三重露出
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これまで読んだ都筑道夫の小説で面白いと思ったものはありません。 | ||||
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本書収載の「三重露出」は、著者初期の凝った本格ミステリの傑作である。 著者はその初期に、実に懲りに凝ったミステリを創作していた。 「やぶにらみ〜」に始まり、「猫の舌〜」、「なめくじ〜」、から「誘拐作戦」まで、一作ごとに趣向を変え、またさまざまな工夫を凝らしていた。 本作は、スパイ・スリラーと本格ミステリのハイブリッドといった体裁であるが、そのスパイ・スリラーパートに本格パートの謎を解くヒントがある。 しかも、本格パートの登場人物が訳した作品が、そのスパイ・スリラーである、という、この手の趣向が好きな読者にとっては、踊り出したくなるような凝り方、複雑さなのだ。 ただし、その凝り方が成功しているか、といったら、少々怪しい。 このスパイ・アクションパートが、あまりにも面白すぎるのだ。 本格パートなんて、なくてもいいじゃん。 全部このアクションものでいいよ、と読者に思わせてしまうほど、痛快だ。 だが、これは著者にとっては失敗であり、アクションパートが面白い分、本格パートが地味で、つまらなく見えてしまう。 この趣向に着目し、それを実践した著者のミステリ魂は評価したい。 ただし、作品のレベルがそのミステリ魂ほど高尚かどうかは、読者ひとりひとりが判断すべきであるが、その評価はなかなかに難しいものだ。 | ||||
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パロディものの短編集。 ミステリの探偵を気取って事件に首を突っ込むという「もどき」をテーマにしたものは、「ポアロ」と「半七」を収録。また、ジェームズ・ボンドを日本に初めて紹介した著者らしく、007ならぬ000というスパイを面白おかしく書いている。 表題にもなっている「三重露出」は、二つの構造を持っている。 一つは海外もののミステリ、日本にやってきて忍術を学んでいるアメリカ人青年サム・ライアンは、道でたまたま助けたアメリカ人に「サムライに渡してくれ」と不可解なものを手渡される。そこから事件に巻き込まれ、忍術を使う日本の女たちとの戦い、そしてジェームズ・ボンドばりにさまざまな女たちとのベッドシーンを繰り広げる。「いかにも」といった風の、日本を舞台にした血沸き肉踊る、しかし非常に怪しげな海外ミステリであるが、もちろんこれも著者の創作である。 そしてもう一つの側面として、この海外ミステリを翻訳する滝口という男の物語が挿入されている。彼はこのミステリを翻訳していた際、この小説の中に自分の知っている名前、「ヨリコ・サワノウチ」という名を発見する。この女性は、すでに2年前に何者かに殺され、そして犯人が見つからないままになっていた。 一方では「海外ミステリらしさ」を上手に出したドタバタ活劇、そして一方で訳者の世界で進む二年前の事件の犯人探し。とにかく面白く、都筑先生の偉大さを感じさせる一冊だ。 | ||||
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