(短編集)

有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜



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有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)

2022年10月07日 有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)

経営危機の大平製作所女社長・汐見ユカにかかる 二つの殺人容疑。起死回生の新製品を完成できな かった発明家と大株主──社にとって不都合な二 人の死。しかし、東京─四国でほぼ同日同時刻の 殺害は不可能のはず──彼女の潔白を信じてアリ バイ証明に挑む男と殺害された株主の娘、相反す る立場のコンビが見たのは、奈落の底につながる 暗い傾斜の光景だった。シリーズ編者偏愛No.1作 品登場!(解説 有栖川有栖)(「BOOK」データベースより)




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No.3:
(3pt)

神髄と言うほどではないなあ

有栖川セレクション七冊目だ。
高知県室戸岬で女社長と発明家の無理心中騒ぎが起こり、男だけが死んだ。同時刻、東京で大株主の金融業者が殺された。社長に都合のいい二人の死だが、同時に東京と四国に現れるのは不可能である。事件の真相は?

アリバイトリックの極地と言われて期待したが、それほどでもなかったな。ユニークかもしれないが、「はあ、何だそりゃ」という感じ。むしろミステリにこだわって何百冊も読んだ人の方が、意表を突かれるのかもしれない。男女の生臭い関係が基盤となっているのも好みに合わない。ロマンス小説と称するらしい。当時はミステリの中に性風俗を入れるのが流行ってたんだろうね。
有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)より
4198947856
No.2:
(5pt)

徳間文庫は笹沢左保作品を計100点復刊するらしい

カバーにも帯にも「笹沢左保サスペンス100連発」と書かれている。
以前からツイッター等で、徳間書店が改めて笹沢左保の主要作品の版権を取り直したという噂が流れていたのは、本当だったのだ。
「必読!Selection」既刊7冊を含めて、全部で100冊、新装復刊する予定らしい。すごい話だ。
次は光文社文庫版も品切れ中の『結婚って何さ』が刊行予定。

この『暗い傾斜』は角川小説新書版にあった「著者のことば」が印象的だった。
やがて人間不信の闇夜に至る「夕映えの道」を歩き続けるのが人間だと書かれていて、『暗い傾斜』というタイトルの意図が説明されていた。
角川文庫版、青樹社BIGBOOKS版なども『暗い傾斜』のタイトルが踏襲されていたが、従来の徳間文庫版では『暗鬼の旅路』に改題されてしまい、推理小説ファンの個人ブログなどでも、もし「トクマの特選!」で復刊されるようなら、再び『暗い傾斜』に戻してほしい、と書かれていた。

今回の復刊にあたって、有栖川有栖は解説に初版の「著者のことば」を引用し、著者本来の意図を踏まえて原題に戻したと書いている。
徳間文庫では、中町信の作品を勝手に改題してきただけに、今回の「英断」を評価したい。
この上は、旧徳間文庫で『誠実な裏切り』と改題された『夜が溜息をつく』を原題復帰させ、二次文庫で『憑霊』『警部の証言』『殺人者の扉』に改題されてしまった作品たちも『遥かなりわが愛を』『遥かなりわが叫び』『地下水脈』の原題に戻して、復刊してほしいものだ。
有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)より
4198947856
No.1:
(5pt)

愛憎ドラマとアリバイミステリの優れた融合

謎めいた男女を配した、不穏で荒涼とした暗い海辺の風景を、迫力ある筆致で描きだしたプロローグがすばらしく、一気に作品世界に引きこまれる。その後100ページ過ぎるまで殺人事件は起こらないが、研究開発にからんで窮地に立たされる女性社長の姿と、その身辺に渦まく男女の愛憎劇がスリリングに展開し、退屈することなくグイグイと読まされてしまう。そして事件が起こるが、東京と四国という遠く離れた場所で、ほぼ同時刻に起こった二つの事件に、同一の容疑者が浮かぶという、分身の術でも使わなければ不可能だろうという、これまた魅力的な謎が屹立するのである。

魅力的なアリバイミステリとしての設定も、ほんの少しの視点の転換によって不可能の壁が崩れてゆくという解決編も、実に鮮やかでいい。しかし、筆者がなにより感嘆したのは、そうした最も人工的な作りごと感を与えるミステリとしての趣向や仕掛けが、描きだされる人間ドラマに、ごく自然に違和感なく溶けこんでいることだ。ミステリ小説は常にこの部分に、いちばん作りごとの嘘くささを露呈してしまうものだが、本作はこれまで読んだミステリ作品のなかでも、この点で最も違和感のない融合をもたせた傑作に仕上がっていると唸らされた。

ただ、筆者が長所として高評価したこの部分を、短所として捉える人もいるのではないかとも思う。トリックだけでなく、奇矯な建造物で起こった奇想天外な事件を神ような名探偵が解決する、明白な虚構性、あからさまな作りごと感も、約束ごとのエンタメ性として楽しむタイプの作品を嗜好する人も多くいるからだ。そうした読者にとっては、本作は、ミステリとしての作りごとの面白さが、ドラマのなかに埋没して存在感を失ってしまい、昭和の古くさい企業内愛欲ドラマばかりが全面に立った、面白味の少ない作品に見えるのではないかとも思った。

あと本作は『暗い傾斜』というタイトルで発表された後、『暗鬼の旅路』と改題されて復刊されたことがあったらしいが、発表当時の題名にもどして今回出版されたのは、正解だと思う。『暗い傾斜』の方が断然いい。いや、物語の内容や作品構成にタイトルがハッキリと意味の根を張っているからには、むしろこちらでなければならない。もし『暗鬼の旅路』の方だったら、それだけで☆一つ減じていただろう。
有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)より
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