翼竜館の宝石商人
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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前半から中盤に至るまでは、謎が謎を呼びぐいぐいと引き込まれた。ヨーロッパの雰囲気も当時はこうだったのだろうと思うような描写で、水位の低いアムステルダムの湿度や水気を感じるような陰鬱さも表現されており、設定としてはとてもよかった。登場人物の個性も書き分けられていて、映像が浮かぶようだった。 ただ、作中で何度も語られるものの、ほとんど登場せず事件とも直接関わらないとある人物が、ラストで伝聞といくつかの手掛かりで一気に謎解きをしてしまうあたり、「それをやりますか~」って思った。いきなり名探偵登場みたいな感じ。そして、主人公の正体もなかなかうまい解決ではあるが、年代やその他つじつまが合わない部分もあり、何人かの登場人物は途中で尻切れトンボとなってしまっているのが、消化不良のような読後感だった。設定にわくわくしただけに、あの正体の設定なら事件に関係なくすぐにわかるだろうに、なぜわからなかったのかが示されていないのが致命的だった。 | ||||
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ものすごく久しぶりに小説を手に取った。 それが『翼竜館の宝石商人』(高野史緒/2018年/講談社)で、手に取った理由は「久々に小説を読もうと思い立った時、最初に目に入ったのがこの本だったから」ということのみ。 高野史緒は仕事柄その名はもちろん知っていたが、著作を読むのははじめて。 装丁の絵は、アムステルダム国立美術館のレンブラントの間の”オランダの至宝”『夜警』のみっつくらい手前に飾ってあったような記憶がある。 最近のことは忘れるのに20年くらい前のことはよう覚えとる。 舞台は17世紀のアムステルダムで、主人公のナンド・ルッソは記憶をなくした男だ。 「夜中に絵から抜け出し徘徊する」という噂が立った、市役所に飾ってあるレンブラントの『キウィリス』を眺めていると、背後から同様に眺めている、周囲とはあきらかに異質な空気をまとった青年がいた。 ナンドは思わず、青年に話しかける。 「あの絵を描いたのは君か?」。 しかし、青年はレンブラントではなかった。 ただ、彼はレンブラントの息子だった。 と、掴みはバッチリだ。 このナンドの言動や振る舞いがいちいち無骨で、へー、中世欧州を舞台にした絵画ミステリーと思いきや、ハードボイルドなんやねと、序盤わくわくする。 で、中盤に入りミステリになる。 タイトルに”館”と付けるだけに、などとベタなことを思う。 ひとつひとつパーツを集めて全体像を埋めていく。 そして最後、関係者がひとつの部屋に集まる。 王道。 ただ、頭に浮かぶイメージは、それぞれがレンブラントが描く集団肖像画になったような様だ。 久々にエンタメ小説を読み、お腹いっぱいになった。 | ||||
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ストーリーは確かに面白いのです。登場人物は確かに魅力的ですが、カタカナであるのか、数人出てきただけで、誰が誰だか分からず混乱してきました。 | ||||
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名前と「夜警」ぐらいしか覚えていないので面白そうと思ったら、主役ではなかった。 記憶喪失の男とレンブラントの息子が主役で最後の謎解きの美味しい所を画家が持って行ってしまった。 二つの謎、絵画から抜け出して徘徊する人物、ペストで死んだ人間が復活する。 一番驚いたのは主役の一人の正体だった。 | ||||
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物語は本書の表紙を描いたレンブラントの作品を思わせる暗闇のなかから浮かび上がります。 闇の向こうでは1662年晩夏のアムステルダムの市街が雨の中にたたずんでいます。 記憶を失った男は運命に導かれるように謎の事件に巻き込まれ、 事態はつねに読者の予想を裏切りながらしだいに混沌の度を深めていきますが その間も運河の水位はしだいに上昇して、アムステルダムは水没の危機に直面します。 しかし解決不能と思われたすべての謎は、予想外の人物によってみごとに解き明かされ、 無数にはりめぐらされた伏線はすべて回収されて、記憶を失った男の正体も明らかになります。 そして最後に南洋奇譚を思わせるなんとも不思議な余韻が残されるのです。 つまり、おもしろくておもしろくてぐいぐいと引きこまれる作品なのです。 ちなみに、本書に登場する人物はほとんどすべて実在の人物なので、 それを知るとさらに感興が増すと思います。 | ||||
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