(短編集)
眠狂四郎ミステリ傑作選 花嫁首
- 花嫁 (112)
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この一冊で、眠狂四郎の機智(ユーモア)に富んだストーリーを堪能できました。 新潮文庫版に比べてルビが充実しているので読みやすいです。 Kindle版なので、辞書引きも容易でした。 「恋慕幽霊」では「鼠小僧」まで登場して楽しませてくれます。 将軍家への献上物を、御用番老中に差し出すことができるのは、十万石以上の国主と決まって、このしきたりを破ったために切腹する話題は、藤沢周平の「花のあと」にも使われていましたね。 奇しくも「眠狂四郎 オリジナル・サウンドトラック(渡辺岳夫)」が発売されています。 https://www.amazon.co.jp/dp/B09BDT9HSF この音楽を聴きながら読書にふけることができます。 | ||||
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創元推理文庫のレトロ時代小説を読むのは三冊目だ。シバレンさんは若いころの流行作家だった。 忍者ものを一冊だけ読んだような気がする。最も有名な眠狂四郎は読む機会を逸したので、ちょうどよかった。 短編21篇入り。 本レーベルでいうと、月影兵庫以上・木枯し紋次郎以下といったところ。 設定に驚いた。老中水野忠邦の側頭役・武部の依頼を受けて、間者退治や謎解きを引き受ける。なんだそりゃ。 どこが無頼控だ。汚れ仕事や闇に葬る業務ではあるが、権力者に仕えて無頼気取りはないだろう。 すべてが依頼案件ではなく、個人的に巻き込まれる事件もある。 『悪魔祭』は出生の秘密に関わるグロテスクな怪奇譚だ。 転びバテレン(改宗者)と悪魔崇拝は別だと思うが、本作ではイコールのようだ。 作者は歴史や時代考証はまるで考慮していない。エログロアクションの通俗時代劇だ。 プロットに捻りが効いており、そこそこ楽しめる。待合室や電車の中で一本づつ読むのに最適だ。 エロ篇はお下劣なのが特色である。女性器が素材となる話が二本ある。 コレクター心理を描いた『家康騒動』、意外な結末が鮮やかな『毒と虚無僧』などが良い出来だ。 表題作は、新婚の嫁の首が男のものにすり替えられていたというグロ話である。 謎解きは無理やりだが、古典的な味わいともいえる。 | ||||
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市川雷蔵が眠狂四郎を演じた映画シリーズをテレビで見て、「カッコいい!」と惚れ込んだのは中学生の頃。原作短編の名シーンを巧みに幾重にも織りこんだ『眠狂四郎 勝負』や、女の魔性とエロチシズムが妖しく横溢した『眠狂四郎 女妖剣』などをVHSに録画して、テープが擦りきれるほどくり返し見る一方で、柴田錬三郎の原作を夢中で読みあさった。 大藪春彦や生島治郎などの現代小説よりも、筆者はこの柴田錬三郎の時代小説によってハードボイルの洗礼を受けたと思っている。ただし人物はハードボイルドのダンディズムを体現しているが、ミステリ選としての本書は、『禁苑の怪』の幽霊騒動の秘密、『湯殿の謎』や『謎の春雪』の密室殺人、『消えた凶器』の凶器消失といった、古典本格もののテイストを楽しめる作品がピックアップされている。 純粋にミステリとしてのみ評価すれば、大絶賛できるほどのオリジナリティあふれるトリックなどはない。しかし、転び伴天連による黒ミサの儀式によって生をうけた、呪わしくも悲愴な孤高の剣客のドラマを軸に、武家社会の桎梏、市井の人情、為政者の策謀や宿縁の恋、そして切れ味するどい剣豪アクションのうえに、ミステリの興趣までをも、週刊誌連載の読みきりの短編という限られた紙数に凝縮させた作品群は、まさに極上のエンタテイメントといえる。 それは、磨きあげられた作者の筆力のなせるワザ。瞬発力にたけた鍛えぬかれたアスリートの筋力のように、孤独な剣士の静なる虚無から、血しぶきが舞い狂う激しい動の立ちまわりまで、短い紙数のなかにも絶妙のリズムをきざんで起承転結を描出する、柴田錬三郎の文章力の精妙さによる。「冥土の土産に、円月殺法ご覧に入れよう―」刀尖が完全な円月を描き終えるまでに、敵の血煙を吸いあげずにはいない狂四郎の魔剣のように、柴田錬三郎の筆先は、やはり今も収録作21編を読み切るまで、筆者の読書欲を惹きつけて離さない魅力があった。 久しぶりのジバレン節に酔わされたあとは、今はDVDで買いそろえた雷蔵・狂四郎を、また鑑賞し直さずにはいられなくなりそうである―。 | ||||
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