(短編集)
第8監房
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日下三蔵は、戎光祥出版の「ミステリ珍本全集」「山田正紀 時代小説コレクション」が売れずにバーゲンブック扱いとなって以来、弱気になっているのではなかろうか? たしかに「山田正紀 時代小説コレクション」は第1巻『天動説』が全く売れなかったようで続刊は出なかったし、「ミステリ珍本全集」も「出版社の過剰在庫」の新古本がいまだに完売していない。 今や、漫画本ですら海賊版サイトで済ませる人が多く、被害額の推計は1兆円を超えているという。 そんな状況だけに、埋もれている作品を何とか「紙の本」で残したいと考えて活動している人の想いなど、一般読者には伝わっていないのだろう。 本書の解説にも、元々の編集構想を諦めて総ページ数を減らし、何とか税込定価を1,000円未満に抑えて、次の企画につながる売上部数を確保したいと考える、編者の切実さが如実に現れている。 本書が「永久初版作家」だった頃の大沢在昌の本くらいには売れて、次の企画が通り、本書に収録できなかった短編を収めた続刊が出ることに期待したい。 願わくば、文庫版でも長らく絶版状態の『おれの敵がそこにいる』に、短編を増補して復刊してもらいたいものだ。 「紙の本」で読めることに価値があるのだ。 電子書籍では、フォーマットが変わったら読めなくなってしまう。 たとえば『新潮文庫の絶版100冊』CD-ROMを、今のPCで読むのは非常に面倒ではないか。 | ||||
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柴田錬三郎が逝って早40数年。どんな売れっ子作家でも、亡くなると、つかの間の追悼セールを経て徐々に書店の棚から作品が消えていく倣いだが、小品とは云え、こうしてシバレンの旧作が復刊されるのは喜ばしい。 収録作は、1. 平家部落の亡霊、2. 盲目殺人事件、3. 銀座ジャングル、4. 第8監房、5. 三行広告、6. 日露戦争を起した女、7. 生首と芸術、8. 神の悪戯の全8篇で、初出を見るといずれも昭和30~32年に発表されたものだ。『眠狂四郎無頼控』の週刊誌連載開始が昭和31年なので、彼の作品が時代小説に偏重していく直前に当たる。舞台も終戦からGHQの統治を経て未だ猥雑とした雰囲気を残す時代を扱ったものが多い。 本書はミステリのジャンルに入れられているけれども、犯罪やその謎解きを主にしたものはなく、アウトローものと評した方がよいだろう。「三行広告」に至ってはユーモア小説の趣きである。 もとより短篇集であり、傑作と呼べるほどの逸品はないものの、敢えて一択なら表題作にもなっている「第8監房」か。幕切れの哀しさにシバレン一流のニヒリズムがよく表れていると思う。 | ||||
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