霧に溶ける
- アリバイ (477)
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人の心理を書くのは上手いけどこんなに調子のいい殺人事件のストーリーはないよ! | ||||
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ミスOLの選出が評判である。候補者のひとり杉静子は、幼馴染で事故で片腕を失った男・小牧と新しい生活を始めるため、ぜひ賞金が欲しい。ところが小牧との密会現場を何者かに撮影された。候補者には純潔を求められるため、表ざたになれば失格だ。そのうち、他の四人の候補者が次々と死傷する。 いかにもな昭和のミスコン裏話がテーマだ。女を若さと容姿で選考するなんて、現代なら許されないだろう。現実にルックスが女性評価の重要な基準になっているのだから、この時代の方が本音という気もする。単なるスキャンダル暴露ではなく、すべての事件にミステリの濃厚な妙味が詰まっている。 トリックもさることながら、全体を描く着想が素晴らしい。もし成功すれば完全犯罪以上だった。 オチも鮮やかだ。最高点を差し上げる。 | ||||
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わかり易い表現です。 | ||||
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笹沢左保、初期の最高傑作。これが今年(2020年)祥伝社より再版された。 ここ数年、笹沢作品の面白さが再評価されて再版が相次いでいる。それならばこの小説は必ず再版される、されなければならないと、ずっと思って待っていた。 かく言う私も、実はこの小説、最後まで読んだことが無かった。これまでなぜか途中で投げ出してしまっていたのだ。だから今回の出版は本当に楽しみにしていた。 話が変わるが、今年(2020年)の江戸川乱歩賞講評で、綾辻行人氏が「ミステリーの基本は、魅力ある謎と、魅力ある解決だ。」と言っている。 私はそれに加えて、「魅力ある探偵」「魅力ある被害者または事件」「魅力ある犯人」を上げたい。 さてこの「霧に溶ける」だが、以上の条件をすべて満たしている。 高額の賞金をかけたミスコンテストが開催されることになった。最初の100ページくらいは、その優勝候補者の5名のプロフィールの紹介だ。 ここの部分はいささか退屈だが、昭和のオンナたちはたくましく生きていたのだなぁ、と感想を持ってしまう。 そして100ページあたりから、事件発生だ。 この5人のうち3名が、同じタイミングで事故で死傷するのだ。状況は事故としか言いようがないものだが、ミスコンテスト優勝候補が3人同時に事故にあうはずがない。警察は非公式に捜査を開始する。 ここから最後まで一気に読ませる。 そこで上記の条件。 「魅力ある探偵」 探偵役は最後に登場して事件を解決に導くが、「えっ、この人が探偵役」という人物が事件を解決する。 「魅力ある被害者または事件」 最後の100ページくらいで黒幕はこの人なんだろうなとわかってしまうが、問題は3人を同じタイミングで死傷させるトリックだ。どういうトリックを使っているのか、最後まで引っ張られる。 「魅力ある犯人」 ええっ、と思わせる犯人が出てくる。しかも最後の1ページで。これは参った。 江戸川乱歩賞のことを書いた。ここのところ低迷としか言いようがない作品・作家ばかりが出てくる。 この小説は1960年に出版された。今こんな小説がまた出てくれば、ミステリーも復活するだろう。現代のミステリー作家がこの小説から学ぶことは多いはずだ。 | ||||
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ミスコンテストの候補者が次々と殺される連続殺人事件。 事件の構図や犯人の設定が斬新で、3つの殺人の方法もそれぞれユニーク。 小河内エミ殺しのトリックは単純な手法ではあるものの盲点となっており、密室としての見せ方もうまい。 手鏡の存在が欺瞞のもととなっており、また、事件をつなぐ鍵ともなっていて、小道具として巧く使われている。 真相説明は図解を取り入れていて、わかりやすい。 大技はないものの、事件の真相は十分に納得のいくものであり、きれいにまとまった本格ミステリーの佳作。 | ||||
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