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黒鳥の湖
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黒鳥の湖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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この小説を読み始め、最初の100ページくらいでドラマがあることに気がつきました。 たいていはドラマの方がエピソードを端折ってあって小説の方が詳細に描かれているので、映画やドラマがある場合、いつもそちらを先に見ることにしています。そんなわけで中断してドラマを見たのですがほとんど小説に忠実に作られていたので、その後の読書はまったく同じ話をなぞることになり、ちょっと退屈してしまいました。 最初に素直に小説を全部読んでいたらおもしろかったと思います。 この著者は人間のいやな面を書かせたら本当にうまいです。この作品でも人間的に好きになれる人物が誰もいません。 主人公の財前は自分勝手な理由でぐれたあげくに後ろ暗い行いで資産を得、会社経営者にのし上がり美しい妻と娘を得て豪邸に住んでいます。 が、妻の過去の愚かな行いは後々までやっかいな因果を残し、それで宗教にたよるのもどうかと思いますし、最愛の娘がぐれた理由は理解できないでもないですが、失踪した経緯は自分勝手で納得がいきません。 まわりの人間も利己的な理由のために互いを利用しあっています。 後になって振り返ると後味が悪いはずなのですが、すべての伏線が最後にかちっとはまる小気味よさがあります。ただただ人間とは愚かで因果なものだと思わされます。 俗に言うイヤミスですが、この著者の作品には今のところはずれがありません。複雑で奥が深い作品だと思います。 | ||||
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彰太は優良企業「ザイゼン」の社長であり、愛する妻と高校生の娘と幸せに暮らしていた、はずだった。 彼の日常を襲ったのは、突然豹変し、エスカレートしていく娘の非行問題だけでなく、世間を騒がせる「肌身フェチ殺人事件」。なぜなら、彰太が昔、悪意をもって伯父をその犯人と名指しした事件と酷似していたからだった。 真犯人が動き出したのか、それとも? ということで、よくわからないエピソードが徐々に一つの形になり、全てが結びついて、というスタイルのサスペンス。当然、こういうスタイルだと、高等技術が必要であり、本作では相当強引で無理な筋立てになっている。 本作中で語られる犯行形態(特に彰太の妻の受けた被害)はかなり凄惨で非道なものであるにもかかわらず、奥行きのない薄っぺらな登場人物たちの、どことなく間延びした緊迫感が足りない感じとのギャップが、気になった。 | ||||
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私がこの作家と出会いファンになったのは「愚者の毒」を読んだとき。怪談作家と呼ばれながら、 この作品では「怪談」の要素を排除し、極めて現実的な「怖い話」を読ませてくれた。そして、 本作品「黒鳥の湖」も怖い話ではあるが、現実的な複雑な筋書で人間の「業」を描いた推理 小説だ。過去に自分が行ったことの因果は後に必ず何らかの形で降りかかってくる。上場会社 の社長財前彰太は、美しい妻と一人娘に囲まれ順調な仕事に恵まれて幸福な生活を送っている。 だが、叔父から遺産を引継ぎ今の会社を築いた彼には、叔父の死に関して人に言えない秘密がある。 その財前家の一人娘美華が、どういうわけか急に親に反抗的になり、やがて失踪する。 そして、出てくる財前家の疎ましい過去の数々。「肌身フェチの殺人鬼」という見えない 異常者がこの物語の恐怖感を煽ってくる。やがて最終章ですべての謎が解けるのだが、幾重にも 張られた伏線の回収が見事だ。途中、やや中だるみの感はあったが、それも伏線の一つだった かも知れない。最後の最後に圧倒される作品だ。 | ||||
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読み始めはなかなかかな、と思ったが結局おざなり❗️途中から読み飛ばした❗️ | ||||
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「肌身フェチの殺人者」というセンセーショナルな殺人事件のミステリーのわりには、物語の中ではサイドストーリー的な扱いと思い、どちらかと言えば、家族の繋がりと崩壊、再生がテーマかと感じていました。 しかし終盤、家族の秘密が明らかになると共に、畳みかけるような展開で全てが繋がり、犯人捜しとしてもミステリー色が前面に出てそちらも楽しめました。 | ||||
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すらすらと読めました。止まらなかった。なんとなく犯人はこの辺りの人かな、とわかってきますが、数々の伏線がなんとも面白い。お貸しした友人もよかった、と言っていました。 | ||||
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最高におもしろい。あっという間に読んでしまいました | ||||
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彰太という会社の社長を主人公としたミステリ・タッチの家族小説。彰太には2つの悩みがある。1つ目は18歳の娘の美華が突然非行に走った事。作者としてはこちらが本線なのだろうが、取り敢えず、こちらは保留して置く(明かされる理由が明解なので)。一方、現在進行形で「肌身フェチ連続殺人鬼」と呼ばれる犯人の犯行が起きている。2つ目の悩みは、彰太が若い頃に勤めていた興信所に「肌身フェチ連続殺人鬼」と同様の手口で娘の奈苗が被害に遭ったと訴える谷岡という老人が訪ねて来た事を利用して、自分に財産を残そうとしない伯父の文雄を、あたかも犯人であるかの様な報告書を谷岡に提示して、谷岡に文雄を殺させる計画を立てた事である。実際に、文雄は殺され、彰太は財産を相続して会社を設立するのだが、本当に奈苗という女性が存在して被害に遭ったのか、谷岡が本当に殺したのか曖昧模糊となり、谷岡が殺したのでなければ「殺人鬼」を見逃した事になり、それが現在の「肌身フェチ連続殺人鬼」に繋がってしまったという後悔と、当然、自身の過去の計画がバレる事の心配・保身である。ミステリ的には、過去の「肌身フェチ連続殺人鬼」とは誰か(存在したのか)、文雄を殺したのは誰か、現在と過去の「肌身フェチ連続殺人鬼」はどう繋がっている(あるいは繋がっていない)のかが焦点である。 そして、物語の自然な流れとして、美華があたかも現在の「肌身フェチ連続殺人鬼」に攫われたが如く、忽然と姿を消す。一方、奈苗という女性が実在して被害に遭ったのは事実だが、文雄とは(同じ町内というだけで)無関係な上に、その時の犯人は「肌身フェチ連続殺人鬼」とは程遠いと言う。ここで、文雄の家政婦だった清水という女性の歪んだ正義観が浮かび上がるが、この清水の現在の姿は作者の描き方で容易に予測が付いてしまう。文雄の殺害犯も、現在の「肌身フェチ連続殺人鬼」も同様。前半の伏線を巧みに回収しているだけに、この堂々とした(?)描き方は惜しい。 物語を仏教的因果応報譚に纏め様としたり、ミステリ的にやや不満が残るものの、上述した以外の木目細かいエピソードも織り込んで、ミステリ・タッチの家族小説としては読み応え充分の力作だと思った。 | ||||
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戦慄が走る展開が続いていく。 闇深くベールに包まれた過去。 その行為は絡み合って現状につながっていく。 自因自果、因果応報。 因縁生起。 すべての原因は自分にあり、その結果がここにある。 そのかずかずの事象は複雑に関連し合って起こっている。 | ||||
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「これは無理に入れなくても良かったかもな」っていう意外な結び付きもあったものの、文章が上手なのでスラスラ読めます。分厚い本なので徹夜でイケますw 最後の最後がちょっと蛇足で物語の締めに鳥肌が走らないのは残念かな。あと物語中盤から「この人がどう考えても黒幕だろ」ってわかってしまう。 上記二点抜きにしても楽しめます。読み応えは充分あります。 | ||||
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縦、横、斜めと放射線状に交差する登場人物らの「因」と「果」が、主人公を中心に複雑に絡みあい、それを丁寧にほどいていく展開。思わず引き込まれました。いくつかの事件でやや現実性にかける面がありその点をマイナス評価としたものの、伏線の張り方や「因果」の多層性は読者を十分満足させる内容となっています。 | ||||
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