その朝お前は何を見たか
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もと旅客機パイロットの三井田は、TVで報道された誘拐犯の声が、二年前に幼い息子を残して家出した妻のものであることに気づく。妻は犯罪者になったのか。執念の追跡が始まった。 異様なシチュエーションで、緊迫した場面が続く。面白く読めるがプロットは単純で、先が読めてしまう。 娯楽作として悪くはない。 | ||||
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帯の宣伝文句、そして表紙裏のストーリー概要を読んで、 「失踪した妻には、誰にも想像できなかった意図があった」という物語なんだろうなと思って購入。 そうしたら、全く違った。 隠された意図も何もなく、純粋な浮気で失踪した妻を探す男の物語。 本当にそれだけ・・・・。 てっきり、失踪した妻には知らざれる驚愕の真実があるに違いないと、期待して読み進んで行ったのに、 な~んにも無かった。 一体、なんのためにこんなに長々と読まされなければ行けなかったのか。 パイロットとして仕事していたのに高所恐怖症になりパイロット止めた男が、 浮気で失踪した妻を探し出して離婚届けに署名させて、最後は勇気をだして飛行機に乗って帰る感動のラストーー! いやいや、吹き出しますよこんなの。 (誘拐事件の顛末、本書タイトルの意味、それは未読の方のお楽しみ) 笹沢左保なる作家の本を読むのはこれが初めてですが、 少なくとも、本書「その朝お前は何を見たか」は読む価値に乏しい駄作と思いました。 よって★2つしかあげられません。 | ||||
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最後までネタバレ。未読者ご注意下さい。 高所恐怖症になってパイロットを辞め大型輸送トラックの運転手となった三井田 妻は2年前に家出し6歳の息子は自閉症になっているが ある朝、ラジオ放送された女子大生誘拐犯の脅迫電話の声を「お母さん」と言い 三井田もそれを確信する。 間もなく女子大生は他殺死体で発見され三井田は失踪妻沙織の足取りを追う旅にでる。 その目的はただひとつ、正式離婚 だ。 アパートの向かいには三井田に惚れている親切な独身女性淳子と母がいて 日頃から父子共々面倒を見てもらっている 無口で不器用な三井田は感謝して照れると頭に手をやる、健さん風?で 留守中息子は預かってもらえる。 トラックの相棒は三井田を慕っている弟分で協力的 さくさくと調査は進み、妻と逃げた男、浜名を見つけ出した。 浜田も沙織に逃げられており、 男が男に惚れた形で三井田に協力することになって 9日の有給をとって道連れとなる 沙織の次の男は金持ちの実業家だった、 やはり沙織に逃げられてしまっていて もぬけの殻の高級マンションを自由に使わせてくれる いい人ばかりに恵まれてトントン拍子に進んでいくのが いつもの笹沢センセイと違って ヒューマンサスペンス の肩書通りでどこか楽しい。 意外な犯人も解明した後、 最新情夫と同衾中の妻の部屋のドアを蹴破り 離婚届に署名捺印させて立ち去る。 妻捜しの旅は、群馬、銀座 神戸 京都から 最終地は沖縄に至っていた。 ラストは、 早急に帰らなければならない事情ができた三井田が 恐怖症を乗り越えて小型飛行機を操縦して帰る 淳子につれられて迎えに立っている息子に ここで題名となっている言葉を言う 何というドラマチック 何という完璧なエンターテイメント 楽しめました。 | ||||
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初刊は1981年5月の徳間ノベルズ。 初刊から1年半という速さで文庫化されたのは、本作が「著書200点発刊記念書下ろし」の1つだったからである。 ただし、厳密には、200点目の著作はいんなあとりっぷ社刊『明日はわが身』だった。 本文庫版の解説も、「インナートリップ」の提唱者である霊友会第2代会長・久保継成が書いている。 (そのためか、ミステリの解説としては、かなり的外れな文章である) ある誘拐事件の捜査が暗礁に乗り上げ、公開捜査に切り替えられたので、身代金を要求する電話の録音テープが、ニュースやワイドショーで繰り返し放送される。 主人公も息子も、隣人も、そのテープの女性の声が、かつて浮気した挙句、息子を置き去りにして失踪した、主人公の妻の声に酷似していると気付く。 主人公は、息子の母親が犯罪者であってはならないと、逮捕される前に妻を見つけ出し、離婚届に捺印させようと考え、自ら捜索を開始する。 通常は、家出人の捜索など、そう簡単に素人の手では出来ないのだが、そこは笹沢左保の小説、宿命の糸に操られるごとく、主人公の前に次々と手がかりが現れる。 そして主人公の妻は、短期間に何度も男を乗り換えていたことが明らかとなる。 夫を捨てて愛人と同居したかと思えば、金の切れ目が縁の切れ目とばかり、たちまち浮気し、新たな愛人と駆け落ちするパターンを繰り返していた。 それまでの笹沢左保の作品であれば、主人公は事件の真相を得るのと引き換えに、夢も希望も何もかも失い、孤独と絶望を噛み締めて終わっていた。 しかし当時の笹沢左保は、著書200冊を機に、初期作品を覆っていた受動的ニヒリズムと決別し、より深く人間心理を追及したサスペンス小説へ移行しようとしていた時期にあたっていた。 本作品の結末では、笹沢作品にしては珍しく、主人公の魂の再生が描かれ、新しい(それも幸福な)生活の始まりが予感される。 (そして、次の著書300冊突破の節目の時期には、タクシードライバー夜明日出夫や『取調室』の水木警部補など新たなシリーズキャラクターを誕生させ、また新たな境地に入っていったのだから、つくづく凄い作家であった) ただし、ミステリの仕掛けとしては単純。 主人公の妻が取った、無軌道な行動の裏には意外な真実が・・・といった逆転劇は無い。 主人公からすれば、事件の真相はどうでも良く、妻に離婚届を突きつけ、署名捺印させれば目的を果たしたことになるからだ。 妻の内面は一切描かれていない。 明日無き逃避行を続けて「その朝お前は何を見たか」と、妻に問うことはしないのである。 | ||||
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