七十五羽の烏
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かつてはペダンティックなことが探偵小説の醍醐味とされてきたが、いま読んでみると、この物知りぶった・自分で自分の知識に酔ったkぽのペダンティックが鼻につくだけでなく、推理の邪魔になるだけ。虚名だけ高いこの作者の実力のほどがわかって、この作者のものはいっさいもう読む気がしない。この策も途中で読むのを放棄した。 | ||||
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単行本も持っていたのを紛失してしまい、探していました。 他の作品も入っていて、お買い得でした。 | ||||
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著者の本格マインドがあふれた傑作である。 ただし、昨今の新本格系作家の作品のように、はたまた乱歩や正史のように鬼面人を驚かす、というところがない分、非常に地味に見えるのが損なところである。 著者は、いわゆる英米の新本格、「野獣死すべし」のブレイクや「Xに対する逮捕状」のマクドナルドなどにシンパシーを持っていた。 つまり、設定や展開が派手でなくても、謎の提出とその解決の論理性が鮮やかであればよい、ということだ。 だから、孤島も奇妙な館も出てこないし、奇矯な言動の人物も登場しない。 本作でも、探偵役だけはエキセントリックだが、それ以外は実に地味だ。 ただし、謎とその伏線、そして解決に至るロジックには見るべきものがある。 この本格ミステリ度の高さには、感動する。 しかし、どのくらいの読者が、この地味な展開を評価するだろうか。 派手な展開、奇妙な舞台など、読者が興味を持つ作品の装飾には、著者はほとんど関心がなかった。 だから、本格ミステリにおける本作の評価は、本当にマニアックなファンに限定されている、というのが実情だ。 倉知「星降り山荘〜」のように、本作をモチーフとした作品があるほど、マニアには愛されている作品である。 その、堅実であるがあまりにも地味な展開が、残念である。 また、片岡直次郎は本作ではワトソン役に徹しているが、「一匹狼」という短編集では主役をはっていた。 著者が故人であるため、望むべくもないのだが、彼が主役のアクション・ミステリ長編も、読みたかったと思う。 | ||||
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「都筑道夫」コレクション中の一作で、タイトル作の他6つの短編、5つのエッセーを含む作品。コレクションという事でこのような変則的な形式になったと思われる。 タイトル作は、平将門の娘瀧夜叉姫伝説が残る村で、旧家の一族3人が次々と謎の死を遂げるという横溝作品ばりの設定だが、作者はこれを論理性と軽妙味を持って処理する試みをしたようだ。探偵役は"ものぐさ太郎"をもじった物部太郎。金に不自由のない身分で働く意志は全くないが、父の眼を気にして心霊探偵の看板を挙げている。この太郎が助手の直次郎と共に心ならずも上述の事件に巻き込まれて行く姿を描いたもの。ミスディレクションという言葉が本文中にこれ程出て来る作品にはお目に掛かった事はない。その他、各章の冒頭に当該章の要約が付いていたり、タイトルの意味が最後まで分からない等の作者らしい遊び心はあるものの、肝心のトリックが作者にしては凡庸で惜しい気がする。 「キリオン」物2編は共に密室を扱ったものだが隙が多い。トリックより人間模様に比重を置いた感じ。「退職刑事」2編は、退職した元刑事の語り聞きに依る安楽椅子探偵物だが、共に謎の案出・処理の仕方が巧妙で、本作のカテゴリー<本格推理編>に相応しい出来。特に後者はH.ペンティコースト「子供たちが消えた日」を思わせる発想の拡がりに感心した。「なめくじ長屋」シリーズ2編は共に妖異譚風の物を選んだようだが並の出来。最後のエッセーは自作解題となっている。 都筑作品の様々な魅力が楽しめる構成だが、特に「退職刑事」の2つの短編が光って見えた。 | ||||
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表題の「七十五羽の鳥」は、謎を解くすべてのカギは読者に提供されるという「本格推理」の形を取っている。 物語は物部太郎というものぐさ太郎の祖先だという男が、父親に「一年だけ働け」との命令を受け、「客のこなさそうな」サイキック・ディティクティブの事務所を構えるところから始まる。物部太郎はこの事務所で、十分にぐうたらして過ごしていたが、そこに瀧夜叉姫の呪いに関する事件が持ち込まれ、ものぐさな太郎は事件に巻き込まれていく。 事件の最中でも、そこから逃げ出すことを第一に考えているという奇妙な「探偵」役を主人公にした本格ものとなっている。 また、この「七十五羽の鳥」には、不思議な事件が大好きだという日本語が片言の外国人キリオン・スレイを探偵役とした短編、退役した刑事が現職にある息子を通じて知った事件を解決する安楽椅子探偵形式の「退職刑事」、そしておなじみ「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの2編が収録されている非常にお得な一冊だ。 いずれも都筑さんのミステリらしく、どんなに謎に満ちた事件でも、論理的に説明ができるという素晴らしい作りになっている。最後には、都筑さんがこの「七十五羽の鳥」を執筆するにあたって気をつけたことなどを記したエッセイもあり、非常に考え抜かれたストーリーであるということを再確認することができる。 | ||||
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