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長いお別れ
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【この小説が収録されている参考書籍】
長いお別れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全290件 181~200 10/15ページ
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コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ―妻を殺したと告白して死んだ友人からの手紙にはそう書かれていた。彼の無実を信じ逃亡を手助けして私立探偵である主人公には、心の残る結末だった。だが、別の依頼で失踪の理由を探るうちに真実に辿り着く…。「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」 | ||||
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コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ―妻を殺したと告白して死んだ友人からの手紙にはそう書かれていた。彼の無実を信じ逃亡を手助けして私立探偵である主人公には、心の残る結末だった。だが、別の依頼で失踪の理由を探るうちに真実に辿り着く…。 「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」 | ||||
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ハードボイルド私立探偵の代名詞ともいえるフィリップ・マーロウが一人称で語る本書は、レイモンド・チャンドラーの代表作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」’55年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作である。この“準古典小説”『長いお別れ』が村上春樹の訳出により『ロング・グッドバイ』として甦った。この新訳版は’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門で第9位にランクインしている。それが、私が初めてチャンドラー作品を読むきっかけとなった。当然、清水俊二の旧訳も読んでいないので、レビューに多く見られるような新訳・旧訳の比較はできないので、作品自体の感想になる。 本書でマーロウは、テリー・レノックスに友情を抱き、彼が犯したとされる妻殺しを信じようとしない。そして、ベストセラー作家ロジャー・ウエイドとその妻アイリーンと知り合うようになり、ロジャーがレノックスの妻の不倫相手のひとりだと知るのだが、ロジャーもアイリーンも死んでしまう。調査の結果、これらの愛憎の果ての血なまぐさい事件の真相を知るのだが、マーロウは、常にタフで、頑固で、機知に富み、孤独で、やくざで、金には淡白で、ロマンチックである。彼が語る一人称叙述は、余分な心理描写を省いて、その目に映る情景を切り取るように語られる。また、物事に一家言を持っており、そのこだわりも語られる。そのあたりを原文にあくまで忠実に、省くことなく翻訳したということが、村上春樹の長い「訳者あとがき」(これがまた名文であり、本書の価値を一層高めている)にあるが、読んでいてもまだるっこしいところはなく、不思議とストレートに胸に入ってくる。 本書は、さすがにMWA賞受賞作だけあって、そのキャラクターが多くの読者を惹き付ける、紛れなき存在感を身につけたヒーロー、フィリップ・マーロウが主役の、その時代を背景にしたロス・アンジェルスを舞台にした男女の愛憎や二転三転するプロットと、変わらぬ男の友情を描いた、改めて清水俊二の訳による『長いお別れ』も読んでみたくなるような傑作である。 | ||||
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50年代に書かれ、ながらく『長いお別れ』として知られたハードボイルド小説の最高峰と言われてるレイモンド・チャンドラーの作品です。昨年、村上春樹氏による新訳本が出版され実は昨年初めて読みました。これは、はっきりいってすごいです。原作の雰囲気に忠実な村上訳もさることながら、オリジナルのミステリの面白さ、語り部としてのフィリップ・マーロウの圧倒的な存在感にあっという間に引き込まれ、読み始めたら止まらなくなってしまいました。忘れたころに読み返してますがそれでもまた面白いです。LAでのある殺人事件がきっかけで、重層的に織り成す人間関係の描写から、幾重にも仕込まれたミステリの謎解きも見事です。しかし、もっともすごいのがフィリップマーロウの存在。村上氏はあとがきで90ページも費やしているのですが、これだけでほとんど解説本の域に達しており、一冊分の価値があるくらいです。マーロウの行動は、彼の人間としての自我意識の実相をすべて反映していると思えない一方、行動描写は一貫性をもった視点で貫かれている。ゆえに、マーロウは、実在の人間というよりは『純粋仮説』そのもの、または『純粋仮説の受け皿』であると。これほど見事な解説には始めてお目にかかりました。マーロウが仮説だからこそ、人間の機微や感情により生じる、あいまいさや柔らかさを一切なくしたような状態、固ゆで卵=ハードボイルドの世界がこれほどの一貫性をもって成立したのか!!!と納得しました。マーロウ=ハードボイルド=純粋仮説の受け皿、、、なるほど!!!! | ||||
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ご存知のように、ロング・グッドバイは永いお別れという邦題でも出版されている。 訳者村上春樹氏があとがきで書かれている“To say good by is to die a little.” について、英語が苦手な(だけが原因ではないですが)私は長い間誤解をしていた。 別れるということは、少しの間死ぬようなものだ。(それほどに別れは痛みを伴う) と思っていた。しかし、別れるということは、これまでの自分の一部が失うことだ。 と知り、言葉の深さにしばし呆然とした。 死別の限らず、これまでの人生でいったいそれほどの別れを何度してきただろう。 もしくは、その時その時の別れにそれほどの思いを抱いて来ただろうか。 そう思うからこそ、ロング・グッドバイで描かれる世界観に惹かれ、圧倒的な 苦しさを覚えながらも頁をめくる手が止まらない。 徹夜覚悟で読んでください。 | ||||
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ハードボイルドになじみのない世代にとってハードボイルドとはこういうことを言うんだなとゆーよーな主人公フィリップ・マーロウ。その言動は常にシニカルでタフでかっこいいとも言えるが、普通に考えるとちょっとかっこつけ過ぎじゃないのと思ってしまう。しかしどこまでもハードボイルドに徹し、呆れかえるほど皮肉が飛び交うこの作品世界ではそう言ってしまうと成立しなくなってしまう。ちょっと非常識な位徹底したハードボイルド。それこそがこの作品なのだろう。好き嫌いは結構分かれそうだ。基本的にはミステリーなのだが、主人公のハードボイルドな語り口が文学的で、謎解きうんぬんよりその世界観に読者は魅かれていくのだろう。作者レイモンド・チャンドラーはフィッツジェラルドに傾倒しており、その影響を大きく受けていると訳者・村上春樹は指摘する。その村上氏自身、そのフィッツジェラルドとチャンドラーに影響を受けていると自ら告白している。村上氏の小説の主人公はハードボイルドな感じはしないが、そう言われてみれば確かにマーロウのようにタフな精神構造の持ち主だ。700ページにおよぶ分厚い作品だが、非常にスムーズに読める。鞄に入れて持ち歩くのが少々重いのがたまにキズw | ||||
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もう何度も読み返してる…。 この『長いお別れ』でチャンドラーを知った。 他の作品も全部読んだ。でもこの『長いお別れ』にはとても叶わない。 正直、背景描写などが面倒くさいって思う時もある。 でもセリフが圧倒的にかっこいーんだよ。 ストーリーがどうのこうのは言わない。そこにいるマーロウが格好いいんだ。 喧嘩なんか弱くたっていい。 友達ってなんだろう。 約束を守るってなんだろう。全ての子供達に読ませたい。 | ||||
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もう何度も読み返してる…。 この『長いお別れ』でチャンドラーを知った。 他の作品も全部読んだ。 でもこの『長いお別れ』にはとても叶わない。 正直、背景描写などが面倒くさいって思う時もある。 でもセリフが圧倒的にかっこいーんだよ。 ストーリーがどうのこうのは言わない。 そこにいるマーロウが格好いいんだ。 喧嘩なんか弱くたっていい。 友達ってなんだろう。 約束を守るってなんだろう。 全ての子供達に読ませたい。 | ||||
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人は愛する者達を突然失った時どう立ち直れるのか、訳文の巧みさもあって、胸を打つものがある。チャンドラーのミステリー小説この作の前の「さよなら、愛しき人」と一緒に読むとテーマがミステリーというだけの純文学の一端みたいに思える。独特のスタイルで惹きつけられてとにかく面白い。 | ||||
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あの『長いお別れ』の新訳。この小説には思い入れがある。高校1年のときに初めて読んでから、何回読んだろう。高校、大学とハードボイルド小説に凝ったきっかけになった本だ。 それに、初めてペーパーバックを買って、英語の本を読んだのもこれ。高校のときの夏休み1カ月かけて読んだ。 さすがに村上春樹で、以前の清水俊二の訳よりも文章もうまく、なめらかだ。ただ、全体の印象はかなり、甘めになったなぁって感じ。マーロウはセンチメンタリストで、特にこの小説は、テリー・レノックスとの関係は、もともとハードボイルド小説のなかでも甘い感じがしてたんだけど、より一層強く感じる。 チャンドラーはそこが魅力ではあるんだけど、違和感があるなぁ。 でも、チャンドラーは面白いな。もう一度、全部読み返そうかな。 | ||||
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十年ほど前に清水俊二訳で読み、感動し、それから原書を手に入れ、それを繰り返し読んできた。そして今回、村上春樹が訳したということで読んでみた。あとがきはとても楽しめた。とても気持ちが伝わる。しかし肝心の翻訳は、少々がっかりしてしまった。地の文はともかく、台詞に原文の切れ味が感じられない。そして台詞はこの作品の中で、極めて重要な役割を担っている。この村上訳に対する何人かのレビュワーの言う通り、台詞は清水俊二訳の方が優っていると思う。 村上春樹の作品に対する思い入れはとてもよくわかるが、残念ながら彼の文体は(Raymond Carverの文体とは対照的に)Raymond Chandlerの文体とは合わないような気がする。 | ||||
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第1次世界大戦に従軍し、石油関連企業の副社長まで上り詰めたレイモンド・チャンドラーが1953年に18歳年上の病床の妻の側で書き上げた本書は、資本主義が崩壊し始めた2009年にも十二分に通じる多くの示唆を内包していました。例え窮地に陥ろうと、損をしようと、自分のプリンシプルに何処までも忠実に行動する探偵マーロウの生き様は読者に共感と憧憬を抱かせます。そして、訳者あとがきで「小説というものを書き始めるにあたって、僕は多くのことをチャンドラーから学んだ」と村上さんが語るように、マーロウの生き様に読者は少なからず村上作品の主人公のそれを重ね合わせることになります。米国社会の闇の実相。ミステリとして十分な仕掛け。我々が無意識の内に憧れる、金や他人に左右されずに自分の信念に忠実に生きる純粋なマーロウの行動。そして、ある種の人だけが経験できる魂の交流の物語。それらが一部冗長であるものの見事に描かれており、村上さんをして二つ返事で翻訳に従事させた超一級の小説です。 | ||||
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初めてレイモンド・チャンドラーを読んだ。ハード・ボイルドの私立探偵物としては、筋立て謎かけに妙味なく単調で読むのがシンドイ。チャンドラー好きの人は、恐らく主人公マーロウの魅力にゾッコンなのだろう。アメリカ人の憧れの男性像の一つかもしれない。一匹オオカミで、自分の価値観で行動し、どんなことがあっても自分のスタイルを守る。徹底的な反権力で服従を嫌う。人生に充足しているというよりは、喪失感からかげりが漂う。村上作品の『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』の情景が次々にマーロウに重なっていく。チャンドラーなくして村上作品の主人公は存在しないのかもしれない。ただ、マーロウの「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」、「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」といった決めゼリフは、ジェネレーションが若すぎてシビレルことができない。時代は、ハンフリー・ボガードが格好良かったあたりだろうか? | ||||
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本書を読まずして、小説は語れぬ。ブラッドベリイに影響を与えたと言う作家の最高傑作。ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に通ずる、至極の逸品であります。これぞ、まさしくゾンビ小説であるのであります。 | ||||
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「いっしょに寝ることにきめた」 「お金が目当てなのね」と、彼女はいった。 「シャンペンはおごったぜ」 「シャンペンなんか、なにさ」と、彼女はいった。 気の利いた台詞を吐くためには、説得力のある身体と行動力が必要だなと思った。男同士の友情の話。大好きな本です。 | ||||
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「いっしょに寝ることにきめた」 「お金が目当てなのね」と、彼女はいった。 「シャンペンはおごったぜ」 「シャンペンなんか、なにさ」と、彼女はいった。 気の利いた台詞を吐くためには、 説得力のある身体と行動力が必要だなと思った。 男同士の友情の話。 大好きな本です。 | ||||
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レイモンド・チャンドラーの有名な「長いお別れ」を(今や世界的な名声を誇る)村上春樹が翻訳するという最高の作品で、ストーリーやセリフから寄り道の部分を含めて最高のエンターテイメント作品と言える。 探偵フィリップ・マーロウが厄介なクライアントであるテリー・レノックスを助けたことからその事件に引き込まれていくのだが、ほのめかしはあるものの最後の最後まで真相はわからず、最後にその全てを把握できた時には感動すらありました。 それから、この作品の素晴らしいところはどの部分を読んでも全ての部分が面白いということが言えます。 ちなみに、有名な「ギムレット」についてのセリフはフィリップ・マーロウが言ったのではない。それは作品を読めば最高の場面で登場することがわかる。 村上春樹はフィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」も素晴らしい翻訳をしていて、しかもチャンドラーもフィッツジェラルドをリスペクトし作中でも「最高の酒飲み作家」だと評している。あとがきでも村上春樹は二人の接点や類似点を挙げている。 | ||||
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推理展開はそれ程、スリリングではないけど、ラストの主人公との友情のシーンは痺れる。マーロウの生き方がいかしてる。 | ||||
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推理展開はそれ程、スリリングではないけど、ラストの主人公との友情のシーンは痺れる。マーロウの生き方がいかしてる。 | ||||
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洋書であるロング・グッドバイをここまで違和感を感じずに読むことができたことを感謝するとともに秀逸な翻訳本として評価したいです。 内容はハードボイルドな私立探偵を営む主人公フィリップ・マーロウが不可解な自殺の謎に迫ります。彼が行動で示唆する男気溢れる信念は齢30にして心の奥底に眠る男心を否応無しに擽ってきます。 春樹氏による「あとがき」でチャンドラー自身、「彼(フィリップ・マーロウ)は実在し得ない」と語られていますが、これがフィリップ・マーロウを言わずもがな語っているかと。本書の好みは主人公への思い入れが特に大きく左右しそうです。 | ||||
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