退職刑事
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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安楽椅子探偵の究極の構成である対話形式のみの進行で語られる中で、惹き込まれる展開には個人的に大好物の部類に入る作品でした。本格好きにはこういう作品に好意を持つことが同様の作品の向上に繋がるのではないかと個人的には思います。 | ||||
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これでは第2巻以降を手に取ろうとは思いませんでした。 | ||||
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未読の方はご注意ください
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評論書『黄色い部屋はいかに改装されたか?』で、都筑道夫は「トリックよりロジックが大切だ」というようなことを言っている。そしてその実践例として、自らの『退職刑事』シリーズから「ジャケット背広スーツ」という作品を創った経緯を述べている。 それで興味をもち、本書を読んでみたわけだが…うーん、あまり面白くなかった。よく考えてみれば、わたしは『隅の老人』も『九マイルは遠すぎる』もあまり楽しめなかった記憶がある。トリックよりロジック、そしてロジックよりプロット、と考えるミステリファンなのだ。 都筑道夫はまた「名探偵は必要」という主張でも知られるが、本書ではあまりに登場人物がキャラ立ちしていなくて、魅力が感じられないことも残念だった。短編集だから仕方ないのか? でも名探偵が必要と言うなら、短編集であってもそれなりのキャラクターを創造してほしかった。 解説では、褒めているのか褒めていないのかよくわからない解説を法月綸太郎が書いている。要は手放しでは褒められないが、褒めるべきところがないでもない、ということだろう。シリーズは6冊まであるようだけれど、もういいかな、十分かなという気がしている。 | ||||
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作者が常に唱えていた、 ・トリックよりもロジックを ・名探偵の復活を 等を念頭に書かれたものとしては、キリオン・スレイ・シリーズ(電子化してくれ~)と双璧をなす、出色の出来である。 子供の頃から何度となく繰り返し読んできて、いくつかはストーリーや結末を憶えてしまっている話もあって、ちょっと読む楽しみが減ってきたのが残念である。 それほど面白いシリーズだが、本当にそう思えるのは2巻目(もしくはせいぜい3巻目)くらいまでで、それ以降は惰性というか、ちょっとロジックにとらわれる余り、段々と面白味が無くなっていってしまう。多分作者としては当初はこんなに書き続けるつもりはなく、好評を受けて出版社に「書かされた」から(無理をしたの)であろう。こうなると作者も言うとおり、本来ウリであったはずの限られた設定(親子2人の会話で進行する)、ということも限界に拍車をかけることになっているのは皮肉なことですらある。 色々書いたが、2巻目までは間違いなく面白い小説(作品集)であることは保証できることを強調しておきたい。 | ||||
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かつては硬骨の刑事、今や恍惚の刑事になりかかった父親が、捜査一課の現職刑事である息子の家を頻々と訪れる。五人いる息子のうち、唯一同じ職業を選んだ末っ子から現場の匂いを感じ取りたいのだろう。その息子が目下捜査中の事件について話を始めると、父親はあれこれと突っ込みを入れ、あげく真相を引き出してしまうのだった……。記念すべき第1作「写真うつりのよい女」をはじめ、推理の過程が秀逸な「ジャケット背広スーツ」など、7編を収録。 | ||||
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悪くはないとは思うんだけど 昭和だなぁって感じ | ||||
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作風の相似や名探偵の多さで日本のE・D・ホックと呼んで良いと私には思えるトリッキーな短編本格派ミステリーの名手・都筑道夫の自信作「退職刑事」シリーズ第1弾です。五人いる息子の中で唯一人の現役刑事の末っ子を助けて奇怪な難事件を鮮やかに解決してみせる退職刑事の父親が名探偵のこのシリーズですが、先でどうなるかは未確認ながら今の所「退職刑事」の姓名は不詳で、僅かに息子の名が「五郎」その妻が「美恵」としか明らかではないですね。作品の構成としては息子が語る奇怪な難事件の詳細を父親の退職刑事が聞きながら推理し必ずや意外な真相を暴き出すという形で少々ワンパターンな面はありますが、でも二人の掛け合いのしゃべくりの楽しさや発想の転換による推理の面白さが存分に味わえますし「日本版の正統派安楽椅子探偵」として大満足の出来栄えと言えるでしょう。 『写真うつりのよい女』男物のパンツ一枚をつけただけで後は素裸の女の死体が自宅マンションで発見される。記念すべき第一作は実話を基にした創作で、奇妙奇天烈な状況に対して大胆な発想でねじ伏せて説得力を持たせていますね。『妻妾同居』妻妾を円満に同居させ、セックス絵日記をつけている事で有名な絶倫男が殺された。物事を額面通りには受け取らずに疑ってかかり裏の裏を推理するおやじさんの艶っぽい鮮やかな名推理ですね。『狂い小町』精神病の女が昼間に他所の無人の家で殺されているのが見つかるのだが動機を含めてさっぱり見当がつかない。少々突飛で荒っぽい筋書きですが、著者の常に意外性に満ちた状況を考え出す想像力は一級品ですね。『ジャケット背広スーツ』中年の未亡人が殺された事件の容疑者が出して来たアリバイは地下鉄のホームで上着を二着手に持っている男を見たという何とも奇妙な話だった。本編も著者の実体験に基づく創作で、とにかく一応の辻褄が合うストーリーを組み立てて信じ込ませる著者のお見事な才能には唯々感心するばかりですね。『昨日の敵』裕福な男が殺され妻君と妊娠中の二号の女は互いに「犯人はあおの女だ」と言い合い殺人の前には殺人予告らしき小道具も目撃されていたという。本編はちょっと著者が気前良くヒントを出し過ぎではありますが、相変わらず見かけ通りではない欺瞞の人間ドラマをこしらえる腕は絶品ですね。『理想的犯人像』会社の同僚の女の家に夜忍び込んで強姦し殺したと男が自首して来るが、翌朝その女の死体が家から離れた外で発見されるという怪事件が起きる。このトリックは種明かしされてみると「何だ」と拍子抜けしてややガッカリしましたが、途中までは理解に苦しむ不可能興味の魅力が楽しめましたね。『壜づめの密室』ボトルシップの中に死体の人形が現われるという殺人予告の通りに製作者の居候の男が殺される。本編はタイトルに使われながら密室その物がテーマではないのが肩すかしで非常に残念でしたが、今回も著者は手の込んだ複雑怪奇な陰謀ストーリーで楽しませてくれましたね。 | ||||
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