジャック・ヴァンスを思い出した。
『時は金なり』自分の時間を金で売り買いできる。50年代アメリカSFを思わせるアイデアだ。
小説としての情感や余韻は、本編のほうが上だ。
『霊視』ホームレスの爺さんは、死霊が見えるという。唖然とするようなひどいオチだ。大好き。
『カーラ星第九号事件』探索船爆発の謎を扱ったSF本格ミステリ。捻りの効いた佳作だ。
『悪魔団殺(怪)人事件』悪の組織内部でジャガイモ怪人が殺された。犯人はタマネギ怪人かナマコ怪人か。
悪趣味で笑える特撮ヒーローパロディ。本家日本でなぜ誰も思いつかなかったのか。香港人作家に先を越されたな。

『作家デビュー殺人事件』古典的機械トリックが懐かしい。
苦い結末も含めて、レトロな本格推理へのレクイエムという感じ。
作者はとにかく、プロットを捻りまくる。「その真相には、まだ裏がある」というやつだ。
『いとしのエリー』『姉妹』は捻りが成功して洒落たショート・ミステリになっている。
『藍を見つめる藍』は成功とは言えない。真相の意外さに感心するというより、首を傾げたくなる。
末尾に置かれた『見えないX』は、殺人は出てこない。
選択科目の教室に集まった七人の学生は、「この場に私の助手がいるから、当ててみたまえ」という課題に挑む。
純粋な論理小説の傑作だ。出来ばえは本作が一番だろう。

生きのいい作家だ。新刊が出たら買うので、どんどん出してほしい。
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019428
No.5:
(4pt)

普遍的な盛りだくさん

盛りだくさん、具だくさんなミステリ・SF・ショートショートの福袋。
「元年春之祭」のような純中華テイストはなく、舞台は香港でも日本でもアメリカでも通用しそうな普遍的な設定とプロット。ゆえに、全世界的に受容されやすいのではないか。訳文も大変に読みやすい。
個人的には、ミステリ色の強い長めの短編に魅かれるが、著者は純粋謎解きを志向していないようで、すこし残念。
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019428
No.4:
(3pt)

玉石混交な世にも奇妙な物語

まさに玉石混交。
これいる?というような話も多い。
話の雰囲気は世にも奇妙な物語みたいな感じと言えば分かりやすいか。
長い話の方がしっかりミステリしてて面白いものが多い。
個人的には「藍を見つめる藍」と「見えないX」が良かった。
「見えないX」はミステリ慣れしてる人ならすぐXが分かってしまうかもしれないが、それでも話の展開がうまく面白い。

1367などのような良質なミステリを期待して読む本ではないが、ちょっとひねりの聞いたショートショートや中編をサクッと読みたい方にはいいと思う。
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019428
No.3:
(4pt)

緩急自在の華流技巧派作家

短編だけに起承転結、序破急が見事なラインアップです。正統派SFショートショートは星新一、ナンセンス・ハチャハチャSFは横田順彌、(先人のおっしゃるように)ほろりと泣かせるラストはO・ヘンリー、密室トリックと論理的正統派推理は島田荘司、近未来というかもうすでに完成してしまっている監視社会はジョージ・オーウェルなどなどほぼ同世代の小説読みとしての深い含蓄を感じずにはいられません。

もちろんほんとうの「習作」が3本も入っているのはご愛敬ですし、この程度の着想メモから膨らませて完成品に仕上げる過程を公開してもらって得した気分も味わえます。しかも本読みには嬉しいことに、ハヤカワ・ポケットミステリーでの出版です。ポケミスの黄色いページ、2段組みの活字、少し曲げることで手になじみ読む速度があがるソフト表紙でなぜか内容も3割増しの面白さになることで、単行本や文庫よりもさらに濃く味わえました。ぜひ次回作もポケミスでお願いします。
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)より
4150019428



その他、Amazon書評・レビューが 7件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク