生贄の門
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●宝島社「このホラーがすごい!」海外編で2位の作品。読みやすい文体でテンポもよく、一気読み必至のオカルト・ミステリーである。 端緒から雨がBGMのように降り続いている。晴れることのない湿った情景が鬱陶しい雰囲気を醸している。理屈のつかない不思議な事態、即ち、オカルト事件に対し現代の常識で謎を解こうとしても、所詮ムリ。手も足も出ない事への恐怖を感じる。 ホラー小説第2位の割には、それほどホラーを感じなかったので、★3とした。 | ||||
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早速拝読しました。 おどろおどろしい冒頭から、一変、主人公は女刑事、その息子は不治の病い。 せめて子供の為にある村へ引っ越すのですが‥。 全編、取り巻く登場人物の描写が、みずみずしく、異様な村に飛び込み、 その先は読まれてのお楽しみです。 本小説でいえる事は最近の日本のノベルス(全作ではありません、良いのもあります) 暗さが伴い、あまり理屈だけの多いものに比べて、構成が実に上手く、飽きさせない事。 風間賢二さんが解説を描かれていますが、いずれも非現実でありながら、身近にある恐怖を突きつける力は素晴らしいもので、全編に起き、緊張感が漂いますか、しかし、現代らしく、ネット、デジタルが挿入されているのも違和感がありません。 とにかく、この作品にはスティーヴンキングとよく似ていて、決定的に違うのは結末。 モダンホラー、とくにフォークホラーとよぶそうですが、読み応えは非常に良し! この秀作の著者の作品はこれが最初だそうですが、もっと喧伝されないか、と希うはかりです。 人間は希望さえ捨てなけれは、必ず、どんな苦労も厭わない。幸せを捨ててはいけない、 拙文失礼いたしました。 | ||||
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スペイン・ガリシア地方のセイショ(Seixo)山の風力発電気が故障。修理に訪れた作業員はそこにある古代遺跡の門(Puerta)で奇妙な女性遺体を発見する。 一方、マドリードの治安警備隊員だったラケル・コリーナは、9歳の息子フリアンが脳腫瘍で余命幾ばくもないと診断され、藁をおもつかむ思いで、ガリシアのビアスコンにいるメンシニェラ(menciñeira=ヒーラー)に救ってもらおうと、セイショ山に近いビスコンの駐屯地へと職場移転してくる。 しかし、移転前に確かに会ったメンシニェラは、なぜか姿を消していた……。 -------------------- 2020年にスペインで発表されたホラー小説(La Puerta)の邦訳です。 セイショ山の門は実在して、古代ケルト人が何らかの目的で建てたもののようですが、ホラー作家のマネル・ロウレイロが想像の翼を広げて、生贄の門として仕立て上げたのがこのホラー小説というわけです。 翻訳は宮﨑真紀氏。フェリクス・J. パルマ『 時の地図 』と『 宙の地図 』、カルメン・モラ『 花嫁殺し 』、ジョルディ・ヨブレギャット『 ヴェサリウスの秘密 』、ロサ・リーバス &ザビーネ・ホフマン『 偽りの書簡 』といったスペインの小説を実に見事な日本語に移し替えてきてくれた翻訳者です。今回も500頁の長編ですが、とても読みやすく、わずか2日で読了してしまいました。 残忍な殺人事件の真相を追う警察小説の趣を湛えているので、ミステリー小説を味わうような謎解きを楽しめます。息子をなんとか助けたいというシングルマザーのラケル、その相棒である太っちょのフアン・ビラノバ。この魅力的な二人が正義を求めて人里離れた田舎の村を駆け回ります。 ですが、地元住民にしてみればこの二人は都会からの闖入者以外の何者でもありません。ラケルは首都マドリードからの転入者ですし、フアンはバルセロナで勤務していた人間です。田舎には田舎の論理があります。それは国全体の都会化や近代化から取り残された、あるいは都会化や近代化を拒んだ地域ならではの、因習や風習という名の独自の論理です。そんな住民にしてみれば、ラケルとフアンの行動は、よくてお節介、悪くするとはた迷惑としか言いようがないものです。 〈田園地帯での殺人事件〉と〈都会から来訪した捜査担当者〉というこの構図は、日本でいうと横溝正史の金田一耕助シリーズと同じです。長年月の間、揉め事はまるく収めることができていた田舎の論理が、明治以降の中央集権化によって成立しがたくなっていくことから生まれる悲劇といえるでしょう。そんな時代の変容を思わずにはいられません。 車や列車といった交通手段の発達、電話・テレビ・ネット・SNSなどの情報伝達手段の発達によって、田舎の論理はますます肩身が狭くなり、中央政権の論理どころか、今やグローバルスタンダードに準拠しているかどうかが問われる時代です。 事件は思わぬ形で幕を閉じますが、国際基準を求められる時代にセイショ山の門が今後どうなっていくのか、主人公ラケルならずとも、背中と脇の下に冷や汗をかきつつ物思いにふけりながら書を閉じました。 ------------------- 新潮社の書籍にしては珍しく校正漏れがありました。 *352頁:黄泉の国からやってきた死者の一行のことをスペインでは〈聖なる一団(サンタ・コンパーニャ〉と呼ぶが、同じものをドイツでは「〈野生の狩り(ヴィルデ・ヤグ)〉」と呼ぶと記しています。ですがこのドイツ語のカタカナ表記は不完全です。 ドイツ語の「wilde Jagd」の発音は、カタカナ表記すると「ヴィルデ・ヤークト」となります。またこの表現は「野生の狩り」という行為よりは、「野生の狩人たち」という集団を指すものと考えたほうがこの場合はしっくりくると思います。 (ドイツ語版WikipediaのWilde Jagdにはこうあります。Die Wilde Jagd, auch das Wilde Heer oder die Wilde Fahrt genannt, ist die deutsche Bezeichnung für eine in vielen Teilen Europas verbreitete Volkssage, die sich zumeist auf eine Gruppe von übernatürlichen Jägern bezieht, die über den Himmel jagen. /拙訳:ヴィルデ・ヤークト(ヴィルデ・ヘエア、あるいはヴィルデ・ファールトともいう)とは、欧州各地に広く伝わる民間伝承におけるドイツ語の名称であり、通常、天空を横切って狩猟をおこなう超常現象的な狩人の集団を指す。) -------------------- 舞台を片田舎に設定したスペインのミステリ小説をいくつか紹介しておきます。 ◆ハビエル・セルカス『 テラ・アルタの憎悪 』(早川書房) :舞台はカタルーニャ州の田舎町テラ・アルタが。80歳を超える印刷会社経営者が惨殺された事件を刑事メルチョールが捜査していきます。 ◆ドロレス・レドンド『 バサジャウンの影 』(早川書房) :舞台はバスク地方のバスタン渓谷。連続少女殺人事件をナバラ州警察の捜査官アマイア・サラサルが捜査していきます。バスク神話の精霊バサジャウンの仕業ではないかという噂が立つなど、地元伝承の怪異譚と事件がリンクしていきます。 . | ||||
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山奥の限られた地域に伝わる、古代からの信仰宗教。 内容を簡単に訳すと逆パンドラの箱で、開いてしまってる蓋を閉める一種の儀式に主人公ラケルと息子が巻き込まれるストーリー。 多少の心理現象が含まれるが、儀式的にあり得る現象かな(笑) 読み応えのある1冊でした。 | ||||
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①本書には特別のものはなく、現代に生きる伝説とそれを守り抜く者たちの生け贄の因習を描く。古くて新しい犯罪。 ②それを暴く地方警察官の男女の活躍、それは命の危険へと迫り行くことであった。この迫力とスピード感が本書の醍醐味である。大団円が待っている。特別な内容はなくても、ワクワク感とスリルが堪能出来る。映画にしても面白い。 ミステリーとホラーの傑作だ。 | ||||
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