夜明けを探す少女は
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2023年度MWA賞のYA部門最終候補となった若き黒人女性作家のデビュー作。シカゴの黒人居住地域に住む16歳の少女が、大好きな姉が警官に射殺されたのをきっかけに社会の理不尽に立ち向かい、無力さを感じながらも生きる希望を見つけ出そうとする一種の成長物語である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「終わりなき夜に少女は」(クリス・ウィタカー)を読んだ後に、もう一人の少女の物語。しかし、少し困った読書になりました。 新しい翻訳ミステリを網羅的に読むよう心掛けていますが、<ミステリ的興趣>を感じられないミステリについて上手く語ることができない自分がいますね。 舞台は、シカゴ。しかし、「ギャングランド」のシカゴではありません。プロジェクト(低所得者用団地)、グレイディパーク団地に住む高校二年生、黒人少女、ボー・ウィレットが主人公。ボーの姉であるカティアは不法侵入の疑い故に非番の白人警察官に射殺され命を失います。姉を慕い、彼女の無実を信じるボーは、事件の真相を探るべく状況を知りながら現場からいなくなってしまったカティアの恋人・ジョーダンの行方を探し出そうとします。 背景には”Black Lives Matter”運動が厳然とあって、差別、貧困、薬物、暴力に塗れた社会問題が横たわっています。しかしながら、本書はそれらについて極度に食い込むことを避けながら、最後まで一人の深い闇を抱えた少女の”アドレッセンス”を描こうと試みています。 私の印象は、ほぼページ数の50%を超えたあたりから物語が転調したように思え、そこから先のボーの怒りの暴発に何故かついていけなくなりました。ボーからは「お前に私の悲しみの何がわかるの?」と問いかけられることになったとしても。 この物語は”アドレッセンス”の持つ深い病を描いたミステリと言ってもいいのかもしれません。読み終えて、マット・デイモンの映画"Good Will Hunting"を思ったりもしましたが、様々違和感を感じながら、P.184で言及されている”Blue Lives Matter”運動との相剋へと私の意識が飛んでいったこともあってか、正しく読み通せたのかどうかあまり自信がありません。 と言うことで、今回もまた次の読書へと速やかに移行することにしましょう。 □「夜明けを探す少女は “The Black Girl Left Standing”」(ジュリアナ・グッドマン 創元推理文庫) 2024/5/29。 | ||||
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