穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート
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トリビュートと聞いてまず思い浮かんだのが、リチャード・マシスン・トリビュートのアンソロジー『ヒー・イズ・レジェンド』で、あちらはマシスンの特定の作品をオマージュした作品が収められていました。 マシスン・ファンとしては嬉しかったのですが、間口がちょっと狭くなっている気もしたのは事実。 一方こちらはシャーリー・ジャクスン・トリビュートということですが、名うての編者エレン・ダトロウが求めたのはジャクスンのエッセンスを自作に取り入れ、穏やかな外観の下の異様なものやダークなものを表現するということだけ。 ということで、例えジャクスン作品を読んでいなくても楽しめる、現代作家の幻想やホラー短編を集めたアンソロジーに仕上がっていました。 以下、いくつか特に気に入った作品を紹介。 『鬼女』ベンジャミン・パーシィ 調査報道記者の女性が浜に上がった遺体の手に見つけた木彫りのカモメのトーテム。それは彼女と娘を幼い日の思い出の島に導くことになり…… 島に隠された因習を巡る物語で、収録作には何が起きているのかはっきりとしない話やモヤモヤする話も多い中で(それが悪いわけではないですが)、かなり骨格のしっかりしたストーリーのホラー短編で良かったです。 『柵の出入り口』ジェフリー・フォード 語り手が子供の頃に住んでいた家の裏手には老夫婦の家があった。夫が亡くなった後で、その老婦人は体を鍛え出してたくましく変貌していき…… 子供時代の回想とちょっと奇妙な人物の話がこう膨らんでいくのかという、さすが幻想小説の名手フォードといった作品でした。 『スキンダーのヴェール』ケリー・リンク 卒論がなかなか進まない中で状況を変えようと、旧友の留守番仕事の代役を頼まれて訪れたヴァーモントの森の辺鄙な家。その留守番には奇妙なルールが設けられていて…… リンクはそもそも奇妙な設定からスタートしている話も多いのですが、これは徐々に不可思議が日常に侵入し、登場人物がそれを緩やかに受け入れていくタイプの話で私好みでした。リンク作品で一番好きかもしれません。 ちなみに、一番ジャクスン・トリビュートっぽさを感じたのは、エリザベス・ハンド『所有者直販物件』でした。 | ||||
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編者の序文には「ジャクスンの影響を受けた物語のアンソロジーを」とあるが「ジャクスンの物語の焼き直しは求めなかった」と続くとおり、このアンソロジーにはあの作品に似ているといったような安易な物語は収められていない。さて、ジャクスンの描き出した世界とは如何なるものだっただろうか?彼女の描き出したプライベートな空間は社会から乖離した閉所であるのかもしれず、女性や子供の様なかよわき者にとってはまさしくホラーな体験を強いられることすら考えられる場所…そんな居心地が悪い、それでいて品のある質の良い作品が収められている。 | ||||
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