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夜明けを探す少女は



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜明けを探す少女は (創元推理文庫)

夜明けを探す少女はの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ミステリーではなく、黒人少女の怒りと希望の物語

2023年度MWA賞のYA部門最終候補となった若き黒人女性作家のデビュー作。シカゴの黒人居住地域に住む16歳の少女が、大好きな姉が警官に射殺されたのをきっかけに社会の理不尽に立ち向かい、無力さを感じながらも生きる希望を見つけ出そうとする一種の成長物語である。
シカゴに暮らす16歳の黒人女子高校生・ボーは美術系の授業が得意で、絵の才能を生かして貧しくて物騒な街から脱出することを夢見ていたのだが、大好きな姉が不法侵入者として白人警官に射殺されるという悲劇に遭遇した。姉が不法侵入したとは信じられないボーは、姉の恋人で現場に一緒にいながら姿をくらませたジョーダンの行方を探し、真相をはっきりさせようと決意する。警察は当てにならず、同級生や姉の知り合いが頼りの調査は遅々として進まず、至る所に根深い人種差別の壁が立ちはだかり、ボーは途方に暮れることの方が多かった。それでもボーはひたすら自分の信じる道を突っ走るのだった…。
事件の真相を探るという意味ではミステリーなのだが、本作の主眼は今なお変わることなく続く人種差別、黒人差別への抗議である。さらに、ヒロイン・ボーのキャラクターがよくできており、現代の女子高校生の日常、非日常を活写した青春小説としても秀逸。というか、若き黒人女性の成長物語として読んだ方がしっくり来る。

iisan
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