血塗られた一月



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    初公開日(参考)2023年06月
    分類

    長編小説

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    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    2023年06月06日 血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    1973年、グラスゴー。特別房の囚人が予言した少女射殺事件の捜査に挑む刑事ハリー・マッコイは、事件の裏の巨悪に触れるが……(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    血塗られた一月の総合評価:7.00/10点レビュー 6件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    特異なキャラで成功したハードボイルド警察小説

    かつては繁栄を誇ったものの没落した落ち目の大都会・グラスゴーを舞台にした、刑事ハリー・マッコイが主役の警察ミステリー。本作がデビュー作かつシリーズ第1作で、作品を刊行するごとに評価を高めているという新進気鋭の作家らしい、新鮮でインパクトのあるハードボイルドなノワール作である。
    マッコイは服役中の囚人・ネアンから刑務所に呼び出され「明日、ローナという少女が殺される」と告げられた。少女を探し始めていたマッコイだったが、翌朝、マッコイの目前で少女は銃殺され、犯人の少年も自分の頭を撃って自殺した。ネアンはなぜ事件を予言できたのか、事情を聞くために刑務所を訪れたのだが、その日、ネアンは刑務所のシャワー室で殺害されたという。マッコイと新人刑事のワッティーのコンビは捜査を進め、自殺した少年が地元の重鎮であるダンロップ卿の邸で庭師として働いていたことを突き止めた。しかし、マッコイとダンロップ卿には深い因縁があり、それ以上の捜査をしないよう警察上層部から圧力をかけられた。だが、マッコイは執拗に、命をかけてまで悪を追い詰めようとする…。
    どれほどの圧力があろうと巨悪を許さない、正義感あふれる刑事が主役かというと、そうではない。マッコイは、どちらかと言えば悪徳警官に分類されても仕方ない言動をとるはみ出しものであり、だからといって、いい加減な捜査をする訳ではなく、しかも喧嘩や暴力には強くない、刑事物では珍しいキャラクターのアンチヒーローである。幼くして親に見捨てられ、教会の保護施設で育てられたことから様々なトラウマを抱えた「弱さ」が印象的な刑事である。このミスマッチ、違和感のあるキャラ設定が本作の最大の特徴で、ハードボイルドでありながら親近感を抱かせる。
    刑事もの、ハードボイルド、ノワールのファンに一度は読んでもらいたい傑作としてオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.5:
    (1pt)

    翻訳が無理

    翻訳が私的には酷くて無理でした。
    文脈ブツギリというか、ストーリーが一本につながって頭に入ってこなかったです。
    100ページくらいまで頑張りましたが読むのをやめてしまいました。
    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151855017
    No.4:
    (5pt)

    無法な主人公設定だが、だからこそ貫ける意地の捜査が見ものの力作

    訳者で本を選ぶ。ぼくにとっては珍しくないことだ。翻訳家の方は依頼されて訳す仕事もあれば、翻訳者自らが押しの作品を出版社に提案することで自分の仕事を作ることもあるらしい。本書の訳者である吉野弘人氏と言えば、ロバート・ベイリーの胸アツ作品群で知られる方なので、遅まきながら気になった本書を手に取る。

     本書はグラスゴーを舞台にしたスコットランド・ミステリー。背カバーには<タータン・ノワール>とあるが、タータンとはタータンチェックのことなのだね、なるほど。舞台も1973年と半世紀前なのである。アイルランドを舞台にしたエイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィ・シリーズに少し似た熱い感のある本シリーズ、主人公は法律破りもものともしないハリー・マッコイ。一匹狼の気配のある前者に比して、こちらは悪っぽい主人公刑事の背後に優等生的若手刑事ワッティーがつきまとう。この凸凹コンビが、実はつかず離れずのいい感じのコンビで何ともいい感じの雰囲気を作品全体に与えるである。

     本書の事件は刑務所で始まる。ある少女が殺されるという囚人の予想に端を発し、その件の少女は少年に撃たえ、少年自らも頭を撃ち抜く。予告者であった囚人も同時に刑務所内で殺害される、と緊張感いっぱいの状況で開幕。ミスリードあり、裏切りありのシナリオに翻弄されつつ、グラスゴー警察のハードボイルドさに痺れながらの緊張感いっぱいのシーンが続く。

     古いあの時代、作中にはデイヴィド・ボウイやフェイセズ在籍中のロッド・スチュワートが登場。ドラッグと貧困の風が吹き抜けるグラスゴーの夜の描写が凄い。どう見ても病んでいるとしか言いようのない都市の裏路地。底に生きる悪党どもの描写が際立つ。しかし、汚れた街をゆくのは高潔な騎士ではなく、本シリーズ主人公のハリー・マッコイだ。完璧とはおよそ言えぬ弱みを見せる性格。孤児院という名の掃きだめからやって来た天性のデカ(刑事)にも見えるし、孤児院で塒を同じくした一人は闇ギャングのボス。我らがヒーローの愛人は何と薬中の娼婦。どう見てもまともではない主人公設定だが、だからこそ貫ける意地の捜査が見ものである。

     それでいて、われらがダーティ・ヒーローの熱源は怒りと優しさなのだ。法に準拠しないはみ出し捜査も魅力的だ。何とも70年的なヒーローなのである。どん底から這い上がってきたヒーローが、巨人ゴリアテのような悪党どもを叩きのめすストーリーのプロットが何ともアクロバティックでスリリングこの上ない。ブラックな手法も辞さないこの古くて新手の主人公に打ちのめされた。

     タイトルの通り「一月」にスタートした本シリーズは、訳者あとがきによれば現在6作まで書かれているらしい。順次翻訳が進むことを期待したい。本作、半年前の出版時に読んでいれば、間違いなく『このミス』の6作にも推したのだが、読み遅れてしまったのが我ながら惜しまれる。第二作にも期待。次は逃さぬ!
    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151855017
    No.3:
    (3pt)

    翻訳がひどすぎる

    作品的には、やや終盤強引に畳んだ印象はあるものの、現在はもうないのかもしれないグラスゴー70年代のアンダーグラウンドなど、読みどころは多く、先の期待も含めて★4以上はつけたいところなのだが、あまりにも翻訳がひどい。なぜ誰も指摘しないのかが逆にわからない。
    最初の1~2ページで違和感を持ち、この作者こんなに気の抜けたような文章を書くのかと思い、原書Kindle版プレビューをダウンロードして照らし合わせてみたが、明らかに強調のための語の前後の配置などを無視し、意味のみは通じる高校生の宿題レベルの文章としてアウトプットされている。
    その後もそのレベルの文章が前後や全体の読むリズムも考えないようなぶつ切り状態でただ並べられる。
    自分は翻訳小説もかなり読んでいるが、これほどひどいものにはそうそうお目にかからない。
    もしかしたらAI翻訳などが使われているのではないかとも疑う。
    本来あまり翻訳の批判などしたくのだないが、さすがに許せない気分になりレビュー投稿した。
    シリーズ自体には期待したいところではあるが、この翻訳者によるものが続くのならば読むつもりはない。
    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151855017
    No.2:
    (4pt)

    2匹目のドジョウ(原題:Bloody January)

    舞台はグラスゴー。陰鬱なイギリスを舞台にした、陰鬱な事件で幕を開ける。

    刑務所に収監されている男の話を聞きにいった部長刑事マッコイ。その男の言葉通り、翌日ある少年がある少女を射殺する。
    事件解決に乗り出すマッコイだが、彼の過去と強大な勢力が解決を阻む。
    果たして、マッコイは事件を解決できるのか、という話。

    エイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィーシリーズのヒットを受けて、同じようなテイストの小説が出たな、という感じだが、十分に面白かった。
    ショーンダフィーを100点とすれば70点という感じではあるけども。
    ユーモアセンスとアクションがもう少し欲しいかな、と。

    ただ、刑事ものとしては骨太であるし、なかなか読ませます。
    1973年のイギリスの状況が垣間見れるのも楽しい。
    10月18日に続編「闇夜に惑う二月」が発売されるが楽しみだ。

    また、ショーン・ダフィーシリーズの最新刊、The Detective Up Lateが刊行され、高評価を博している。
    とにかく、早く読みたいです。

    ハヤカワ文庫は、2作目くらいで翻訳打ち止めが多い。
    トム・ウッド、ジョー・イデ、ジャック・コグリン、スコット・マキューエン、ダン・シモンズ・・・
    死屍累々である。
    本作が生き延びるか否かは、2作目の成否にかかっているのだろう。
    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151855017
    No.1:
    (4pt)

    悪辣でありながら現実的な、あまりに現実的な

    「堕落刑事:マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ」(ジョゼフ・ノックス)のマンチェスター、エイドリアン・マッキンティの北アイルランドの暗さを思い出しながらアラン・パークスの処女作を読み終えました。
     舞台は、スコットランド、グラスゴー。1973年1月1日。<本格警察小説>なのかと思いながら読み始めましたが、少し違っていました。事件があって事件を構成するロジックを徐々に紐解いていくストーリー・テリングを期待すると裏切られるかもしれません。パズラー好きの読者がどう評価するのか?私はどちらでも構いません(笑)。
     グラスゴー市警の部長刑事・マッコイが主人公。彼は刑務所に収監されている囚人・ネアンから呼び出され、明日、市内でローナという少女が殺害されると予告されます。翌日の朝、バスターミナルにてマッコイの目前で或る少女が銃撃され、銃撃した少年が自らの頭を撃って自殺します。マッコイは相棒の若手刑事・ワッティーと共にネアンを再訪しますが、彼はシャワー室で喉をかき切られて殺害されていました。三つの何故。「血塗られた一月」の始まり。
     1970年代のスコットランド。"明るいオレンジ色のとがった髪"のデヴィッド・ボウイのコンサートは?ドラッグ。覚醒剤。そうやって生きるしかない娼婦たち。暴力を見せつけるための暴力。また、暴力。事件はどのようにして解決に向かうのでしょう?スリラーですから詳細を書き記すことはできません。
     主人公、ハリー・マッコイ、その友人でギャングのボスでもあるクーパー。二人の複雑なキャラクターと関係性がこの物語を鈍色の海に輝く月光のように映して美しい。それは”美しい”としか表現できない悪辣さと危うさを抱えながらそれでも巨悪を追い詰めようとするマッコイの情念の気迫に満ち満ちています。そして物語は悪辣でありながら現実的な、あまりに現実的でシャープなエンディングを用意しています。そうやっていきましょう。所詮、世界のどの国にいても既得権益層の悪辣さは変わらない。自らその悪辣さに塗れることでもしかすると光を見い出せるかもしれない。たとえ何も得るものはなかったとしても己が肉体を犠牲にして闘ったことに変わりはない。
     この小説は是非売れて欲しいと思います。<訳者あとがき>によるとまだあと5作ストックがあるそうですからせめてもう1作読ませてほしい。それは出版社への悪辣な私からのお願いになります(笑)。
     □「血塗られた一月 "Bloody January"」(アラン・パークス 早川書房) 2023/6/25。
    血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:血塗られた一月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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