アニーはどこにいった
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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一人称で全編にわたって独特の辛口の皮肉口調で語られるため、柔らかな文体を好む読者はアレルギー反応を起こすかもしれない。 作品としてはまずまず面白い。確かに「it」と「スタンド・バイ・ミー」っぽい。 読み終わって、結局アニーはどこにいったの?何が起こったの?「息子じゃない」は何だったの?と釈然としなかったのだが、巻末の解説を読んで「ある作品のオマージュ」であることに気づけば納得する。「ネタバラしは避ける」という解説文を尊重し 、作品名は書かないがヒントだけ。1989年と2019年の2度映画が公開になった作品。 | ||||
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前作よりホラーに寄り、スティーブン・キングに寄っている。前作と同じく、現在と過去を交互に描かれており、少年時代の友情や憎しみ葛藤、そして暗い秘密が徐々に明らかになる構成で物語には引き込まれる。 キャラにも工夫の跡があり、主人公と悪友その彼女の愛憎入り混じった三角関係?は切ないし、女性ギャングのキャラも面白い。 しかし、”アニー”の設定自体ですぐに話の構図が、キングの有名作品と同じ、というのがわかってしまうので盛り上がりにかける。 前作と続けて読んだこと、期待が大きすぎたこともあり少し残念だったが、文章が抜群にうまいし構成も見事なので、次回作に期待。 | ||||
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スティーヴン・キングへのオマージュ色の濃いホラー風味のミステリ。主人公で語り手の英語教師のジョー(33歳)の妹アニーが8歳の時に失踪した事が物語の発端である。ジョーの前任の教師ジュリアが「息子じゃない」という血文字を残して自殺したと言うし、ジョーの同僚のベスが自殺した生徒のエミリーを教え子だったと意味のない嘘を吐くし(赴任日の関係で嘘は明白)、ジョーの友人(後述のクリス)が不可思議な自殺を遂げるしで、まさにホラー。しかし、ジョーは25年前、ジョーと友人達が鉱山跡の洞窟探検に行った際にアニーが失踪し、恐ろしい事が起きた事を記憶しているし、その後、アニーにもっと恐ろしい事が起きた事も記憶している。封印していた恐ろしい記憶。過去の忌ましい記憶と現在の忌ましい事件。これをミステリとして収束させるという趣向らしい。 そして、ジョーが帰郷する際の描写はスティーヴン・キング「呪われた町」そのものである(隠そうともしない確信犯)。これでミステリになるのだろうか ? (今の所、"吸血鬼"がフェイクなのか否かは判然としないが)。そして、ジョーは少年時代の"いじめっ子"で現在は町会議員のハースト(の妻マリーはジョーのかつての憧れの人だったが、今は末期癌に冒されている)と出会う。その直後、ジョーはハーストの手下に襲撃されて病院に搬送されるが逃走し、ジョーがギャンブル漬けだった頃から付け回す借金取立人グロリアの車で自宅へと運んで貰う。ここで思い付いた。ジュリアの「息子じゃない」という言葉はジュリアが、息子ジェレミーに見えるモノが"本物のジェレミー"ではないと言っているのではないか ? 一方、ジョーは例の鉱山跡を訪れ、"同じ事"が再現するのではとの恐怖を覚えた上に少年時代の友人で自殺したクリスの遺留品らしきものを発見するが、坂道を滑り落ちてしまい、バーテンダーのローレン(ジュリア家の掃除係だった)に助けられる。更に、上述のハーストの手下フレッツがジョーの自宅に突然やって来る。登場人物や状況が次第に広がって行くスティーヴン・キングの作品を彷彿とさせる進行である。この後、ジョーに依る洞窟探検時の回想譚が挟まれる。ふーん、「ペット・セメタリー」に似て来たな。「呪われた町」ではなく「ペット・セメタリー」で「禁忌の場所」という訳だ。終盤、ベスがエミリーは教え子ではなく姪だと告白する。そして、ハーストはマリーの命を救うために「禁忌の場所」を利用しようとする......。 これで、「禁忌の場所」の存在を除けば、全てのエピソードがミステリ的に綺麗に繋がった。「語り手」の欺瞞の手法も切れている。「ペット・セメタリー」中の「禁忌の場所」を利用している点は気になるが、これもオマージュの一種と捉えるべきであろう。スティーヴン・キングへのオマージュを散りばめながら、ミステリ的手腕を発揮した作者の力量が光る傑作だと思った。 | ||||
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同時期に「眠れる美女たち」を読んだ。ドンペリとシャンメリーくらいの差かな? | ||||
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あとがきでも書かれているように、某作品のネタをミステリの手法で語りなおす、という趣向の作品です。しかし道具立てや、設定に既視感はあっても、出来上がった作品は読者の安易な予想を裏切る見事な出来栄えです。 ストーリーの設定上、読んで明るい気持ちになる小説ではありません。しかし徐々に明らかになる謎の見せ方、陰影に富んだ複雑な性格を見せる人物造形など読みどころも多く、ミステリ、ホラー好きなら読まなければ、損だと思います。 | ||||
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