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長いお別れ
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【この小説が収録されている参考書籍】
長いお別れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全290件 241~260 13/15ページ
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長年、清水氏訳の「長いお別れ」を愛好してきたが、ここまで夢のように酔わせてくれる作品だとは思っていなかった。 風景描写のひとつひとつにさえ、チャンドラーの感性がより血肉となって感じられるようになっている。 さらには、マーロウとテリー、リンダ、あるいはオールズとの会話では、マーロウの人となりや心情がよりリアルでクッキリとしていて、マーロウ好きにはこたえられません。 その上、滑らかさも深みも洒脱さも増し、まさに酔える。 清水訳が「マーロウを見れる」なら村上訳は「マーロウに会える」と言えるのではないか。 | ||||
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すごい思いがいっぱい詰まった翻訳すぎて、本人も書いているようにとても個人的な翻訳です。あまり読んでいる人の入り込むところがない翻訳なのだけど、この翻訳を読んでしまうと前の訳で読む気があまりしない。最近のCDのリマスターに似ている感じです。 | ||||
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チャンドラーと村上さんの共通点は、空気を描くことのできる作家だということだ。 どちらの描く空気もわたしは大好きだ。 The Long Goodbye は、清水俊二さんの訳でも原文でも読んだ。 それを前提として、言うのだけれど。 チャンドラーがこの作品で描いた空気は、清水さんの訳の醸す空気のほうと似ている。 村上さんの訳のほうがより緻密なのに、なぜだろう。 清水さんはひょっとしたら、文章ではなく空気を訳したのかもしれない。 まあそれはともかく、エッセイを書きなぐっても絶対に売れるであろう村上さんが 途方もない時間をかけて取り組んだであろうこの訳本に接して 思い入れの分だけ、原文よりちょっと自意識過剰に思われるマーロウを見るにつけ チャンドラー好きとしては、うれしくないはずがない。 村上さん、ありがとう。 カリフォルニアの都会の日陰の、乾いた孤独のしみ入るような淋しさのよろこびを もう一度思い出すことができました。 | ||||
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久しぶりにハードカバーでかなりボリュームのある一冊。チャンドラーを読んだのは初めてですが、ハードボイルドという感情描写をできるだけ廃した小説ながら、主人公である探偵マーロウ、周りの幾分影を持つ各キャラクター達ともに、細やかな行動描写と台詞(巧すぎ)により読み進むにつれてしっかりとした輪郭を持ってくるので、内面を多くは語らないマーロウにも次第に感情移入していきます。そして暴かれる真実達にびっくりしながら一気に読み終えると、まぁなんともいえないほろ苦さ。というか煙草臭い哀愁が漂ってくる不思議な読後感。深みのある小説ほど、読後生温く容赦なくからみつく空気に包まれてしまうものですが、これはまさにそういう作品でした。これから何度も読み直す事になるでしょう。チャンドラーが名立たる作家達から崇拝され、ハードボイルドの巨匠といわれる所以は、チャンドラー未読の方でも、この本を読めば納得できる筈。2000円の価値以上のものがあるので、是非一読を。 | ||||
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今回の村上訳でハッキリわかったのが、チャンドラーの第一世界大戦時の負傷経験とアルコールへの逃避がテリー・レノックスとロジャー・ウェイドに濃厚に反映されていたこと。『ロンググッドバイ』のラストを最もデフォルメしたのは、ロバート・アルトマン監督ですが、物議をかもした映画のラストはアメリカ社会の第二次大戦までの帰還兵と、ベトナム帰還兵の扱いの差なんだとハッキリとわかりました(アルトマンの映画は1970年代に物語が設定されています)。 第二次大戦までの帰還兵は、いろいろあったんだろうけど、ヒーローなんだから、とまだ暖かく迎えてくれたわけですが、ベトナム帰還兵はそうではありませんでした。ベトナム帰還兵は逆に神経がおかしいとみなされた末に撃ち殺される可能性だってある、ということをアルトマンは訴えかけたかったんだと初めてわかった次第です。チャンドラーはハリウッドに招かれて映画史上に燦然と輝く『深夜の告白』の脚本も書きましたが、そうしたオリジナル脚本のひとつに、第二次大戦の帰還兵が殺人事件にからむ『青い戦慄』という映画もあります。チャンドラーのオリジナル脚本では帰還兵・ベンディックスが実は真犯人だったという設定になっていましたが、検閲の末、別の人物が犯人に変更されて公開されたといういわくつきの映画なのですが、この『青い戦慄』も観たいと思いました。 | ||||
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ずいぶん以前に清水俊二氏訳で「長いお別れ」を読んだが、正直これほどの感銘は受けなかった。 今回、改めて読んでみると、なぜかフィリップ・マーロウに(テリーや他の登場人物にも)かなり感情移入して読んでいる事に気付いた。 また、マーロウの体温(のようなもの)やタバコの煙、ギムレットのビターな匂い、またL.Aの街にただよう陽炎まで行間に感じ取れる。印象として、素晴らしい訳、素晴らしい「ハルキの作品」と感じた。原文を読んだことは無いが、一語〃丁寧に翻訳している、そんな印象を受ける。もう一度清水俊二氏の訳と読み比べてみたくなった。 読後に感じるある種の寂寥感(のようなもの。言葉足らずでスミマセン)はハルキの「ねじまき鳥…」や「ダンス・ダンス…」などの作品群にも合い通じるものがある。 | ||||
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丁度少し前にペーパーバック版の英文を清水俊二訳の文庫本で参照しながら読んだのですが、有る部分がスパッとカットされてるのではなく、台詞や情景描写中の数語が端折って意訳されてる部分が多々ありました。そう言う意味で今回の村上春樹訳「ロング・グッドバイ」の登場は完全本としても大いに価値があると思います。 清水訳の味わいも捨てがたいのですが、極端な意訳をせず丁寧に一語一語訳してあるだけに、村上訳の方がオリジナルの世界をストレートに感じさせてくれます。あの名台詞の数々も素敵です。 どちらかと言うと清水訳の方が意訳の幅が広い分、よりセンチメンタリズムを感じさせてくれる気がしないでもないですが、村上訳は、深々と地味にその辺りが胸に響いてくる感じですね。 いずれにせよ、この名作が新たな訳で読めるのは喜び以外の何物でもありません! | ||||
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グレート・ギャツビーとこのロング・グッドバイを村上春樹訳で読んでみて思ったのは、やはりかなりの影響をこの二冊から受けて村上春樹という作家が出来上がったんだなということ。スピード感やハードボイルド臭さは清水俊二訳のほうがあるけれど、新訳は読みやすく、素直に物語に入って行ける。初めて読むならこっちがオススメです。 | ||||
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なんと言っても「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」。あの台詞がくだけたんだ。それだけ現代的に、そして読みやすく翻訳された。それにしても長かった。だけれども、最高に面白かった。 | ||||
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村上春樹がレイモンド・チャャンドラーを翻訳した。これ以上の楽しみはそれほど多くはありません。読んでいる最中は至福の時。また巻末には村上春樹によるチャンドラーへの文章を寄せているのですが、これだけでも味わい深いものがあり、最初から最後まで楽しめる一冊です。 | ||||
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『ロールズロイス』という村上ファンならおなじみの“ズ”のこだわりから始まり、 流れるような美しい文体で冒頭の不思議な男の友情話に引きずりこまれます。 「私」については確かに、清水マーロウとの差はあまり無いように思います。 が、テリー・レノックスが素晴らしいです。村上ワールドに必然的に存在する悲しみを 湛えたキャラクター造形に脱帽しました。 お恥ずかしい話ですが「長い間離れているお別れ」 ではなかったんですね!「お別れの言葉を言うのに長くかかる」という意味だと気づくまで、実に40年かかった! 思い込みとはおそろしいものであります。 そういえば「キャッチャー…」の時もフィービーの誤字の話はまったく知りませんでしたっけ! | ||||
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あくまで清水俊二訳との比較においてですが、原文に忠実な翻訳です。 とはいえ、紳士的過ぎると批判されていた清水マーロウ同様、 「私は〜」ですし、雰囲気はあまり変わりません。 気になった文章が1つ 3章のラストの1文(P.33): しかしそれはあくまで「あるいは」であり、どこまでいっても「あるいは」でしかない。」 意味が分かりづらいです。 「あるいは」は原文の"possibly"の直訳なのですが、 「もしも」ぐらいに意訳した方が日本語としては自然です。 無論、村上氏は重々承知の上。 氏の「原文に忠実に訳す」という強い意志を感じました。 後書き解説のフィッツジェラルドと絡めたチャンドラー論も読み応え有りです。 | ||||
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名作であることは、疑う余地のないこと。古典と位置づけても異論はない。何故、これ程までにレイモンド・チャンドラー、フィリップ・マーロウが評価されるのか。主人公であるフィリップ・マーロウに侍(サムライ)の精神性や人生観を感じました。 | ||||
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名作であることは、疑う余地のないこと。古典と位置づけても異論はない。 何故、これ程までにレイモンド・チャンドラー、フィリップ・マーロウが評価されるのか。 主人公であるフィリップ・マーロウに侍(サムライ)の精神性や人生観を感じました。 | ||||
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「ギムレットには早すぎる」で有名な本書。名台詞があるだけでなく、作品の完成度も優れており、ミステリーの範疇におさまらない、一流の文学作品に仕上がっています。先ほどの台詞は物語の最後の鍵となっているので、未読の皆様はギムレットを飲むときに隣の女の子にそっとささやくだけでなく、出自を確認しておくのは礼儀だと思います。駄目なテリー・レノックスになぜマーロウはそんなに手をかけるのかよくわからない面が多々ありますが、本書から男の生き様について教わることは多いはずです。男は我慢しなければならない局面がいっぱいあります。自分に好都合のことでも、マーロウは自分の信念に正直なのです。つまり自分の信念が No といったら絶対にそちらを選択しません。本当損な生き方をしているのですが、マーロウは自分を変えません。その生き様に私たちは震えるのです。今回で3回目の再読。いつも私たちに新しい感動を与えてくれる本書はいつまでも手放せません。だんだん本書のマーロウの年齢に近づいていく私ですが、マーロウの生き様に近づけるのはまだまだのような気がします。いくつになっても本書から教えられることばかりなのでしょう。こんな場合マーロウはどうするのか。こんなことを考えながら、数年後また手にとることでしょう。それにしてもローズのライムジュースで作ったギムレットを飲んでみたい。 | ||||
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「ギムレットには早すぎる」で有名な本書。名台詞があるだけでなく、作品の完成度も優れており、ミステリーの範疇におさまらない、一流の文学作品に仕上がっています。先ほどの台詞は物語の最後の鍵となっているので、未読の皆様はギムレットを飲むときに隣の女の子にそっとささやくだけでなく、出自を確認しておくのは礼儀だと思います。 駄目なテリー・レノックスになぜマーロウはそんなに手をかけるのかよくわからない面が多々ありますが、本書から男の生き様について教わることは多いはずです。男は我慢しなければならない局面がいっぱいあります。自分に好都合のことでも、マーロウは自分の信念に正直なのです。つまり自分の信念が No といったら絶対にそちらを選択しません。本当損な生き方をしているのですが、マーロウは自分を変えません。その生き様に私たちは震えるのです。 今回で3回目の再読。いつも私たちに新しい感動を与えてくれる本書はいつまでも手放せません。だんだん本書のマーロウの年齢に近づいていく私ですが、マーロウの生き様に近づけるのはまだまだのような気がします。いくつになっても本書から教えられることばかりなのでしょう。こんな場合マーロウはどうするのか。こんなことを考えながら、数年後また手にとることでしょう。それにしてもローズのライムジュースで作ったギムレットを飲んでみたい。 | ||||
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たぶん今回3回目くらいになりますが再読してまたしても感銘を受けました.チャンドリアンにはたまらない一冊.ギムレットを飲みたいと思わせてくれた一冊でもあります.日本語で読んで英語で読むとまたさらに味わい深いです.ハードボイルドを文学研究の対象にさせたともいえる大作. | ||||
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1泊2日の突然の関西出張で、車中と、待ち時間に読んだ。京都、大阪の風のない街中で、本書を読み、一人で飲む酒の味は、また格別だ。20代で読んだときは、Barで一人で酒を飲むなんて、全く考えられなかった反面、一緒に酒を飲む友人は何人もいた。今は、酒は一人で飲む。友人は、一人もいない。一人で飲むようになってはじめて、マーロウやテリーの心情がわかるようになった。10年前は気づかなかったが、今回気づいたことは、この名作に、最後のほうで一瞬だけ日本人が登場すること。50年前の作品だが、全く古さを感じさせない。チャンドラーの結構は全編にわたって揺ぎ無く、マーロウのせりふは光を放ち続け、最後の一行を読み終わった後も、深い芳香は、いつまでも消えることがない。 | ||||
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たぶん今回3回目くらいになりますが再読してまたしても感銘を受けました.チャンドリアンにはたまらない一冊.ギムレットを飲みたいと思わせてくれた一冊でもあります.日本語で読んで英語で読むとまたさらに味わい深いです.ハードボイルドを文学研究の対象にさせたともいえる大作. | ||||
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1泊2日の突然の関西出張で、車中と、待ち時間に読んだ。 京都、大阪の風のない街中で、本書を読み、 一人で飲む酒の味は、また格別だ。 20代で読んだときは、Barで一人で酒を飲むなんて、 全く考えられなかった反面、一緒に酒を飲む友人は何人もいた。 今は、酒は一人で飲む。 友人は、一人もいない。 一人で飲むようになってはじめて、 マーロウやテリーの心情がわかるようになった。 10年前は気づかなかったが、今回気づいたことは、 この名作に、最後のほうで一瞬だけ日本人が登場すること。 50年前の作品だが、全く古さを感じさせない。 チャンドラーの結構は全編にわたって揺ぎ無く、 マーロウのせりふは光を放ち続け、 最後の一行を読み終わった後も、 深い芳香は、いつまでも消えることがない。 | ||||
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