砧自身の事件 ダミー・プロット
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
砧自身の事件 ダミー・プロットの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「切断死体」、「アリバイ」、「替え玉」などをモチーフに、錯綜したプロットが展開される本作。 ではあるが、同人誌に発表された2000年の時点ならともかく、現在であれば作者の企みを見抜くのは比較的容易ではなかろうか。 とはいえ、その分、手がかりがフェアに記述されているということも言えるし、複雑なプロットを明快にまとめあげた手腕はお見事としか言いようがない。 説明文にある「孤高の本格推理作家」の面目躍如たる秀作だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山沢晴雄氏の名前は何となく知っていましたが、著書は初めて読みました。 王道のトリックだけれど登場人物の行動順や時間経過の配置の巧みさもあって最後まで本当に楽しめました。 久しぶりに「本格」でページを繰る手が止まりませんでした。 変な小細工や奇想天外な周辺装飾は無くても作者の腕次第で純粋に「推理小説」を楽しむ事ができるのを改めて感じました。 ただ私は元々本格ミステリが好きなので、ハードボイルドやスリラーやイヤミス系が好きな人はそう思わないかもしれない事をお断りしておきます。 創元推理文庫で山沢氏の他の長編を是非出してもらいたいです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
掲載誌は「別冊シャレードVol54 山沢春雄特集2」(200O年3月5日発行)。400字詰換算枚数570枚。 以下、ネタバレありません。 原題は『砧自身の事件 ダミー・プロット』でダミー・プロットは副題的であったが、今回は遺族の了解を得て、『ダミー・プロット』と改題された。もともとはこの題であったということなので、故人も了承されるだろう。 初稿は、山沢氏が大阪水道局を定年退職した1982年に執筆されたとのことである。 掲載誌には①山沢春雄「作者のノート」、②天城一「夜のタンゴを越えて 砧自身の事件」、③戸田和光「獄私的・山沢春雄作品鑑賞ー「砧自身の事件」編」ーが載っていたが、本書では②の代わりに芦辺拓「盤上のメトロポリスー山沢春雄小論」が、③の代わりに戸田和光「編者解題」が載っている。③では本長編の詳細なトリック解析がなされていたのだが、「編者解題」では大部分がカットされた。 ①は大部分がカットされ、一部が「編者解題」で引用されている。カットされた中には、掲載前に芦辺拓氏に一読してもらい、「ミエミエです。もう少しデータは隠したほうがいいですよ」とアドバイスを受けたが、芦辺氏と読者のレベルは違うと考えて、そのまま提出したというエピソードもあった。 私的感想 ○昔々「別冊シャレード」で読んだが、覚えていたのは犯人とメイントリックぐらいで、あとはすっかり忘れていた。再読とても楽しかった。 ○手品文学の伝統のある創元推理文庫に加わり、読みやすい活字の文庫本となって、故人も喜んでおられると思う。 ○たくさんの魅力的な小手品がメインの大手品を支えている点で、かつ、見えにくくしている点で、本作品は手品文学の傑作である。本文庫434頁の山沢氏の言葉「トリックの原型は出尽くしているだろう。併し、その組み合わせと変化の扱いかたは限りがない」の見事な実践である。 ○「編者解題」455頁に引用された作者のノートで、山沢氏は「『砧自身の事件』の本質は、✕✕小説なんですが・・」と言っているが、隠し味ならともかく、本質というには無理がある。手品小説の大傑作で十分だろう。 ○本文庫ではカットされたが、山沢氏の微妙なコンプレックスを語るような次の文章も大好きである。「私はどうの舞台の設定が苦手なのです。本編でもデザイナーのことをリアルに書き込むつもりで、女性誌やTVなど資料を集めてみたものの、知らない世界が書けなくておざなりな書き方になってしまいました」(「作者のノート」) | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|