名も知らぬ夫



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    初公開日(参考)2019年04月
    分類

    長編小説

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    名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)

    2019年04月11日 名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)

    婚期を過ぎて母とつましく暮らす市子のもとに、二十五年前に音信を絶った徒兄の圭吉が訪ねて来た。市子に昔の記憶はないが、目の前の中年男は優しく魅力的だった。ほどなく二人は一つ屋根の下で暮らし、結ばれるが、日を追って男の正体が明らかに―。巧みなプロットで読む者を引き込む表題作など、女性ならではの繊細な心理描写が光るサスペンス推理八編を収録!(「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (4pt)

    私は人間である以前に女である(全キャラより)

    1959年から64年にかけて書かれた短編八本を収録する。
    昭和再販本は、知ってるけど読んだことが無いという理由で手に取ることが多い。この人は名前も知らなかった。元タカラジェンヌで、晩年は占い師に転職したらしい。

    一読して驚くのは、むせかえるような女臭さだ。戸川昌子のように幻想的に抽象化された女ではなく、現実的で生々しい。仁木悦子の淡白な上品さとは正反対の極みだ。
    とにかく、オンナ・女・おんなが存在感をアピールする。
    登場人物のほとんどが人間である以前に女である、と言ってもいいくらいだ。
    異様であるが不快ではない。ヒット率五割といったところ。
    『ある老婆の死』寝たきり老母の死を願う。60年前からこういう風景があったんだな。
    『悪い峠』これも家族殺人だ。予測不能の恐怖がみなぎる。最高のお気に入り。
    表題作は、子供のころ会ったきりの従兄弟が訪ねてくる。でも、本当に本人だろうか。婚期を逃しかけている主人公の心情が切ない。
    『不安の庭』子供のいない夫婦が、養子をもらうことになった。最初は可愛かったが、成長に伴って扱いづらくなり、妻の苛立ちはつのる。やがて恐ろしい事件が・・。
    個性的な作家で、読む価値はあった。
    名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)より
    4334778348
    No.2:
    (5pt)

    男に惚れた女の弱さ、哀れさが心に沁みてくる短篇推理小説

    短篇推理小説集『名も知らぬ夫』(新章文子著、光文社文庫)に収められている『名も知らぬ女』には、男に惚れた女の弱さ、哀れさが描かれています。

    「何度か縁談に破れ、その都度、自分の器量に対して劣等感を感じ、結婚なんて遠い夢だと諦めていた市子だったけれど、幸運なんていつどこから転がってくるものか判らないとつくづく思うのだ」。

    「『どうなの? おチビさんで、ぱっとしない娘だけどね、純情そのものだしさ、可愛い娘だよ。圭さんだって、白髪のまじりはじめてる年齢じゃないか。年齢恰好としちゃ、四つちがいで丁度いいところだ。そうだろう? 一生安サラリーマンでも、うちはそう困るわけじゃなし、早速に子供が生まれても、のんびりと育ててやれるよ。ま、考えておいておくれ』。襖の外に立って、市子はわくわくする思いで、(母と圭吉のやり取りを)聞いていた。圭吉がぼそっとした声で、ぼくのようなものでよければ、よろしくお願いしますと答えるのを、市子は胸の中にたたみ、そっと襖のそばを離れた」。

    「圭吉を頼もしく思う前に、市子は圭吉をおそれた。しかし圭吉を憎むことは出来なかった。圭吉は大っぴらに市子を抱いた。そして市子はそれにこたえたのだ。市子は圭吉を愛しているのだと思った。圭吉から離れて、市子はどうやって生きてゆけるだろう」。

    「この、眼の前の、疑わしさを一杯ぶら下げた男。郷堂圭吉とは名乗っているけれども、何かその名がぴったりとしない男。これが、市子の愛している夫なのだ」。

    「顎を上げられて、市子は圭吉の顔を見た。妙にグロテスクな、卑屈な笑顔で、圭吉はなおも、昨夜の市子がどんな風だったかを、きわめてみだらに語りつづけた。市子はふいに、総毛立つような厭悪を圭吉に感じた。顎にかけられた圭吉の手をはげしく払いのけた。『あなたは、誰なんです』」。

    背中がぞくぞくする、サスペンスを味わえる一篇です。
    名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)より
    4334778348
    No.1:
    (4pt)

    新章文子の犯罪小説心理サスペンス8編。

    字の大きな文庫本新草文子短編集。犯罪小説心理サスペンス8編である。
    内訳は
    〇年代順に並んでおり、最古が「併殺」で1959年、最新が「不安の庭」で1964年。
    〇殺人ミステリが6編、殺人未遂犯人自滅ミステリが1編、殺人未遂ミステリが1編。
    〇犯人自首が3編、犯人自殺が1編、犯人自滅が1編、秘密は守られた1編、未遂発覚せず1編、完全犯罪1編。警察の活躍はほとんどない。
    〇男性視点は「年下の亭主」だけ。あとはほとんど女性視点。
    〇中心動機は、金が3編、愛と憎しみ1編、乗っ取り1編、不倫清算1編、夫婦の終わり2編。
    〇金については、現在と比較すると面白い。87歳の老婆の金庫の全財産が500万円、終戦間際の不動産購入で稼いだ70近くの女性が防空壕に隠していたのが500万円、40を越えた未亡人資産家の推定遺産が800万以上である。
    私的ベスト3
    〇一、題名の冴える「併殺」、二、猫ミステリーでもある「奥さまは今日も」、三、少女の心情に引き込まれる「少女と血」。
    名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:名も知らぬ夫: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)より
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