一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。

優秀でありすぎるが故に引きこもりとなった18歳の堤隆太の前で、突然手首を切った女性。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。

ピアノ調律師の一藤麻衣子には、秘密があった。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

タワーマンションが建ち、人口が急増する街で古くから続く花屋を営む桜子。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

和久井ミモザは、死の床にある父親に届いた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、大阪に赴く。

友人と旅行代理店を経営している四十二歳の鞠子は、十一歳も年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」とは名ばかりの、くすんだ灰色のマンションをたびたび訪れる。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

認知症になった益恵を、二十年来の友人アイと富士子が最後の旅に連れ出した。それは、益恵の人生の足跡を辿る旅。

ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国ー狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女…都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。

函館で有名な岩倉家の美人三姉妹。その三女が行方不明になった。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

「死者の提示する謎を、先生が解き明かしてくださいーー」 推理作家として難事件を解決してきた香月史郎【こうげつしろう】は、心に傷を負った女性、城塚翡翠【じょうづかひすい】と出逢う。

東京・池袋で男の刺殺体が発見された。警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査の過程で捜査一課長からある密旨を受ける。

母親がもたらすストレスで精神を病んだ大西恵子。父・浩平は娘のために親子二人暮らしを決意し、神戸へ。

Ｋ氏には人目をはばかる趣味がある。

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。

葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。

ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。

Iターンプロジェクト担当公務員が直面するのは、 過疎地のリアルと、風変わりな「謎」――。

昭和41年。地方の資産家楡家の当主がゴルフ中に心筋梗塞64才で逝去。

鉄道マニアの公務員・小日向巧はある日、廃駅で立ち入り禁止となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作、待望の文庫化です! どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。

歌舞伎「忠臣蔵」の上演中、衆人環視の舞台上で絶命した役者。さらに客席にも男の死体が発見される。

孤独を愛する人気作家が突然の断筆宣言。担当編集者は作家の住む地方へひとり、向かった。

都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

堀川次郎は高校二年の図書委員。

埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。

志賀倫成は、大手出版社の雑誌『週刊春潮』の副編集長。 スキャンダル記事に自負を持ち、充実した編集者生活を送っていた。

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞、U-NEXT・カンテレ賞受賞作! 私立百合ヶ原高校には奇妙な伝説がある。

「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。

友人と旅行代理店を経営している四二歳の鞠子は、十一歳年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

HOW=不可能な謎専門の御殿場倒理。WHY=不可解な謎専門の片無氷雨。

1964年のオリンピック決定に沸く東京で、競技場近くに住む一人の男が失踪した。

沖縄の互助組織、模合。

銃撃テロを生き延びた五人。

母親が生活苦から新興宗教に入信し、教団施設で生まれた妹。

バラバラ死体をビニール袋に詰めて川に捨てていた女が、都内で現行犯逮捕された。

無二の親友は確定死刑囚だった――。司法の裁きと救済の意味を問う、哀切の社会派ミステリ! 囚人に仏道を説く教誨師の顕真。

名探偵は肩にいる!? 不可解連続殺人の謎 三津木六兵には秘密がある。

片桐真治は亡母の遺品から、行方不明だった母の弟・赤石の住所を知った。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い繁華街の骨董品店に緊張が走った。

もう一度だけ亡くなったあの人に会えるとしたら、あなたは何を伝えますか? 死者との再会を叶える使者「ツナグ」。

鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。

女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。

五人全員が死んだとき――本当の「事件」が始まる。

刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。

医科大学の脳外科臨床講義初日、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。