56日間
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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アイルランドの新進作家による長編第5作で、本国を始め英語圏では高く評価された2021年の作品。2020年、コロナのパンデミックに襲われたダブリンを舞台に、出会いと別れ、お互いの秘密と恋情、過去と現在が複雑に絡み合い、どうしようもなく悲劇の結末を迎えてしまった男女の恋愛サスペンス・ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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新型コロナウイルス感染症のロックダウン下のアイルランドダブリンを舞台にした秀逸の超一級ミステリーである。 面白くてページをめくる手が止まらないとはこんな作品を言うのだろう。ふとした出会いがきっかけで 恋に落ちるオリヴァーとキアラ。オリヴァーは長身でハンサムな好青年。キアラは宇宙船をこよなく愛す可愛い 女性。彼らのちょっとぎこちない不器用な恋愛が描かれるが、どうもオリヴァーには人に言えない暗い 過去があることが示唆されていく。彼らがこのような出会いをしたのが、「今」から56日前。そして 時系列的に並行して「今」、一人の男性の腐乱死体が発見される場面が挿入される。この56日間の 展開が時系列を行ったり来たりしながら描かれる。作者が言うように、コロナ禍の舞台設定ではあるが、 コロナ自身がこの作品の主人公ではないし、本質的な役割を果たすこともない。だが、人類未曾有の パンデミックにおける事件の展開が、いかにも不気味でいやあな感じを醸し出しているのは事実だ。 英米では非常に高い評価を受けているこのミステリー、残念ながら日本では殆ど注目されてこなかった (私の知る限り)。ミステリー好きを自認される方々には是非読んで欲しい作品である。 | ||||
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時間や日時が順番通りに進行せず、様々な視点からストーリーが語られる手法がとても斬新だった。非常事態の中で登場人物は自分自身をさえ見うしかねない危険な環境で、恋人たちは相手に理解してもらいたいという気持ち、自分の事を分かっているのかという不安、お互い愛したくても相手の事がよく分からないという不信感から悲劇が起こるのだが、このことは非常事態でなく日常の中でも人間の意思疎通の難しさを物語っていると思う。最後の結末は「そんな…」と思いたくなるほどショッキングだった。作者はまだ若いので、これからも良い作品が出るだろうと期待したい。 | ||||
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この小説をベースに映像化されると聞いて購入しました。身元不明の死体が発見されてからの56日間を彼女目線、彼目線で現在から過去に行き来しながら描かれており忙しいですが、途中からグイグイ引き込まれ一気に読み終えました。 アマプラシリーズのobsessionにキャスティングされたダヴ・キャメロンとアヴァン・ジョーギアを重ねて読んで、より面白かったです。映画も期待しています。 | ||||
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「偶然」を巧妙に装った男女の出会いのほんとうの目的は、物語が進むにつれて徐々に明らかになっていくのですが、この小説の凄いところは政府公認の密封、密室がコロナ禍のロックダウンによって強制的に完成してしまったところです。移動の自由を禁止された社会において未婚の男女が交際することは「同棲」しか選択肢がありません。 その過程を追いながら倒置法的に男性がすでに亡くなっている、しかも腐乱死体となっているので完全に「53日」も日数を要しておらず、移動できなければ「流し」の犯行もあり得ず、いつ何が起こったのか?その動機は?ということが焦点になりました。 しかも途中でわざわざ後作の「ナッシング・マン」に触れたりするエンタメ小説魂全開の作品です。「ナッシング・マン」同様にかなり癖の強い小説ですがじゅうぶんに楽しめました。 | ||||
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出会って間もない男女がロックダウン下の極力閉ざされた世界で恋に落ちてゆく一方、身元不明の遺体の発見。彼はどんな重要な任務を負っているのか、彼女も何か秘密を抱えているのか、遺体は誰なのか? 作家によると「読者には私の本を夜更かしして読み通して疲れ果ててもらいたい。」とのこと。私は数日かけて読みましたが、時間が行きつ戻りつ、異臭は強くなっていくようで充分多重的に迷宮でした。 | ||||
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