奇妙な絵
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本邦初訳となるアメリカの新進作家の長編ミステリー。オカルト、ホラーかと思わせておいてきちんとミステリーになっている巧妙な構成のページターナーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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Goodreadsという海外の読者レビューサイトで第1位だったので、さっそく読んでみた。ストーリーはホラー(超自然)から徐々にミステリー(推理小説)の要素も加わっていく。(ホラー+推理小説)÷2といった印象。徹頭徹尾、ゴーストストーリーを期待して読むとやや物足りないかもしれない。 | ||||
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舞台は、ニュージャージー州、スプリング・ブルック。 主人公は或る理由をきっかけにアルコールとドラッグに依存するようになり、その回復途上、十八ヶ月のリハビリに努める二十一歳のマロリー・クイン。彼女は12ステップ・プログラムを学び、NAのミーティングにも通いながら、ハイヤーパワーに身を委ね、日々祈りを続けています。(因みに、依存症者は完治することはありません。認め、信じ、委ね、生涯その回復途上を歩み続けます) マロリーはスポンサーのラッセルから新しい環境、新しい仕事を紹介されます。最近、スプリング・ブルックに引っ越してきたばかりの夫婦が五歳の子供のベビーシッターを探しており、マロリーはテッドとキャロラインの夫婦と面談し、彼らの子供・テディのベビーシッターとして働き始めます。マロリーは敷地内にあるコテージで新生活を開始しますが、優しい夫婦と素直なテディのお陰で次第にその家族と打ち解けていきます。しかし、やがてその生活に奇妙な出来事が起こり始めます。子供らしい絵を描いていたテディが、突然不気味な絵を描き始め、その絵には森の中で誰かが死体らしきものを引きずっている姿が描かれていました。 このスリラーはいつもに比べてファイルが大きいと感じていましたが、他愛無い子供が描いた絵がインサートされるようになり、その効果を上げながら、それらが次第にそれなりの意味を伝えるように繰り返されていきます。どおりで。少し遠回しな言い方になってしまいましたが、これ以上この<仕掛け>について語ることができません。 スプリング・ブルックという米国らしい土地の描写(商品名が多発するあたりはスティーヴン・キングの影響も垣間見られます)。過去の出来事に苦しみ、依存症に苛まれたマロリーは、しかしながら最後まで薬物に手を出すことなく、しなやかなキャラクターのまま読者を魅了し続けます。回復への道筋を辿るマロリーに乾杯。 一方、ページ・ターナーとしては申し分ありませんが、私にとってはどうしてもすんなりと受け入れられない要素も含まれています。それは本書の中、テッドとキャロラインのマックスウェル家のわが家のルール・10、「宗教や迷信は持ち込まない。教えるのは科学」に私もまた囚われているからに他なりません。 しかし、そうは言っても私も無駄に歳を重ねてしまったのか、この技巧的なエンディングに不覚にも心を動かされてしまいました。嗚呼、これはずるい。 □「奇妙な絵 “Hidden Pictures”」(ジェイソン・レクーラック 早川書房) 2023/11/24。 | ||||
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