(短編集)
法水麟太郎全短篇
- 名探偵 (559)
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小説に実用的な見返りを何も期待しない方のみにお薦め。そうでない方は読後時間を返せと言うにちがいない。 また『潜航艇「鷹の城」』に長編「黒死館殺人事件」のネタばれ箇所があるので、未読の方にもお薦めしない。 異端の探偵小説家「小栗虫太郎」による名探偵「法水麟太郎」の短編集。 人智常識を超えた怪事件に、怪しげな似非科学や知識を振りかざし挑む”トンデモ”さに溢れた珍品の数々。 「博覧強記の名探偵」ならぬ「博覧狂気の迷探偵」が大活躍し、読者は読み進むごとに頭を抱えることになる。 どの作品も小説以前の感が強い。作者は各場面において、鮮烈な映像を頭に描いているのだろうが、作者の筆力も読者の理解も追いつかず再現することができない。また短編にしては要素を詰め込み過ぎて消化不良を起こしている。さらに通常の推理小説から得られる謎の解決に伴うカタルシスは皆無であり、登場人物たちは実在性に乏しい。(薄っぺらい人物描写だし、あんな言葉遣いの人間はいない) しかし以上はある意味褒め言葉。私はこんな欠陥だらけで癖のある特異な作品世界に強く惹かれてしまう。 解説では横溝正史との深いかかわりに触れられている。作者の代役として弔いの想いとともに執筆した「蝶々殺人事件」をはじめ同時期の「本陣殺人事件」「獄門島」に作者を彷彿とさせる機械的なトリックや映像的な場面が出てくるのは、執筆なかばで急拙した小栗への横溝からのオマージュのような気がしてならない。 | ||||
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各方面の知識がないとここまで多彩な推理小説は書けないですよね。黒死館に比べると色あせてしまう感じはありますが(法水の個性が、あまり出てこない)、どの作品もトリックが卓抜していてとても一筋縄ではいきません。化学の知識だけではなく、ロシア正教会、ジークフリート、海賊船、仏教、外国語、病理などの様々な知識がないと、なかなか読み解けないと思いますが、そういう衒学的なものが好きな人には本当に楽しめる一冊です。でも最初の方の作品は日本語が難しいので、ちょっと難航するかもしれません。後半の作品はすらすら読めました。 | ||||
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小栗の法水物を時代順に並べた短編集。どの話も舞台設定が非日常でおどろおどろしく、その世界に浸らせてくれる。ほとんど口から出まかせであろうペダントもこの世界観を作るのに不可欠なもの。 未読の人に、どんな話?と問われるのと答えるのが非常に難しい。まずは一読を。法水物は短編でも十分雰囲気に没入できます。 | ||||
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過去の名作がやっと読めました。大変うれしいです。 | ||||
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【収録作品】 後光殺人事件 聖アレキセイ寺院の惨劇 夢殿殺人事件 失楽園殺人事件 オフェリヤ殺し 潜航艇「鷹の城」 人魚謎お岩殺し 長編『黒死館殺人事件』と『二十世紀鉄仮面』を除く法水麟太郎探偵譚を集成。 只ならぬ奇想、畏怖すべき衒学と独特のロマンティシズムに彩られた正真正銘ワン・アンド・オンリーの文学世界。 S・S・ヴァン・ダインの作品に範を取りながらも結末を迎え、読者が覚えるのは論理による謎解きの明快な魅力では無く、強烈な芳香を放つ酒をしたたか浴びたような酩酊感なのだ。 「後光殺人事件」に代表される複雑かつ異様な理化学トリックは現代の視点ではその実現性に首を傾げざるを得ないが、そんな小賢しい批評を無力化する強靭さを今も小栗虫太郎の作品は失っていないばかりか、味気ない行き詰まった日常こそ虚構だと嘯いているかのようであり、その魅力は増すばかりだ。大伽藍の如き大作『黒死館』に挑む前の予行練習としてもお勧めしたい。 | ||||
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